皆さまは、今年最初のGossip Timesで僕が「世界が混乱する」と予言していたのを覚えていらっしゃるでしょうか?
いやまぁ、正確には占い師の暮れの酉(くれのとり)さんが占った結果なんですけど。そして、1月に僕がそれをコラムに書いて、2月にはロシアによる『ウクライナ侵攻』がはじまったわけです。すごいですよね。あ! 占いがね? 占いがすごいってことね。
その頃、僕が「世界が混乱する」と言えたのは、今年が、5年に一度の『中国共産党大会』が行われる年だからです。そして、その頃の予想どおり、習近平国家主席の体制が、異例の3期目に突入しました。
もともと中国の国家主席の任期は『2期10年』と決まっていたので、2012年からスタートした現体制は、今年の党大会で終わるはずでした。しかし、2018年に国家主席の任期を無くすように憲法を改正したのです。その当時、習主席は「まわりがさぁ、俺がもうちょいやったほうがいいって言うからさぁ、憲法改正するなぁ」
という『やらされてる感』をやんわり醸していましたが、本当のところはわかりません。
ここで、中国の政治の仕組みをサラッと紹介します。
現在、中国共産党員は約9500万人います。自民党の90倍くらいです。その中で中央委員という人たちが204人います。さらにその中に政治局委員という幹部が25人いて、さらにその中に政治局常務委員という大幹部が7人いて、その7人のトップが総書記(国家主席)です。もう、めちゃくちゃにトップですよね。
さらにいうと、日本の国会にあたる『全国人民代表会議(全人代)』は年に一回、10日間ほど開催されます。日本の国会だと、最低でも150日間はあって、場合によっては延長したりするのに、とんでもなく短いですよね。けど、全人代は議席の70%が中国共産党なので、全く揉めません。中国共産党の政策がスルスル通ります。
じゃあ、そのスルスル通している中国共産党の政策を誰が決めているのかというと、7人の大幹部が週1回程度集まって決めているんです。共産党員9500万人どころか、中国国民14億人の運命を決めている7人です。もはや神です。神7です。そのセンターが習主席なんです。
しかも今回の党大会後に発表された新しい7人の顔ぶれが、もはや習近平派一色なんです。こうなってくると、7人で考えを話し合うというより、
「みんなで習主席をがんばって支えよう!」
「おー!」
といった感じのグループが完成したと言えるでしょう。ですから、今回の3期目突入というのは、いよいよ中国の全ての権力が習主席に集まったと考えていいと思います。
そんな習主席の悲願としているのが、中国による台湾統一です。習主席は今回の党大会の挨拶の中でも、台湾に対する武力信仰を否定してはいません。
もしも、中国と台湾が戦争になってしまうようなことになれば、当然日本にも影響があることは間違いありません。
戦争がいつ起こるのかはわかりませんし、そもそも戦争にならないことを願っていますが、もしかしたらその現実は、すぐそこまで迫っているのかもしれません。なんせ今年は、世界が混乱する年なので。
※本記事はあくまでも個人の見解です。