今年の「TSUTAYAえほん大賞」は…!? 育児奮闘中の横澤夏子「この本に出会えたから幸せと思える1冊」

全国のTSUTAYA・蔦屋書店の店員が選ぶ『第3回TSUTAYAえほん大賞』の授賞式が、10月26日(水)に東京・代官山の蔦屋書店で行われました。ゲストには2児の母である横澤夏子が登場。「毎日、子どもに読み聞かせをしている」という絵本への愛が深い横澤のトークが止まらず、温かな笑いに包まれた授賞式になりました。

出典: FANY マガジン
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『TSUTAYAえほん大賞』は、児童書に関わる担当者が、自分の子どもに読み継ぎたい・語り継いでいきたい作品を選出するもの。50年後も読み継がれる作品を育てたいという思いを込めて、今年7月末までの1年間に発売された絵本の中から選ばれました。

絵本は「表紙から裏表紙まで読む」

この日のMCは、保育士の資格のほか数々の育児関連の資格を持ち、“パパ芸人”としても活躍するタケトが務めました。タケトに呼び込まれて登場した横澤は、うれしそうにこう語ります。

「第1回も出させてもらったので、また呼んでもらえてうれしい! 毎回、なんてステキなお仕事なんだと思っています!」

タケトから「一昨年、『毎日3冊は読み聞かせします!』と話してましたが、2児の母になり、実践していますか?」と問われた横澤は「しています!」と即答し、絵本エピソードを披露します。

「2歳半と1歳の年子の育児で毎日が大賑わい、お祭り騒ぎで大変ですが、毎日、読んでいます。でも、それぞれが読んでほしい本を私のところに持ってくるので、私の前に行列ができています(笑)」

出典: FANY マガジン
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絵本の読み方で意識していることについて、横澤はこう語りました。

「第1回(の授賞式)で“表紙と裏表紙も作家さんがこだわっているポイントなので、ちゃんと読んでください”とアドバイスしていただいたので、それは守っています。(裏表紙の)バーコードまで読むぐらいの気持ちで実践しています」

横澤の“絵本トーク”が止まらない

さっそく、受賞作品の発表です。まずは10~4位まで。ランクインした本について聞かれた横澤は、「とりあえず、全部の本についてしゃべりたい!」と興奮がおさまりません。横澤家の子どもたちが大好きだという7位の『ねこいる!』について、こんなエピソードを披露します。

「実は、この作者のたなかひかるさんは芸人で……。むかし、『爆笑オンエアバトル』(NHK総合で放送されていたお笑い番組)で一緒になったことがある! 2人ともオフエア(放送されない敗者)でしたが…(笑)」

それぞれの本に対する横澤の愛が深くてトークが止まらない様子に、タケトは「10~4位の発表では、ここまで話すはずじゃなかった! でも、なっちゃんの温度がすごすぎて!」と苦笑します。ついつい内容を話してしまう横澤にタケトから、「なっちゃん、今日、すごい内容言っちゃうじゃん(笑)」とツッコミも入りました。

出典: FANY マガジン
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横澤「これからもどんどん絵本を読んでいきたい」

2位、3位の発表と新人賞の発表、盾の授与に続き、いよいよ大賞(1位)が……。今年の大賞に輝いたのは、ヨシタケシンスケさんの『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』でした。登場したヨシタケさんがスピーチします。

「ふだん生きていて、良いこともあるけど、悪いこともあるという思いが常々あって。受け取る順番なんだなと思っていました。こういう世の中のありようや、ままらなさをそのまま本にできないかと思い、この本ができました。絵本として考えると、ヘンな内容の本ではあるんですけど、そういうものでも絵本としてそこにいていいと言ってもらえているのがうれしい。絵本というものの懐の深さや奥深さを感じることができました」

出典: FANY マガジン
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この作品について、横澤が熱い思いを語ります。

「こんなに1枚めくるごとに面白い気持ちになったり、グッと泣けたり、この繰り返しがすごいな……。そして、わからない気持ちはいっさいない。毎日大変だけど、『私はこの絵本に出会えたから幸せ』と思える、頑張ろうと思える1冊でした」

タケトからヨシタケさんには、こんな質問が。

「絵本ってネガティブから始まっても最後はポジティブで終わるのが多いんだけど、この本はポジティブから始まりネガティブで終わる逆のスタイルで。これはどういう意図だったんですか?」

するとヨシタケさんは、こんな意外な一面を語って会場の笑いを誘いました。

「僕がふだん、こういう風に考えちゃう誰よりもネガティブな人間で……。たとえば『1位もらってうれしい。でも、帰りに何かよくないことが起こるんじゃないか』と考えちゃうんです(笑)」

出典: FANY マガジン
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イベントの最後に横澤が、絵本への思い入れを改めて語りました。

「今回も、たくさん素敵な作品に出会わせてもらい、本当にありがとうという感謝の気持ちです。絵本を通して親子で楽しめる時間が増えると思うので、これからもどんどん絵本を読んでいきたいと思います!」

【受賞作品一覧】

1位『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』(ヨシタケシンスケ/白泉社)
2位『大ピンチずかん』(鈴木のりたけ/小学館) 
3位『パンどろぼうとなぞのフランスパン』 (柴田ケイコ/KADOKAWA)
4位『さかなくん』 (しおたにまみこ/偕成社)
5位『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』(鈴木まもる/あすなろ書房)
6位『ひよこは にげます』 (五味太郎/福音館書店)
7位『ねこいる!』 (たなかひかる/ポプラ社)
8位『ドーナツペンタくん』 (柴田ケイコ/白泉社)
9位『あなたがうまれたとき』 (作:くさかみなこ、絵:横須賀香/小学館)
10位『ゆかしたのワニ』 (文:ねじめ正一、絵:コマツシンヤ/福音館書店)
新人賞『なみのいちにち』 (阿部結/ほるぷ出版)