独特の世界観がファンを惹きつけるコウテイ・九条ジョーが、今年5月に開設した自身のオンラインサロン「ボクノ終脳室」で、ふだんのコンビの活動とはまったく違う顔を見せています。会員だけに向けた濃厚なコンテンツのキーワードは、「日常の出来事」「魚」「ファッション」……。「僕に染まっている方々に向けて思いを発信する場所」という九条に、そのちょっと不思議なサロンを作った意図や、今後の展開について大いに語ってもらいました。
「ボクノ終脳室」は、ファンクラブとオンラインサロンをミックスした吉本興業のサービス「FANYコミュ」で開設。会員限定公開のInstagramを展開していて、劇場やメディアで見るコウテイ・九条とはまったく違う、“九条ジョー”の素顔や思いが、写真や作品などを通じて表現されています。
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お笑い以外にもやりたいことがある
――「ボクノ終脳室」のInstagramでは、日ごろとはまったく違う表情の九条さんをたくさん見ることができました。なぜ開設しようと思ったんですか?
3年前から僕のSNSはすべて鍵アカウントにしていまして、フォローリクエストが10万件ほど溜まっているんですが、ひとつも認証していない状態です。僕自身は、僕のことをもっと知りたいと思ってくれている方々にだけ配信するコンテンツがほしいな、と思っていて。それはもう“おカネを払ってでも見たい”と言ってくれている方めがけて僕の思いを伝えたかったというのが、いちばんの理由です。
なので、会員の方は僕の深いところを知りたいし、僕もその方々だけに発信したい。そういう場所を作る目的で始めました。テレビや劇場では見られない僕を見ていただける、というのがいちばんの魅力なんじゃないかと思います。
――会員限定ページの「偽夜楽裏遺(ギャラリー)」には8つのカテゴリーがあって、それぞれに見たことがない九条さんの写真などが収められています。九条さんの本当の姿がもっと知りたくなる内容です。
ありがとうございます。いまはお笑いをベースに活動していますが、実はそれ以外のやりたいことがけっこうたくさんあるんです。それを先に公開したりとかですね。ファンクラブに近いんですが、会員の方々は僕がやっていきたいことを応援してくださる方々ばかりです。
――カテゴリーのタイトルも2文字の漢字を組み合わせた独特なもので、ひとつずつ解説していただけますか。
「虚美(きょび)」はモデルですね。「偽我(ぎが)」は俳優、「手創(しゅそう)」はイラスト、「機造(きぞう)」は単独公演のフライヤー(チラシ)、「違血(いち)」は生き物、「見界(けんかい)」は僕が見たもの、「本己(ほんこ)」は本当の自分(プライベートショット)です。すべて意味が込められています。
とくに写真は、ほかのSNSにも出していないので、本当に会員の方々だけしか見られない状態です。
――非常に独創的な世界が広がっていますが、どのようにこの世界観が生まれたんですか。
僕が“九条ジョー”というものを手に入れたときから、九条ジョーとは何なのかということを考えて、徐々に創り上げていった世界観かもしれません。
――九条ジョーがこの世に誕生した瞬間から、ということは、九条さんの中に“九条ジョー” がいる、ということでしょうか。
そういうことかな。ある意味、教祖が九条ジョーで、僕が、(教祖を)支持して表現する一番のしもべ、みたいな感覚に近いです。
――九条さんの中に、九条ジョーという存在がある、と。
そうです。矢沢永吉さんに近いかも知れません。「僕はいいけど、矢沢ならどうするかな」と同じで、「僕はいいけど、九条ならどうするかな」っていう感覚です。矢沢さんにも矢沢さんのイメージが絶対にあるじゃないですか。九条ジョーにも、九条ジョーのイメージがあって、僕は九条ジョーを客観視しているのかも知れません。
“ガルベアス卿の即位を祝う儀式”とは?
――その世界観を紐解いていきたいのですが、サイトのコンテンツだけでなく、今年7月には初めてのイベント「ガルベアス卿即位ノ儀」が行われました。およそ100人が出席したと聞いています。
そうなんですか? 滋賀県のすごい遠い場所(豊郷小学校旧校舎群)なのに、信じられない。
――九条さん自身は出席しなかったのですか?
九条ジョーは、出席していないかもしれません。たぶん、関与していませんね。“ガルベアス卿”という新しい王の誕生を、招待状が届いた皆さんで盛大に祝った、ということです。僕自身も少ししか関与できなくて、正直、どういう状況だったか把握できていないんですけれど、すごかった、ということだけは聞きましたよ。ただ、ガルベアス卿は仮面を付けていたそうで、素顔は誰も見られなかったそうです。あとは……いろいろあったそうなんですが、出席者の皆さんの、脳の中にガルベアス卿を誕生させる、という儀式があったとか、なかったとか……。すごかったですよ。誰も「なんやこれ?」と言わなかったですから。
「死ぬまで夢は終わらない」
――このサロンは今後、どのように広がっていくのでしょうか。
時が来たら、動き出そうとしています。そんなに遠い未来ではありません。まずは、コンテンツを充実させたいと考えています。ギャラリーの「違血(いち)」には、たくさんの生き物の写真が入っているんですが、僕は生き物が好きで、実家も熱帯魚屋さんを経営していたので、「ボクノ水族館」を作りたいんです。「ボクノ水槽」を作り、会員のみんなで捕まえた魚を水槽で大切に育てて、会員なら誰もがいつでも見られるっていうのを作りたかったんですよ。できれば今年の夏にやりたかったんですけど、スケジュールが合わなくて。これができたら理想です。
――かなり大きな水槽が必要ですね。
混泳できる魚の種類も決まっているので、ケンカしないようにしてあげたいな、と思ってます。時が来たら、また熱帯魚屋さんも経営したいですし、本当にどこかに場所を借りて「ボクノ水族館」をやるっていうのもいいですね。(大阪の)なんばには水族館がないと思うので、NGK(なんばグランド花月)の地下を狙っています。お笑いがてら、「ボクノ水族館」も見てもらう。理想的ですね。
――アパレルのプロデュースも考えているそうですね。
予定は未定ですが、服は大好きで、関西のオシャレ番長だとか、「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)の芸人の私服ランキングで2位になれたりですとか。それに「カナダグース」のモデルもしていますから。僕と(ボクシング元世界王者の)辰吉丈一郎さんですよ? すごいトガってるでしょう? そんな自分の外見を生かして、好きなことも仕事になってきているので、最終的には自分が着たい服を自分で作るところまでいくのが理想です。いまは、九条ジョーは何を着るか探しに行っていますが、自分が着たい服を作っちゃおう、と。自分だけ作るのもあれなんで、会員になってくれた方が買えるように、ブランドを立ち上げて、店舗があったら最高ですね。
――水族館を作って、アパレルショップもオープンして。いまはそのタネを植えている最中というところでしょうか。
「夢は終わらない」ですね。誰かが言っていると思いますけれども。ひとつ叶えたら、また次の夢が出てくる。叶わなくても、また次の夢が出てくる。「死ぬまで夢は終わらない」んだと思います。これも誰かが言ってるんじゃないですかね。
――グッズも手がけようとしているとか。
コンテンツとしてずっとファンの方々に発信していきたいので、最初に実現するのはグッズなのかな、と思っています。すでに話は進んでいて、あとはデザインを練ったり、という段階です。
いま吉本から出ている公式のグッズはステッカーなどですが、まったく違うものです。九条ジョーが作った、トランプやUNOに代わる新しいカードゲームとかですね。あとは「ボクノ涙」というテイでお水とか。たとえば8000円くらいでしょうか。ほかにもいろいろ出せたらいいなと思っています。たとえば僕の爪を切って、アクリル樹脂で固めて「王の爪」と名付けて10万円で売るとか。爪は死ぬまで無限で生産できるものなので経費もかからないですし。伸び次第なので、「入荷待ち」になるかも知れませんが。
――(笑)。でも、どんなグッズが出るのかも、本当のところは会員にならないと知ることができない、と。
そうですね。中に入っている人しか知ることができません。
――現在の会員さんは、九条さんにとってどんな存在ですか。
僕に染まってくれている方々です。それに優しい方しかいません。まるで、家族みたいな存在で、基本的に僕がやることを見守ってくれています。僕のやりたいことが、「ボクノ終脳室」のメンバーのやりたいこと、になっていると思います。まさしく“コウテイ(肯定)”です。
――このインタビューを読んで、「会員になりたいな」と思う人がいるかもしれません。そんな人の背中を押すような一言をお願いできますか?
俳句でいけるかもしれません。
――ぜひお願いします。
入るなら
入ってみせよう
くじょじょぎす
……これも誰か言っているかも知れませんね。
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