なかやまきんに君が語る「筋肉芸の完成形」 ボン・ジョヴィの生演奏にシュワちゃんが…

今年に入って悲願のボディビル大会で優勝し、YouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV」はサブチャンネルも含めて登録者数計174万人超――と芸歴22年目にして、ますます注目を集める”元祖筋肉芸人”のなかやまきんに君。このたび、トレーニングのエッセンスを集めた『なかやまきんに君の[日めくり]パワー!ワード!』(ヨシモトブックス)の発売を記念してインタビューを敢行しました! きんに君が語る「筋肉」と「お笑い」とは!?

出典: FANY マガジン

日めくりで毎日目に入るから続く!

――まずは、『なかやまきんに君の[日めくり]パワー!ワード!』を発売することになった経緯を教えてください。

僕、17歳からトレーニングを始めて、今年でトレーニング歴が25年になるんですよ! さらに今年5月にはずっと出場していたボディビルの大会で優勝もできて、ひとつの節目を迎えたなと。もうひとつ、コロナでみなさん自宅にいる時間も増えたと思うので、このタイミングで筋トレを始めるきっかけになるようなものができたらと思って、日めくりを作ることになりました。

――過去には筋トレに関する書籍も出版していますが、今回、「日めくりカレンダー」の形にした理由は?

筋トレでもどんな運動でも、まずは継続が重要なんですよ。でもそんなこと、皆さんわかってますよね。わかっていても、続かないこともある。そんなときにいちばん大切なのは、続かなかったときに気持ちを切らさないことだと僕は思うんです。

――気持ちを切らさないこと?

そう。続かなかった自分を責めて「私にはもう向いてないのかな」と思ってしまうと、本当にそこで習慣が止まってしまう。でも、日めくりには1日から31日まで毎日違うことが書いてあるので、それを目にすることで再び新たな気持ちで始めることができるかもしれない。そういう意味で毎日目に入る、毎日めくる日めくりにしたんですよね。だから筋トレが途中で止まっても、めくるのだけは止めないでほしいですね。

出典: FANY マガジン

――毎日いろんなメッセージがありますが、作るときに気をつけたことや大変だったことは?

もちろんこれを見て筋トレを始めてもらえたり、続けてもらえたりというのが、いちばんの目標ですけど、ただただ「頑張ろう」という真面目なメッセージでは面白くないので、バランスを考えるのは大変でした。真面目ななかに、くすっと面白く感じてもらえたらと思って。でも、ちゃんと役に立つように25年間のトレーニング生活で学んだことを凝縮させたような内容になってます!

25年間トレーニングを続けられた理由

――25年間トレーニングを続けるのは並大抵のことではないと思いますが、続けられた理由は何でしょう?

やはり、「好きだから」というのが大きいです。ただ単に「カッコいい体になりたい」とか、本当に単純な理由で始めて、いざトレーニングしてみたら体が変わるのが面白かったという。やればやるほどどんどん変わっていく、このままいけば自分がもっともっとよくなるかもしれない。そういうことが、自分の体のなかで起きているという。数字の変化ももちろんありますけど、それよりもやっぱり、見た目が変わるのが面白かったんですよ。

――数字よりも、見た目?

見た目が変わると、本当に人生が変わるんですよ! 身長は自分でコントロールできないけど、筋肉は自分でトレーニングして、食事をとって作っていける。だから筋トレをしている人って、自分の筋肉に話しかけたりするんですよね。僕もネタでやりますけど(笑)。

出典: FANY マガジン

――そんなふうに続けたいと思っても、なかなか難しそうです……。

べつに僕が人よりストイックで、すごい努力をして続けたわけじゃないんです。たまたま僕は筋トレが好きだったから続いただけなんですよ。たとえば、英語の勉強とか、ピアノとか、本を読むこととかでも、好きなことって苦にならないじゃないですか。だから、続かないからって苦にすることはないんです! 僕としては、もし興味が沸いたら、まずは1回でも始めてみてくれたら嬉しいですけど。

――筋トレはいま空前のブームですが、ずっと続けているきんに君さんはどんなふうに感じていますか?

たしかにジムに来る人が増えたなとか、女性もたくさん見かけるようになったなとか、そういう変化はありますけど、ブームはあまり感じてないんですよね。僕のなかではライフスタイルだから、当たり前のことすぎて……。もっともっとたくさんの人にとって当たり前になったらいいなと思います。

「筋肉の量は成長してます」

――先ほどの話にもありましたが、今年5月にボディビル大会(東京ノービスボディビル選手権大会75キロ超級)で優勝したのはかなり大きな出来事でした。

はい、2015年から6年間、毎年挑戦してきて、でも準優勝までしか行けなくて。悔しい思いもいっぱいしました。やっぱり、ついまわりと比べてしまうんですよね。でもまわりじゃなくて、1年1年自分の成長を確認しながら、あきらめずにトレーニングを続けていれば、いつか必ず目標が達成できる。優勝してみて、改めてそんなことを学べました。

――お笑いの賞レースの話にも通じそう話ですね。

そうですね、みんなはそっちに賭けてますけど、こういう方向もある。いろんな芸人のスタイルがありますね!

出典: FANY マガジン

――きんに君さんは最近、YouTubeはもちろんのこと、CMにも出演して、ますます注目を集めていますが、ご自身ではどう感じていますか?

うれしいですよね。芸歴22年、最初のころは「筋肉キャラでお笑いなんかできるか」という空気でした。われながら、流行り廃りの早い芸能界でひとつのキャラでよく頑張ってるなと思います。正直、「おい、オレの筋肉!」とか「筋肉ルーレット」とか、僕のネタってどれも20年くらいやってるんですよ。ずーっと同じことやってますからね! ただし、まったく同じじゃない。筋肉の量は成長してますから。

――たしかに(笑)。筋肉の成長に応じて、筋トレの先生として尊敬されることも増えたのではないですか?

たしかにYouTubeやSNSのコメントにも「ふつうのお笑い芸人だと思ってたけど、筋トレを始めてきんに君のすごさがわかった」と書いてもらえることも増えてきました。でも、僕にもわからないことがいっぱいあって、日々、筋トレのやり方を試したり、食べ物について研究したりしているので、まだまだですけどね。

出典: FANY マガジン

なんばグランド花月で「It’s My LIFE」が鳴り響き…

――“元祖筋肉芸人”としてのこれからの目標は?

目標は常にあるんですよ。僕は一応、大阪NSC(吉本総合芸能学院)出身なので、たとえば、大阪・なんばグランド花月でイベントをやるとか……。

――イベントですか?

僕のイベントにボン・ジョヴィをゲストで呼んで、生演奏をしてもらうんです。♪ダンダーン ダダダダーンダーン(きんに君のテーマ曲「It’s My LIFE」のイントロ)で僕が登場するんですよ。♪ダン! ダン! It’s My Life~のところで「ヤー!」って言う。それがオープニング。「メンバー紹介します、ボン・ジョヴィでーす」って。すごいじゃないですか。

――すごいです。

「最初にあのネタいきましょうか! スパゲティにチーズかけましょう」と言って、「お客さんで一緒にやりたい人!」と手を上げてもらうんですよ。「じゃあ、身体の大きいあなた、一緒にやりましょう」と客席から舞台にあげて、「お名前は?」って聞いたら「アーノルド・シュワルツェネッガーです」って本物に答えてもらう。「え、来てたんですね! このイベント、どこで知りました?」と聞いたら、「YouTube見たよ」って答えてくれる。「YouTube見てるんですか!」、そこで後ろでボン・ジョヴィが「ダダン」ってコミックバンドっぽく音を出してくれる。そこで僕が「いいからそういうの、こっちで話してるから!」とボン・ジョヴィにツッコむ。「好きな食べ物は?」と僕が聞いて、シュワちゃんが「鳥の胸肉」と答えたらボン・ジョヴィが「ダン!」と音を出す。で僕が「いや、いまボケてないんで! そこには『ダン!』いらないでしょ」とツッコミを入れて……(以下、しばらく内容を詳細に説明)。
……こういうやりとりを1時間くらいやって、最後に「It’s My LIFE」の演奏に合わせてシュワちゃんとチーズを一緒にかける。そういうイベントです。

出典: FANY マガジン

――とても具体的な目標で驚きました。

頭のなかには、もう1時間分の台本ができあがってますから。シュワルツェネッガーももう70代ですから、5年以内には実現したいですね。それが筋肉芸の完成形。僕が次のステージに行くには、このイベントが必要です。これができたら、もうあと2000年くらいは筋肉芸人出てこないんじゃないですか。

――近い将来、実現することを楽しみにしています。

そうですね。「あの時、話してたあれが……」となるように。

――最後になりますが、どんな人に『なかやまきんに君の[日めくり]パワー!ワード!』を手にしてほしいですか?

筋肉と人生をパンプアップしたい人全員に見ていただきたいですね。真剣に取り組んで得たことって、ほかのジャンルにも通ずると思うんですよ。僕は25年間、真剣に取り組んだトレーニングで得たものを散りばめたので、筋肉に興味がなくても人生をパンプアップしたかったらぜひ手にとってみてください!

出典: FANY マガジン

書籍概要

『なかやまきんに君の[日めくり]パワー!ワード!』
発売日:10月13日(水)
定価:1,320円
発行:ヨシモトブックス
発売:ワニブックス

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