パンサー尾形「これから安心して生きていける!」Pepperで社会課題を解決する全国コンテスト開催

ソフトバンクロボティクスが開発・提供している人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を使って子どもたちが社会課題の解決に挑戦するコンテスト『STREAMチャレンジ2023』の全国大会が、3月12日(日)にオンラインで開催されました。お笑いトリオパンサー(向井慧‎、尾形貴弘、‎菅良太郎)の3人がMCとして登場しました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

「STEAM教育」に「R」を加える

この大会は、国が提唱する未来社会「Society 5.0」が目指す“ロボットと共生する社会”の実現に向けて、参加者たちが自ら発見した社会課題をPepperやAIを活用したクリエイティブな発想で解決することを競うプログラミングコンテストです。

「テクノロジーでSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)に貢献する」をテーマに、「①難民と共に生きる未来」「②移動弱者をゼロにする」「③災害時の被害を減らす」「④消費体験をアップデートする」の4つの課題から1つを選んで、その解決に取り組みます。全国の小学生から高校生のうち予選を勝ち抜いたPepper部門10チーム、AIチャレンジ部門5チームがプレゼンテーション(提案競争)を行い、審査の結果、それぞれにアワードが授与されました。

イベントでのトーク中、「SDGs」に何か取り組んでいるのかと問われた尾形は「めちゃくちゃやってるよ! 洋服を捨てるんじゃなくて、後輩に全部あげてるの。で、後輩が勝手にメルカリで売るっていうね……。そのおカネでデカい時計買ってましたよ」と笑いを取ります。一方、菅も負けじとフードロスの観点から「塩だけで酒を飲むようになりました」と一言。会場が笑いに包まれました。

大会名にもなっている「STREAM」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)を総合的に学習する「STEAM教育」に、Robotics(ロボット工学)、Reality(現実性)、Reviewing(評価)の要素を入れ、頭文字の「R」を加えたものです。

生徒たちの発表にパンサーも驚き!

そして、数ある参加チームのなかから以下の3チームが優秀賞に選ばれ、Amazonギフトカード10万円分など副賞も贈られました。

【AIチャレンジ部門】
宮城県登米総合産業高等学校(宮城県)「AiAi.csv」
発表タイトル「Ranger(レンジャー)」

自然豊かな宮城県登米市の公園施設の管理補助をするAIロボットを考えました。落ちているゴミを発見し、そのゴミの種類をAIで識別したり、ロボットアーム付きの犬型ロボットがゴミ拾いをしたりします。さらに、夜間の見回りなどの役割などを担うことで、チームメンバーは「管理者の負担を軽減させたい」と力強くコメント。向井も「人間とロボット」の共存に興味を持っていました。

【ペッパー部門】
成城学園中学校高等学校(東京都)「メディア委員会」
発表タイトル「本や雑誌のRe活用ペッパー」

校内に本や雑誌を無料で持ち帰ることができるフリースペースがあるのですが、利用者が少ないという課題がありました。そこで、文化祭で古本市を開催し、ペッパー君で呼び込みをしたり、クイズを出したりするプログラムを作りました。

尾形は「ペッパーくんがクイズ出すからいいよね。ただのおじさんだとイヤじゃないですか」と、笑いを誘います。

藤枝市立青島北小学校(静岡県)「アルミ缶の上にある蜜柑」
発表タイトル「アルミ缶で
SDGsを考える」

この小学校では毎週2回、アルミ缶を回収しています。「SDGsの周知」と「回収に協力してくれる人」を増やすことを目的に、ペッパーを導入することにしました。おみくじを作り、ゲーム性を持たせた結果、ふだんよりも3倍ほど多いアルミ缶が集まったそうです。実験の課題や今後の展開も明かしてくれました。菅も「クラス対抗にしちゃえば盛り上がると思いました」とアイデアを語りました。

「サンキュー!」で失格に!?

そして、AIチャレンジ部門、ペッパー部門の最優秀賞に選ばれたのが、次の2つのチームです。

【AIチャレンジ部門】最優秀賞
岩手県立商業高等学校(岩手県)「熊川山小(くまがわ やまこ)」
発表タイトル「サーモ君」

「サーモ君」は熱中症事故などが多い車の置き去りを防止するAIです。サーモグラフィとリアルタイムカメラを連携させてAIで分析。異変が生じた場合は、自動で連絡がいくことになっています。これによって置き去り事故を防止できるとのこと。

チームメンバーが受賞の喜びを語ります。

「とても嬉しいです。これからもAIとSDGsを結びつけて、さまざまなことにチャレンジしていきたいです」

「自分たちの作品に自信があったので、結果として評価されたのが非常に喜ばしいことだなと思います」

コメンテーターを務めたCANVAS代表の石戸奈々子氏は、こう総評しました。

「独りよがりじゃなく、利用者目線でしっかりと設計されていて、本当に素晴らしいなと思います。進学しても一緒にできると思うので、実装するところまで持っていってほしいなと期待しています」

Amazonギフトカード20万円分など、さまざまな副賞が贈られると発表された際には、生徒たちが尾形のギャグ「サンキュー!」で喜びを爆発。菅が「いまので取り消しになりませんか?」と懸念すると、向井は「NGギャグではないので」と笑顔でツッコミを入れていました。

広い視野で社会を見つめる

【ペッパー部門】最優秀賞
掛川市立北中学校(静岡県)「北中ペッパー部」
発表タイトル「
SDGsに貢献するペッパー」

「節水クイズにチャレンジし、3問正解したら1ポイント」「使わないものを寄付したら5ポイント」など、ペッパーが与えるミッションをクリアすると、クラスに得点が入るようになり、競争することでSDGsにも貢献できる仕組みを構築しました。こちらは大きな結果が出て、見事にSDGsに貢献することができたそうです。

メンバーには、Amazonギフトカード30万円分などが贈られました。チームメンバーと顧問の教師が受賞の喜びを語ります。

「このプロジェクトは全生徒や先生方の協力があってこその最優秀賞だと思うので、みんなに感謝の気持ちを伝えたいです」(生徒)

「3年連続の全国出場となるのですが、3年目にして最優秀賞は本当に嬉しいです。本校には卒業生が後輩たちのために置いていってくれたペッパーが3台あります。そのおかげで、全校生徒で取り組むことができました。卒業生にも感謝を申し上げます」(担当教師)

石戸氏は、受験勉強の息抜きに今回の取り組みをしていたという生徒たちに「素晴らしい」と一言。

「継続は力なり。3年間続けてきたからこそ、その熱意がみんなに伝わって、全校生徒も参加してくれたのだと思います。我々もSDGsを継続して続けないといけないと学びました」

最後にパンサーの3人から感想が。向井は「どうしても自分のことで精一杯になっちゃうなか、社会に目を向けて、世界に目を向けている視野の広さがすごいなと思います」と語りました。

一方、菅は学生たちの発表について、「われわれが過ごしてきた学生時代と違いすぎて……。僕はパラパラに青春をかけていたんで、すごいと思いました」と笑いを交えつつコメント。尾形も「安心しましたわ! 世の中これだけいい若者がいて、考えてくれてんだから、これからの未来も安心して生きていける」と安堵の表情を浮かべていました。