“北斗の拳”公認芸人のキャプテン★ザコが客員教授に!? 「あべしっ!」な講義に芸人ライター潜入

どうも芸人ライターの天狗・横山裕之です。
最近では芸人がネタだけではなく、いろんなことをする時代が来ました。そんななか、まさにこの人が大学の教授になるとは……誰も思いもしませんでした。その人は、現在はバルーンアートで活躍するキャベツ確認中のキャプテン★ザコさん。東京都墨田区にある情報経営イノベーション専門職大学(iU)の客員教授になったんです!
ということで、今回は初の講義に潜入してきました。まさに北斗の拳でたとえるなら「あべしっ!」な講義でした(笑)。

出典: FANY マガジン
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映像ディレクターとして教壇に

ザコさんが教えるのは「映像制作」の講座で全6回のカリキュラム。まずはザコさんが自己紹介をしたんですが、経歴が凄まじい!

東京都住みます芸人、アニメ「北斗の拳」のザコキャラ公認芸人、バルーンアート全国大会「ツイスターズ」で2013年にパフォーマンスコンテスト優勝、丸大食品の研究所の元職員、日本カジノ学院卒業、柔道3段……まさに肩書きのデパートです!

そして、現在はYouTubeで「スリランカ大使館公式チャンネル」「とろサーモン公式チャンネル」「みちょぱ、平成ノブシコブシ吉村公式チャンネル」「広瀬香美公式チャンネル」「花の慶次公式チャンネル」の制作に携わっており、映像ディレクターという肩書きもあるんです。

かつて舞台でやばいネタをやって「イェーイ!」と叫んでいた人とは思えません(笑)。

出典: FANY マガジン
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「映像制作」について徹底指導

続いては、学生さんが自己紹介します。今回、出席したのは6人だったのですが、動画編集経験者は2人だけ。「何かを作るのに興味がある」とか、「将来テレビの制作に携わりたい」といった映像制作については未経験な方が半分以上を占めましたが、みんな「お笑いが好き!」というのが共通点でした。

そして、学生を2チームに分けて、それぞれを映像制作会社に見立てて講義が進みます。各チームのなかで、映像シナリオ制作、カメラ撮影、編集作業、ナビゲーター(ナレーション・ロケMC出演など)、現場のディレクションに担当が分けられます。

次に行われるのはプレゼン大会。「墨田区」というテーマで、どのような映像を撮りたいかをチームで考えて、ザコさんに3分間でプレゼンします。

考える時間は20分間。限られた短い時間のなかで、学生のみんなは必死に考えます。

出典: FANY マガジン
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時間の大切さを学生に伝える

まず、最初のチームは銭湯やサウナなどの墨田区ならではの良いところを動画で発信したいとのことでしたが、なんとプレゼン時間が1分10秒余る結果に……。

もう1つのチームは、「近所付き合いが活発だと思う東京23区ランキング」で墨田区が1位という情報をもとに、個人経営の飲食店などの街ぶらロケをプレゼンしました。

両チームのプレゼンが終わった後にザコさんが講評をしましたが、その中に印象に残る言葉がありました。

「仕事は時間を買う作業」

ザコさん自身も丸大食品で働いていたときの研修で、同じような時間でプレゼンをしないといけない状況を何度も経験したそう。決められた時間で、いまここにある物でやらなければいけないという「時間の大切さ」「その場の応用力」を学生たちに最初に学んでほしかったそうです。

「学生と社会人の違いは時間の考え方。だから時間を守ってやれば、どの業種でも負けない!」と締めくくって講義は無事に終わりました。

出典: FANY マガジン
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「失敗してもらうための講義」

学生さんに、この日の講義の感想を聞きました。

「ゼロからスピード感をもってやることの大切さと、相手の立場にたって物事を考えなければならないことを痛感した」

「その場の応用力は実践しか学べないから、今日はタメになった」

初の講義でしたが、反応は上々です。終了後にザコさんにインタビューしてみました。

――今回、どうしてザコさんに客員教授の依頼がきたのですか?

映像制作をやっているうちに、カメラ撮影、編集からディレクションまですべてできるのが、吉本で僕しかいないらしくて。白羽の矢がたったみたいですね。

――すべてですか!? すごいですね!

あと、アポ取りとアポ取りをした先の飲食店の方と仲良くなるまで映像制作だからね!

――そこまでとは(笑)。確かに、ザコさんに学ぶべきことは多そうですね。最初の講義で意識したことはありますか?

最初はチームを作るっていうのをテーマにしました。

――なるほど。でも、チームを会社に見立ててましたがどうしてですか?

会社って、みんな同じ方向を向いてるけど、みんな同じことをしちゃだダメだと思ってて。それは映像制作も同じで、だからわかりやすく会社に見立ててやったんだけど。でも、いきなりチームを組まされて、チームが円滑に進まないのは当たり前じゃない?

――そうですね。学生さんもギリギリ講義についていってる感じがしましたね。

あえてうまく進まないというのを体験してもらうために、時間をきっちり区切ってやりました。簡単に言うと、失敗してもらう講義をやりました。

――そうだったんですね。

失敗することで見えるものって、たくさんあるからね。

――ザコさんが言うと重みがありますね(笑)。今回の講義は丸大食品での経験がいきてましたね。

でもさ、会社からおカネもらって、いろんな研修受けさせてもらって、いい形で育ってきたところで、辞めちゃうんだから! オレはマジで悪い奴だよ(笑)。キャベツ確認中やっちゃってんだもん! 丸大食品の方、本当にごめんなさい。

――ちゃんと謝って下さいね(笑)。でも、逆にいろんな研修を受けて、その良いところを詰めた講義をザコさんができるということですもんね。学生さんからしたらありがたいですよ。

まぁな。

――切り替えの早さ、天下一品ですね(笑)。残りの5回の講義が楽しみですね。

僕のなかの構想では、最終的にBSよしもとで学生たちが作った動画が流れて、ちゃんとそれに見合ったおカネがもらえるっていう、本当の会社みたいにそれぞれのチームをしていきたいですね。