小籔千豊“初の著書”は「ゲームの世界への恩返し」!? 親子関係まで変わったという“フォートナイト愛”を語る

お笑い芸人・小籔千豊の初の著書となる『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』(辰巳出版)の出版を記念して、11月17日(木)に東京・書泉ブックタワーで記念トークイベント&サイン会が行われました。“ゲーム嫌い”だっという小籔が、なぜ本を書くほどゲームにハマったのか。ファンからの質問に答えながら、その思いを語りました。

出典: FANY マガジン
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本書はお笑いではなく、オンラインゲーム「フォートナイト」に関する内容に特化した作品で、その意外性が話題を呼んでいます。「ゲームなんて時間の無駄」と考えていた小籔がなぜ、年間4000時間を費やすほど「フォートナイト」にハマったのか、また、それによって生まれた親子関係の変化についてじっくり語られ、ゲームに詳しくなくても楽しめる1冊。レイザーラモンHGによる温もりのあるイラストにも注目です。

ゲームが変えた親子関係

この日は、ふだんのテレビなどで見せる顔とは少し異なり、1人の“ゲーム好きおじさん”として、そして子育てに向き合う“父親”として、その胸の内を語りました。

これまでにも出版の誘いがあったものの、すべて断ってきたという小籔。今回、初の執筆に挑戦した理由をこう語ります。

「はじめはゲーム反対派でしたが、いまでは賛成派。反対する親の気持ちも、ゲームが大好きな子どもの気持ちもわかります。だから、親御さんには『ゲームにはこういういいところもあるんです』と伝えたいし、子どもたちには『ゲームもいいけど、本業(の勉強)もちゃんとやりや』と伝えられる、親子の橋渡し的なことがしたいなと思っていました。そんな話をテレビでしているのを出版社の方がご覧になり、声をかけてくれて、“本を出したい”というより、大好きな『フォートナイト』についてお伝えできるなら、とお請けしました」

出典: FANY マガジン
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ゲームにハマったことによる子育てへの向き合い方の変化について問われると、これまでの親子関係を「(子どもに対して)大人の知識や経験、『こうするべきだ』ということを一方的に垂れ流すだけで、笑わせたり、世間話をすることもなかった」と振り返りながら、こう続けます。

「ゲームをやるようになったら、『フォートナイトのマップが変わったな』とか、『パパ、あの武器しか使っていなかったけど、こっちの武器も使ったほうがええで』『ほんま?』みたいな、同じクラスの友だちとするような会話になっていった。“親から子”という一方的な目線ではなく、友だちのように対等な関係になったり、さらには、息子のほうがゲームが上手なので、息子が師匠、僕が弟子のような関係性になることもあります。会話の幅が広がったときに、やってよかったのかな、と。これがなければ、『この本を読め』『これを食べろ』と一方的に言うばかりの関係がずっと続いていました」

出典: FANY マガジン
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「フォートナイト下手くそおじさん」として、ゲーム配信YouTuberという新たな活動にも挑戦している小籔は、“ゲームの世界にお邪魔している”という感覚なのだそう。本を読んでもらうことで、以前の自身のように考えが偏っている大人たちの頭を少しずつほぐし、「ゲームの世界の人たちに恩返しがしたい」と言います。

できないことを克服して“生きている”と実感

この日のトークイベントには、抽選で選ばれた約40人のファンが参加。事前に集められた参加者からの質問に小籔が答えるかたちでトークを展開しました。

人気番組のタイトルにちなんだ「父として、男として、芸人としてのセブンルールは?」という質問には、それぞれ1つずつのルールを語ります。

「父としてのルールは、家族に生活費を渡しまくる」「男性としてのルールは、女性に優しくして嫌われないこと」と答えたうえで、芸人としてのルールについてこう話しました。

「芸人活動に関しては何の努力もせずここまで来たので、“小藪がしゃべった”“客が笑った”それだけです。なんのルールもなく、ここまで“おもろい、おもろい”と言われるようになりました」

出典: FANY マガジン
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また、「ゲームを好きになってよかったことは?」という質問には、こう答えます。

「この年齢になって、こんなにもできないことに出会う、そして、それを克服していくことが、すごく“生きている”という感じがしますね。僕くらいの年齢になると、新喜劇でも教える立場ですし、どの現場に行っても怯えることなく、振られたらおもろい返しをして、スタッフは大笑い、共演者も『やっぱすげえな、小藪さん』みたいな感じです。そんなこなれた感じでさまざまなことをこなすなか、『こんなに難しいことがあるのか』『クソ、何やねんこれ』と思わされることで、生きていることを実感します」

新しい挑戦も“誰かのため”なら頑張れる

転職を控えているという参加者からは、「今回のフォートナイトのように、新しいことを始める際に心掛けること、大切にしていることは?」という質問も。小籔は、こう回答します。

「誰かのためというエネルギーがないと、頑張れません。ぐうたらやし。そこそこでええし。おカネに執着ないし。そこでもうひと頑張りしようと思えるのは、『オレが頑張らないと、あいつ悲しむやろうな』と思うから。誰かのために頑張ろうと思うと、自分のことがどうでもよくなって、目的がシンプルになるんですよ。求められている1.5倍の実力を目指そうとすると、ことがどんどん進んでいきます」

出典: FANY マガジン
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結局、ゲームを語りながら、もっと普遍的な話になっていく小籔。ほかにも、「人生の楽しみ方を教えて」という質問に「人生は楽しまなくていいと思っています。この世は修業」と説法のように語って参加者をうなずかせるなど、最後まで“小籔節”満載のイベントとなりました。

書籍概要

『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』
著者:小籔千豊
発売日:11月11日(金)
判型・ページ数:四六版/184頁
定価:1,540 円
出版:辰巳出版株式会社

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