10月15日(土)と16日(日)の2日間、今年も京都市内各所で開催される「京都国際映画祭2022」の先行企画として、14日(金)、ヒューリックホール京都で「ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版」が上映されました。プロデューサーの立川直樹氏と作家の森永博志氏が登壇し、上映前トークと舞台挨拶を行い、貴重なトークを披露しました。
上映前からレアなトークを展開
「ソングス・フォー・ドレラ」は伝説的アングラロック・バンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードとジョン・ケイルが、友人であるアンディ・ウォーホル追悼のため21年ぶりの共演を果たした無観客ライブの記録映画。長らく所在不明だったオリジナル16mmネガを名匠エドワード・ラックマン監督が発見、4Kで復元されたのが本作です。
上映前トークは、立川氏が見る前にこれを知っておいた方がいいという話からスタートします。立川氏は作品中にジョン・ケイルがルー・リードを見るときの目に注目。そしてヴェルヴェット・アンダーグラウンドからジョン・ケイルが脱退した理由についても考察すると、イギリス人であるジョン・ケイルとニューヨーカーのルー・リードの違いなどについてもトーク。まだ作品を見ていないという森永氏も興味津々の様子です。立川氏は作品が対話形式のライブであること、無観客であることを明かし、「55分と短いけど、それ以上だと疲れるような凄い映画! 」とアピールし、上映がスタートしました。
天才的アーティストの貴重なライブ映像は圧巻
上映後の舞台には再び立川氏と森永氏が登壇。森永氏は「ジョン・ケイルがルー・リードを見る目がすごい」と上映前の立川氏と同じ感想を漏らします。さらにシンプルだけど深い、とも。そしてウォーホルが1950年代に世界一周をしている途中に訪日し、京都へ来た際に清水寺のスケッチを描いていたことを立川氏が明かせば、森永氏からはその世界一周のバリ島での体験からポップアーティストになったことなど、貴重なエピソードが次々に飛び出します。
さらにヴェルヴェット・アンダーグラウンドとビートルズの共通点、ルー・リードのギター、ジョン・ケイルのピアノの凄さなどトークは盛り上がる一方。そして改めて作品については、ルー・リードとジョン・ケイルの2人が21年ぶりに出会って、いろんなものの決着をつけたかったんだと思う、ラスト2曲は白眉と立川氏。そして、監督のエドワード・ラックマンについてもセンスが素晴らしいと絶賛すると、森永氏も抑制が効いていると同意。森永氏は「ルー・リードが生きている感じがした」とも。そして2人してこの映画は京都に合っていると評しました。