西本願寺 南能楽堂にて厳かに開幕、中井貴一が三船敏郎賞を受賞

今年もいよいよ京都国際映画祭がスタート!
10月17日(木)から20日(日)までの4日間、映画、アート、笑いが集結した「京都国際映画祭2019」が開催されています。

出典: FANY マガジン
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初日の10月17日(木)京都市・西本願寺 南能楽堂でのオープニングセレモニーを皮切りに市内各所にてスタートしました。

厳かで華やかなオープニング

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まずは祇園甲部の芸妓さんによる手打ちからスタートです。能舞台の厳粛な空気感の中、揃いの黒留袖姿の芸妓さんたちが登場し、約17分間の華やかな舞いを披露。拍子木の涼やかな音色とともに、三味線や笛、太鼓をバックに「七福神」「花づくし」の2曲で美しい歌声を響かせました。

そんな中木村祐一、KBS京都の平野智美アナウンサーが登場し、オープニングセレモニーの開会を宣言。

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西本願寺での開催が3回目であることに触れたほか、平成6年に世界文化遺産に登録された西本願寺についての説明があり、京都国際映画祭のこれまでのあゆみ、そして「牧野省三没後90年」のスペシャルプログラムの上映など、今回の見どころについても紹介。

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続いて京都国際映画祭実行委員会 名誉実行委員長 中島貞夫の開会宣言では、恒例の掛け声「第六回京都国際映画祭、ヨーイスタート!」の声が響き、会場から拍手が起こりました。
「この一言を聴かないと始まらない」と木村祐一も身を引き締めます。

令和時代の子供たちにも「楽しい」を

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主催者挨拶として登壇した京都国際映画祭実行委員長 中村伊知哉は「みなさん今年のポスターはみていただけましたか?」と問いかけ、銭湯の湯舟に浸かっている子供は50年前の自身であると明かします。「映画っておもしろいんか?」「ものによるなぁ」「これもアート?」「いろいろあるねん」というユーモアたっぷりのセリフとともに、平成が過ぎ令和となった新しい時代の子供たちにも楽しいものや素晴らしいものを共有してほしいと京都国際映画祭に込めた願いと語りました。

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続いて来賓挨拶として登壇した決算議会中の門川大作市長の代理で、北村信幸文化芸術政策監は、2年半前から文化庁が霞が関から京都に移転し、2021年には全面移転が完了することに触れ、京都は名実ともに文化都市としての大きな役割を担っていくことになると語ります。「文化と経済の循環」「季節を感じ文化を取り入れること」「共生社会の実現」の3つの目標を掲げており、それらは映画に共通するということにつなげ、京都市は映画振興事業として、“京都映画賞”の創設を検討中であること、時代劇に焦点をあて、映画産業を支える人材育成につなげていきたいなど今後の抱負を語りました。

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次に西脇隆俊京都府知事の代理として、古川博規京都府文化スポーツ部長が登壇、代読を行いました。「京都国際映画祭が盛大に開催されることを心よりお喜び申し上げます」という開催の挨拶から、3年連続で西本願寺という重厚な歴史的空間で映画祭が開幕することを喜ぶとともに、西本願寺に感謝を述べました。そして、伝統の上に革新を積み重ね発展してきた京都を体感してほしい、来年開催される東京オリンピック、パラリンピックに向けて文化観光都市としての京都の魅力を発信していきたいとアピールしました。

祝電の紹介では、菅義偉内閣官房長官、萩生田光一文部科学大臣など、多くの方々からのお祝いの言葉が披露されました。

コンセプトは「映画もアートもその他もぜんぶ」

続いて、京都国際映画祭 映画部門 総合プロデューサー 奥山和由氏よりご挨拶。「牧野省三没後90年」の作品の上映については、京都の歴史が生んだ映画の父である牧野省三氏を勉強していきたいとテーマにした経緯が語られました。11日に97歳で亡くなった映画美術の第一人者、西岡善信さんの功績にも触れ、京都国際映画祭のシンボルだった「大魔神像」をリメイクしたかったが叶わなかったと想いが語られました。「過去の偉大な方を学び、知恵をいただき、未来につなぐ映画祭の責任を痛感しつつ、紡いでいきたい」とこれからスタートする4日間に向けて意気込みを語りました。

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続いて登壇したのは、京都国際映画祭アート部門アートプランナー・おかけんた。
毎回アート部門で、さまざまなコンテンツを企画していく中で、今回のアート部門の見どころである『プロレスdeアート』について紹介。「“アート”と“プロレス”はかけはなれているかと思いますが、ミケランジェロの肉体美も芸術。昨今のプロレスブームの中で、展示と試合だけではなく、プロレスを通じて、「いじめ虐待撲滅」「自然環境破壊」を表現していく企画です」と力をこめ、学校という場所で開催することにも意味があるとアピール。今年も「映画もアートもその他もぜんぶ」というコンセプトで、京都の町に尽力できたらと抱負を語りました。

そんな中、今年のアンバサダーである浅田美代子が奥山氏から紹介され登場。おかけんたも交えトークタイムとなりました。浅田は「去年は樹木希林さん企画の映画『エリカ38』の製作発表が叶わなかったのですが、今年はこのような大役を仰せつかりまして恐縮しています」と挨拶。「映画は何作も出ていらっしゃいますがアートは興味ありますか?」との木村の質問に、「ポップアートが好きで集めたり、美術館に行ったりしています。今日は世界遺産である西本願寺の襖絵や壁画を見られてうれしかったです」と感動した様子。ほかに祇園祭りや京都グルメの話題なども飛び出し、和やかな雰囲気に。

牧野省三賞は故・津川雅彦が受賞

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続いてまずは「牧野省三賞」の表彰式がスタート。中島貞夫氏、上倉精取氏、山口記弘氏、奥山和由氏の4名による審査の結果、第7回『京都国際映画祭2019』牧野省三賞は故・津川雅彦に贈られることが発表されました。代理で愛娘の真由子氏が来場され、中島監督よりトロフィー授与が授与。真由子氏は「由緒賞ですが、身内の賞で、父は身内が持っててどうするんだとずっと辞退していました。けれど牧野省三没90年、父が亡くなり1周忌なのでもらうことにしました。このように舞妓さんたちもいて、父も喜んでいると思います」と語り、中島監督も「映画に貢献してきた津川さんを讃えました」と受賞理由を述べました。

三船敏郎賞は中井貴一が受賞

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戦後の日本映画界を代表する大スターである三船敏郎さんのように世界に誇れる大俳優を応援しようということで増設された「三船敏郎賞」。2017年は阿部寛、2018年は浅野忠信が受賞しています。
審査委員でプレゼンターである三船力也氏、奥山和由氏より、今年の受賞者である中井貴一の名前が読み上げられ、能舞台に中井貴一が登場。奥山氏よりトロフィーと京都交際映画祭実行委員会から賞金100万円、三船力也氏より副賞が贈呈されました。
奥山氏は「喜劇からシリアスな悲劇、日本伝統の時代劇、海外での活躍など、どんな役でも堂々としていて、クセはないが華がある。その映画のグレードが上がる存在」と称賛し、授賞理由を述べました。
それを受け、中井は「厳かに進んでいましたが、僕が出るとラフな雰囲気になってよかった。デビューして40年、こんなに長く役者を続けるとも、続けられるとも思っていなかった。津川さんと一緒に仕事をして、最愛の先輩で、遊びを教えてもらえ、ここまでやってこれた。時代劇は所作など伝承だと思っています。しっかり時代劇を伝承していきたい」と語りました。

ミキ昴生「架け橋ブラザーズになるために頑張ってきた」

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表彰式が終わったところで、京都と映画祭をつなぐ『京都国際映画祭』の架け橋ボーイである清水圭が登場。架け橋ガールを務める今くるよは、KBS京都の特設スタジオにいて欠席でしたが、清水は映画館が好きで、暇があれば映画館へ行くので、映画館へ行って映画のスクリーンを楽しんでもらう架け橋になりたいと述べます。
また、今年から参加したその名も「架け橋ブラザーズ」のミキ。京都市出身の2人。昴生は「いままで、架け橋ブラザーズになるためにがんばってきたと言っても過言ではないです」と意気込んで笑わせた後、4日間活躍することを誓いました。

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開催のお祝いに駆けつけた西川きよしと桂文枝もタキシードでビシっときめて登壇。息の合ったプロポーズ大作戦のオープニングで会場を盛り上げます。西川きよしは、やすし・きよしの頃を振り返り、初めて映画に出演した頃の思い出を話します。6代目桂文枝は、第6回目の京都国際映画祭に縁を感じると述べ、様々な映画に出演したこと、また京都が映画とアートで盛り上げることを願いました。

最後は、株式会社きょうのよしもと代表取締役社長・木村深雪も登壇。まず、台風19号の被災にあわれた方へのお見舞いの言葉があり、そして西本願寺では3回目のオープニングセレモニーになることに触れ、4日間京都と楽しみたいと挨拶しました。

クロージングに司会の木村祐一とKBS京都の平野智美アナウンサーが登場し終わりのあいさつをして、オープニングセレモニーは終了となり、いよいよ2018年京都国際映画祭が開幕となりました。

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