地域の防災力強化に向けて、消防団を中心に地域の連携を深めることを目的としたイベント「地域防災力充実強化大会in奈良2022」が、11月26日(土)に奈良県コンベンションセンターで開催されました。イベントには、奈良県出身の笑い飯(西田幸治、哲夫)をはじめ、ペナルティ・ヒデ、Everybody(タクトOK!!、かわなみchoy?)、ラフ次元(梅村賢太郎、空道太郎)ら多数の芸人が参加。クイズやダンスでイベントを盛り上げました。
芸人と一緒に防災体験
展示エリアでは、防災用品のコーナーや、防災パネル展、デジタルスタンプラリーなどの無料コンテンツが盛りだくさん。バーチャル災害体験コーナーには奈良県住みます芸人の十手リンジン(十田卓、エナジー西手)が登場し、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を使った体験を行いました。
このほか会場内には「和牛消防団」のコーナーも。「和牛消防団」は、和牛(水田信二、川西賢志郎)、すゑひろがりず(南條庄助、三島達矢)、インディアンス(田淵章裕、きむ)、オズワルド(畠中悠、伊藤俊介)が、消防団加入を促進するためのサポーターとして総務省消防庁から任命され、さまざまなイベントで募集を呼びかけています。この日は、芸人たちの等身大パネルが置かれ、ボール入れや輪投げなどのミッションに子どもからお年寄りまで多くの来場者が挑戦しました。
基調講演には法相宗大本山薬師寺の副住職・生駒基達氏が登場し、「文化財を保有する社寺が期待する防災について」というテーマで話しました。生まれも育ちも奈良という生駒氏は、薬師寺の歴史、そして奈良にある寺院の行事などについて説明。行事で火を使う際には、訪れた人たちにも注意を促しているそうです。過去には薬師寺でも火災があったとのことで、地域の人たちや消防団の協力を得ながら文化財守っていきたいと力を込めました。“仏教通”の笑い飯・哲夫は、「いにしえから防災に取り組んでいる奈良の人のご苦労を興味深く聞いた」と感銘を受けた様子でした。
休憩時間には、奈良市女性消防団「やまとなでしこ隊」、Everybody、奈良市消防局のマスコットキャラクター“なっぴぃ”がステージ上へ。Everybodyがおなじみの「クリティカルヒット」を披露すると、会場から拍手が起こります。さらに2人は、やまとなでしこ隊とともに「せんとくんダンス」や、応急手当の動作を取り入れた「やまとなでしこ体操」でコラボしました。
「防災クイズ」は大喜利コーナーに!?
パネルディスカッションのコーナーでは、「災害多発時代の消防団と自主防災組織のあり方 -自然災害から身を守るために-」と題してパネリストが語ります。この日のMCを務めたアナウンサーの久代萌美のほか、ペナルティ・ヒデがコーディネーターとして参加し、防災のために必要な取り組みなどについて専門家の話を聞きました。
続いては「よしもと芸人と学ぼう! 防災クイズ」の時間です。クイズには、笑い飯・西田、ラフ次元、Everybodyが参加。「地震のときに頭を守るポーズの名前は?」、「今年8月に発生した台風10号の名前は?」といったクイズに芸人たちがボケを連発し、会場を盛り上げます。最後に、十手リンジンも加わってフォトセッションが行われました。
イベントでは、主催者である消防庁、奈良県、奈良市の出席者がそれぞれ挨拶しました。
「今後もさまざまな大規模災害の発生が危惧されています。最小限の被害にとどめるには、地域の防災力を高めることが大切です。本日のプログラムには芸人のゲストも多く、楽しく学んでもらえるよう随所に工夫を凝らしました。地域防災の理解を深めてもらい、一丸となって取り組んでもらえるようお願いしたい」(総務省消防庁地域防災室長・佐藤茂宗氏)
「災害の予測がまだまだ難しい今日、日ごろの備えが大切であり、また地域防災力の向上のためには、消防団員が中核となって、平時からの取り組みを強化していくことが大切です。この会場で得た成果をそれぞれの組織、地域で共有し、地域防災力の向上に役立ててほしい」(奈良県副知事・村井浩氏)
「地域の人々の自発的な地域防災を支える取り組みが活発であることに敬意を表しています。(防災の)担い手不足が大きな問題になっているなか、多くの潜在的な仲間をこれからどうやってつないでいくのかが大事です」(奈良市長・仲川げん氏)
このほか、来賓代表として日本消防協会会長の秋本敏文氏が挨拶。秋本氏は自身の体験から、「災害時には地域の実情に応じて速やかに活動できることが大切」と振り返り、「今回の大会は奈良の特色を活かし、文化財を守ることもテーマになっている。これからの活動にいかしていただきたい」と呼びかけました。