今夏の「吉本新喜劇座員総選挙」で1位に輝いたアキが、11月29日(火)から12月5日(月)の7日間、大阪・なんばグランド花月の本公演のなかの「吉本新喜劇」で、“記念公演”を開催しています。今回の記念公演には、若井みどり、内場勝則、辻本茂雄らベテラン勢に加え、小寺真理をはじめとする若手座員も多数出演。アキとの新たな科学反応で、ひと味もふた味も違う新感覚のドタバタ劇を繰り広げました。
東京でコンビとして活動していたアキが、地元・大阪に戻って吉本新喜劇に入団したのは2014年のこと。飄々としたキャラクターと切れ味鋭いダンスや殺陣で一躍人気者となり、今年8月に初めて開催された「総選挙」では、なんと3万9405票を獲得しました。今回は、その“ご褒美”の記念公演です。
「STOMP」のような演奏シーンも
舞台となるのは、海に浮かぶ小さな島。女将・若井みどりが従業員・吉田裕らと切り盛りする民宿を中心に、村長のやなぎ浩二や秘書の内場勝則、農家の島田珠代、漁師の松浦真也、開発業者のMr.オクレ、辻本茂雄ら濃い面々が入れ替わり立ち替わり現れ、物語を展開していきます。
アキは借金取りと民宿のアルバイト・アキ子の、なんと2役を演じる大活躍。「……何?」「いぃよぉ〜」などおなじみのギャグはもちろん、みどり、内場との息ぴったりなコンビ芸、森田展義、瀧見信行らをイジりまくるノリを次々と発動し、爆笑をさらっていきます。キレキレのダンスを披露するシーンでは、客席に手拍子が沸き起こる盛り上がりに!
座員たちの見せ場もたっぷり用意。珠代は超ハイテンションで「パンティーテックス」を繰り出し、内場と辻本はがっぷり四つに組んだ丁々発止のやりとりで沸かせます。オペラを学んだ大塚澪や歌とダンスが得意な筒井亜由貴、バレエをやっていた小林ゆうといった若手たちも、アキのもとでそれぞれの特技をしっかりアピールしていました。
終盤では、大阪からやってきたアキ子が、島にさわやかな新風を巻き起こすことに……。クライマックスで座員たちが披露した、まるで「STOMP」のような演奏シーンも感動を呼び、アキの持ち味たっぷり、エンターテインメント全開の新喜劇で魅了しました。この模様は、2023年1月7日(土)の『よしもと新喜劇』(MBS)で放映予定です。
笑顔のアキ「腹をくくって清々しい気持ちで」
終演後の囲み会見には、アキ、珠代、吉田が出席。「総選挙の結果発表後から、この公演を目がけてずっとやってきた」と気合十分なアキは、「いろんなエンタメ感のある、ふつうの新喜劇とはちょっと違うものを」との思いで舞台を作っていったそう。初日を振り返って、笑顔が弾けます。
「昨日までは、いろんなことをああしようこうしようと思っていたが、今日の朝ぐらいから腹をくくれた。何も考えず、今まで作ってきたものを全力でやろうと、清々しい気持ちでやらせていただきました」
観客にも大いに助けられたそうで、「すごく明るいお客さんでありがたかった。逆に楽しませていただいた感じ」と感謝しました。
「アキちゃんワールドに迷い込んで、“いつもと違う新喜劇をやってる!”みたいな。見てる方も、ワンダーランドに引き込まれたような、不思議な気分になってるんじゃないかな」
こう興奮気味に語ったのは珠代。前日の稽古からワクワクが止まらなかったそうで、「朝、あやうくパンティーを履き忘れるところでした」と笑わせつつ、「それだけ、いつもの新喜劇とは違うアキワールドが大爆発している。今週は見に来るべきです!」と力強く呼びかけます。
吉田は「アキさんは清々しい気持ちと言ってましたが、まわりの人間のほうが緊張してるんちゃうかな」と分析。
「アキさんがメインを務める初日ということで、みんなで頑張っていかなあかんという気持ちが絶対ある。内場さん、辻本さんなどベテラン勢のパワーを見せつけられたし、みんなで盛り上げていこうという感じがしました」
一方で、楽屋差し入れの多さには驚いたと言い、「ふだんと違うんやと余計に緊張した」としみじみしますが、珠代から「コメントの内容が薄い」とツッコまれていました。