「反復は正義だ!」初恋クロマニヨンが大会連覇の『お笑いバイアスロン』を振り返る

出典: FANY マガジン
「お笑いバイアスロン」で連覇を達成した初恋クロマニヨン/©QAB

沖縄のお笑い総合王者を決める「お笑いバイアスロン2022」の決勝大会が8月27日に行われました。「お笑いバイアスロン」とは、スポーツの二種競技をなぞらえていて、コント・漫才の2つのステージでお笑い総合力を競う大会となっており、審査員に伊藤正宏氏、内村宏幸氏、鮫肌文殊氏、高須光聖氏、中野俊成氏ら日本のテレビ界をけん引する有名放送作家5人が務めます。

記念となる第10回大会は、よしもとエンタテインメント沖縄所属の芸人、初恋クロマニヨン(比嘉憲吾・新本奨・松田しょう)が連覇を達成しました。中学時代から学校行事などでみんなを笑顔にさせていた3人(中学当時は4人で活動)。今回は初恋クロマニヨンに大会を振り返ってもらいながら、今後の展望なども語ってもらいました。

「真のチャンピオン」「喜びと安心感」「悔しくなってきた」3人それぞれの思いが交錯

――「お笑いバイアスロン」を初めて連覇した心境をお聞かせください。

松田:連覇は今まで無かったので味わいたいという気持ちはありました。今回は(この大会で)過去に4連覇しているリップサービスさんに勝てたことがうれしかった。4連覇って並大抵のことでは無いので、そういう意味ではリップサービスさんをリスペクトしています。彼らが出ていない大会で優勝しても「真のチャンピオンなのか」という自問自答はありました。今回初めて勝てたことで、ようやく「チャンピオン」と名乗っていいかなと思っています。

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出典: FANY マガジン / 初恋クロマニヨン・松田しょう

新本:今回は第10回という記念大会で、番組制作側も力が入って、歴代優勝者を揃えたり、東京と大阪でも予選会があったりとか。(つわものが揃う中で)勝てれば真の王者になれるなと思いました。あと、現在うちらが務めているレギュラー番組(今大会の副賞)もかかっていたので、死守できたことに喜びと安心感が複雑に絡みあっていました。

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出典: FANY マガジン / 初恋クロマニヨン・新本奨

比嘉:2連覇っていう形なんですけども、(この大会は)2019年、2021年、2022年とトータルで3回優勝していて、今になって、2020年に優勝できなかったことが悔しくなってきました。優勝していたら4連覇で、リップサービスと肩を並べていたので……。でもあれがあったからこそ、今があるかもしれないですけどね。

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出典: FANY マガジン / 初恋クロマニヨン・比嘉憲吾

反復は正義だ!

――今回のコントは衝撃的でシンクロ感が半端なかったですね

松田:僕らは練習する方法があって、ネタの台本を矢継ぎ早に10回連続でやるという方法を何日間かくり返して行います。僕の中で「反復は正義だ!」と思うところがあって、どんなネタでも完全に頭に入っているので、本番で練習通りに行かなくても臨機応変に対応できるような気持ちで臨んでいます。今回のコントのシンクロ感も「ずれちゃったらどうしよう」とか、(練習を積み重ねているので)その辺の怖さはありませんでした。

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「ヤマシロタカフミ」という奇抜なコントを披露する初恋クロマニヨン/©QAB

今回の優勝は会場を味方に付けることができた

――昨年優勝して、環境の変化はありましたか? また、連覇という部分にプレッシャーは感じましたか?

松田:(昨年優勝したことで)レギュラー番組が始まったことが僕ら3人には大きいなと思いました。楽しんでできる数少ない仕事なので……(笑)。でもそれが3人のコミュニケーション力を高めているかなとは思います。レギュラー番組があったことは(連覇への)大きな起点になりましたね。

新本:やっぱりレギュラー番組が出来たことはデカかったですね。(大会前は)スタッフさんがめちゃくちゃ応援してくれて、それは全然プレッシャーにはならず、むしろこれで頑張ろうとなれました。

比嘉:前回優勝して、レギュラー番組をもらえて順風満帆だったので、2連覇という重圧は特に無かったです。今回のネタが出来上がってから、これウケるな、楽しんでいけるなって思い、コント終わったときにはもう「いけるな」と思ってほぼ確信はしてました。そこからちょっと待ち時間長くて、漫才でちょっと飛ばした部分があったんですけど(笑)。

松田:昨年は無観客という形で行われたのですが、僕らは今回、有観客だから優勝できたと思います。無観客であれば大自然さん(今大会準優勝)が優勝していた気がしますね。それだけ大自然さんは質の高い漫才を行っていたので。有観客ということで会場の笑い声も加味された部分もあると思うので、そういう点では会場をうまく味方に付けることができたかなと。

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レギュラー番組を務めている「ウチラン UCHINA-RANKING -」/©QAB

世の中にあふれてるものを見逃さなかったもん勝ち

――松田さんがネタを作っているという事ですが、今回のネタのきっかけは?

松田:今回のコントでいえば、日常でアイドルグループのメンバーが脱退や加入をくり返しているところがあって、それがぼんやりと面白いと思いました。それを一個人に置き換えてみたら、より面白くなるのではと思って。(今大会で披露した)漫才の甲子園ネタも「代打で出てきた元気な補欠の3年生」という部分をやりたかっただけで、それからネタを肉付けして言った感じです。

――松田さんは普段はどのようにネタを作られていますか?

松田:自分は(歌手の)あいみょんさんが好きで、彼女が「別に何か湧き出てくるものなんかないと。世の中にあふれてるものを見逃さなかったもん勝ち」と話していたことがあって、俺も全く一緒だと思いました。何か(ネタが)降りてくるというタイプとかではなく、「あ、これ面白い!」と自分の琴線に触れることがあって。そういうのを常にメモしながらもネタのベースになっていますね。

――新本さんや比嘉さんは、松田さんのネタをどう思いますか?

新本:松田がネタを作って、僕らにプレゼンするときに「僕らもどこかで見たことがあるし、なんかわかる~」と気づかされるのが好きですね。

比嘉:いいぐらいのネタのチョイスというか、巷であふれている違和感を形にしてくれるなって思いますね。

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出典: FANY マガジン / この日、他に2社の取材があっても笑顔で丁寧に対応してくれた初恋クロマニヨン

今後は新しいことに挑戦したい…まずは「新しい仕事をくれ!」

――今後の初恋クロマニヨンの展望をお聞かせください。

松田:優勝していい流れではあるけど、今のこの状況だけをしがみついてもしょうがないと思うので、何か新しいことに挑戦したいなと。なので「新しい仕事をくれ! なんでもやるから使ってくれ」と思いますね(笑)。

新本:せっかくのレギュラー番組も継続が決定したので、今ある番組を盛り上げつつ、知名度を上げながら、新しい仕事が増えたらと思います。

比嘉:僕らはネタが引っ掛かって(番組に)お呼ばれするようなタイプだと思う。そういう意味ではネタをやる番組とかは全国的にいっぱいあるので、オーディションに挑戦して、いっぱい出れたらなって思います。

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出典: FANY マガジン / 初恋クロマニヨンの今後の活躍にも注目!

優勝しても、貪欲に仕事を欲する初恋クロマニヨンの3人。レギュラー番組を持ち、連覇を達成した初恋クロマニヨンの快進撃はまだまだ続きます。