地元の昔話が現代によみがえる!桂文枝「参地直笑祭 in 東淀川区」開催

11月24日(日)、大阪・東淀川区民ホールにて『参地直笑祭 in 東淀川区』が開催され、桂文枝、福人、span!(水本健一、マコト)、桂三河が出演しました。

出典: FANY マガジン
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2018年3月にスタートした『参地直笑祭』は、文枝が大阪市24区をテーマに創作落語を披露していくという一大プロジェクト。10区目となる今回も、大阪市東淀川区民の皆さんに、落語を通じて地域の魅力を再発見してもらう楽しいイベントとなりました。

文枝、「東淀川区に行くのは区切りのいいときに」

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前説を担当した福人は、「“笑う”というのは一番健康にいい。“笑わせる”というのは一番健康に悪い」などと、軽快なトークで会場の空気を温めます。

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そして文枝が登場。「“東淀川区に行くのは区切りのいいときに”と私が言いまして、きりのいい10区目にしました」と観客を喜ばせる一方、「今までで一番大きな劇場ですが、ちょっとフラットなので舞台を高くしないといけなかった」と明かし、高座の高さに絡め「落ちたら大けが。でも落語ですから、落ちないとダメ」と笑わせました。

また、落語を作るにあたって東淀川区のさまざまな場所に足を運んだそうで、「昔からのところと新しいところが渾然一体となっている」と東淀川区の印象を話します。文枝は同区にある瑞松寺を舞台にした昔話『たぬきのおんがえし』のあらすじを説明した上で、「昔から東淀川区にはたぬきが住んでいた。今も、そのたぬきは皆さんの隣に座って見ているかも……」とニヤリ。落語への期待をあおりました。

span!の漫才、桂三河の落語も

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文枝は一度退場し、span!が漫才で楽しませます。水本がマコトを肩に乗せてかつぐspan!おなじみの芸や、「心が読める」というマコトの特技を挨拶代わりに繰り出した後は、“昔話を合体させる”ネタで盛り上げました。

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続いて登場した三河は、相撲を題材にした『大安売り』を披露。関取と若い衆とのやりとりをコミカルに演じました。

たぬきは誰?不思議な味わいで魅了

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いよいよ文枝が登場し、『しあわせの一万円札』を披露。東淀川区にある大阪経済大学の学生とOBが、駅前でばったり出会うところから始まる噺には、地名をはじめとする“東淀川ワード”がちりばめられ、登場するたび客席から「おお〜」と声が上がります。

「よかったら1杯付き合わへんか?」というOBの誘い文句で、とある居酒屋に出かけた2人ですが、“たぬきみたいな顔をした”店主自慢の料理に舌鼓を打ち、すっかり酒もまわってへべれけに。文枝は、軽妙な掛け合いや、何ともおいしそうに飲み食いする描写で、笑いを起こします。

気づけば閉店の時間、1人取り残されてしまった学生は、しかたなく帰路につこうとするのですが……。後半は、淀川沿いの林に暮らすたぬきとの出会いが語られ、摩訶不思議な味わいで魅了。

果たして誰がたぬきだったのか……思わず膝を打つオチに、場内は大爆笑となりました。

文枝、「老後に住むなら東淀川区」?

出典: FANY マガジン
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落語の後は、文枝と北岡均区長のトークコーナーが設けられました。

北岡区長は「(文枝が)区役所に来られて、いろんなことを勉強されていた。舞台に至るまで、本当に苦労して考えられているんだなと思った。今日は素晴らしい落語を聞かせていただき、ありがとうございました」と感謝。

これを受けて文枝が「(落語に)出た地名の場所は、全部行きましたよ。ええとこやなと思いました。私は、老後に住むなら東淀川区」と返すと、客席に笑顔が広がります。

さらに、大阪市の地図を見ながら「まだ、こんだけやらなあかんのか……できたら東淀川区でやめたいな」とボケるひと幕も。

北岡区長は、「自然がいっぱいあり、梅田に出るにも京都に出るにも便利。大学も高校もあり、若い人もたくさんいる。何よりも、地域の皆さんがあたたかい。本当にすばらしいところ」と東淀川区のよさもしっかりアピール。最後に文枝が「(創作落語が)終わったところにも遊びに行きますので、街で私を見かけたら、晩ごはんでも一緒に」と呼びかけると、客席からひときわ大きな拍手が起こっていました。