どうも。芸人ライターの天狗の横山裕之です。
芸人はテレビやラジオ、舞台やSNSなどさまざまな活動をしますが、「地域おこし協力隊」という活動をしている芸人がいるのを知っていますか? 今回、東日本大震災からの復興が進む福島県楢葉町で、この「地域おこし協力隊」に任命されたのが、ビスケッティ佐竹とイチキップリンというモノマネが得意な芸人2人! 彼らが1月16日(月)から29日(日)の2週間、楢葉町に滞在し、「地域おこし協力隊インターン」の活動を行いました。そこで今回、自分も楢葉町に行って、2人がどんなことをしてきたのか、話を聞いてきました!
盛り上がる匂いがプンプン!
「地域おこし協力隊」とは、過疎や高齢化が進む地方に一定期間、移住しながら、地元のいろいろな活動に協力し、さらに気に入ったらそのまま定住することで、その地域をもっといいところにしていこうという制度です。総務省が2009年度に立ち上げた制度で、現在、約6000人(2019年度)の隊員が全国で活動しています。
吉本興業では、隊員としての実際の活動や生活を具体的にイメージするためのインターン制度、「地域おこし協力隊インターン」制度を利用して地域おこしの活動を行っています。芸人が地方の市町村に約2週間滞在し、その地域の魅力をSNSで発信したり、地域の皆さんが集まる場所に行ってお笑いで盛り上げたり――さまざまな取り組みを通じて地域の活性化に向けた活動をしているんです。
今回は、ビスケッティ佐竹(写真左)とイチキップリン(写真右)の2人がインターンとして楢葉町に行ったんですが……これはもう、阿部寛さんと、むかしの井上陽水さんですよね(笑)。楢葉町がいやでも盛り上がる匂いがプンプンです!
こんな2人は、いったい楢葉町でどんなことをしてきたんでしょうか!? さっそく話を聞いてみましょう!
安倍元首相のバーターが井上陽水!?
――今回は、どういった経緯で「地域おこし協力隊インターン」になったの?
佐竹 (安倍晋三元首相のモノマネをしながら)このインターンになったきっかけは……。
――記事でもモノマネしてくれるの?
イチキ (井上陽水のモノマネをしながら)ひとついいですか? お元気ですか?
――元気よ!(笑) あの……いまはビスケッティ佐竹とイチキップリンとして話を聞かせてちょうだい!
佐竹 わかりました(笑)。実は(吉本では)昨年12月からこのインターン制度が始まっていて、まずインターンとして選ばれたのが、ヨッシャ比留間さんとほんでぃ~の!さんで。次の芸人は誰にしようかとなったときに、僕が昨年末にコンビを解散して、スケジュールが空いていたので「興味ありませんか?」と声をかけていただきまして。そこで、僕のモノマネのレパートリーのなかに、阿部寛さん以外にも安倍元総理があるんですが、それを復活させたいという思いと、その復活が復興の町からでもいいのかなぁと考えたので、インターンになりました。
――「復興」と自分の持ちネタの「復活」の思いをかけてインターンになったんだね。イチキップリンは、どうしてインターンになったの?
イチキ 佐竹が楢葉町に行くってなったときに、「誰と行きたいですか?」と聞かれた佐竹が「イチキップリンさんで」ということで……。まぁ、佐竹のバーターですね(笑)。
小学校の授業をジャイアンがサポート!?
――楢葉町では、具体的にどんな活動を?
イチキ 期間中の活動は「ミニデイ」と呼ばれる、お年寄りを中心に各行政区ごとに地域の方々が集まる集会に参加したり、「しおかぜ荘」という施設でネタステージを披露したりして、地域の盛り上げをしてきました。
佐竹 あとは、僕が「声活」というアドバイザーの資格を持ってまして。
――声活のアドバイザーとは、いったいなんなの?
佐竹 全日本ボイストレーニング協会が出している資格で、吉本を通じて取得したんですが、「よい声で話すと、相手のリアクションも変わって、自己肯定感が上がって自信がついて、会話のキャッチボールも円滑になる」ということで、声の出し方や姿勢などを学んだんです。
――そういう資格があるんだね。
佐竹 聞いたところによると、いまの楢葉町自体が、地震の影響で離れた人がまた戻ってきているからなのか、ほかからの移住者がいるからなのか、もしくは人見知りな人が多いのか、“挨拶”ができていないような気がするということで、声活の授業を小学校でさせてもらいました。
――それは地域に貢献してるね。
佐竹 あとは、保育園と幼稚園が一体になっている「こども園」さんで、お誕生日会に参加させてもらったりと、地域の方々と触れ合いながら町の盛り上げにがんばりました。
――ちなみにイチキップリンは、佐竹が声活の授業をしているときは何してるの?
イチキ 僕はドラえもんのジャイアン(のモノマネ)で、佐竹のサポートをしてます!
――最高のサポートだね(笑)。
住んでわかった楢葉町の魅力とは?
――実際に楢葉町に住んでみた印象はどうですか?
イチキ 実は、ここに来る前まで楢葉町を知らなかったんです。「ならはまち」ではなく、ずっと「ならはちょう」だと思ってて……。
――そうなんだ。確かに知らなかったら、わかんないよね。
イチキ でも実際に住んでみて、楢葉町はいいところがたくさんあるんだなぁと感じました。ネタをさせていただいた「しおかぜ荘」という施設には温泉があるんですけど、そこの露天風呂は朝日を拝めるんです! 元旦は初日の出を見に来る人がいっぱいみたいで。
――それは行ってみたい!
イチキ あとは自然が豊かなので、キャンプとかサイクリングやサップなどのアクティビティも充実しています。なので、もっと楢葉町を知ってもらって、どんどん人が来てほしいですね!
佐竹 この楢葉町は復興で移住してくる人口の割合がかなり多いらしいんです。なので、キレイな建物が多いですし、町でなにか仕事を始めたい人にとっても、かなり後押ししてくれる町なんですよ。
――それは魅力的だね。
佐竹 なので、ここから楢葉町がどうなっていくのかすごく楽しみです。
イチキ また僕たちも楢葉町に負けないように大きくなって帰ってきたいですね。
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