関西の若手漫才師の登竜門『ytv漫才新人賞決定戦』の第12代王者に輝いたのは、昨年、僅差の準優勝に泣いたダブルヒガシ（大東翔生、東良介）の2人でした。3月19日（日）に開かれた決勝後の優勝会見では、「9年間のありがとうが全部あふれてきた」と男泣きをする東に対し、「東がえらい泣いていて、うれしいです」と応える大東。ダブルヒガシの仲の良さがうかがえる優勝となりました。
「どういう状況か把握できてなかった」
優勝会見では、決選投票で先に3票が入って優勝が決まった瞬間、「優勝やとは思わなかった。どういう状況か把握できてなかったです」と興奮する東に対し、「オレは、状況をすぐ飲み込めました」と冷静に話す大東。3票が入ったときにはもう「ォシーーーーーーッ」と、小さく喜びを噛み締めていたといいます。
この日の決勝に進出したのは、3回の予選を勝ち上がった芸歴10年以下の若手漫才師5組（※天才ピアニストは体調不良のため棄権）。審査員は、審査員長のオール巨人をはじめ、ハイヒール・リンゴ、ザ・プラン9のお～い！久馬、スピードワゴン・小沢一敬、フットボールアワー・岩尾望の5人。総合司会は、千鳥と佐藤佳奈アナウンサーが務めました。
1stラウンドのトップバッターは、敗者復活から勝ち上がったチェリー大作戦。続いて、ダブルヒガシ、ドーナツ・ピーナツ、フースーヤ、豪快キャプテンの順番でネタを繰り広げました。審査員の持ち点は1人100点で、合計500満点中、同点の465点を取ったダブルヒガシとドーナツ・ピーナツが最終決戦へ。同点の場合、順位は審査員の多数決で決められ、3票を獲得したダブルヒガシが1位通過、2票獲得のドーナツ・ピーナツが2位通過となりました。
同期で同点の2組が最終決戦へ
最終決戦は、今年もNSC大阪36期の同期対決。しかも同点で1stラウンド通過とあって、手に汗握る展開に。ドーナツ・ピーナツは、キャバクラを舞台に、ピーナツの狂気じみたボケとドーナツの辛口ツッコミが光る漫才を。ダブルヒガシは「おっさんとしっぽり飲みたい」という大東が提案する「スナックおっさん」の漫才を披露しました。
どちらも飲み屋が題材で、笑いの量もほぼ互角。優勝は審査員の決選投票で決められ、結果、5票のうち4票を獲得したダブルヒガシが悲願の優勝に輝きました。
名前を呼ばれた瞬間、東と大東は「やったー！」と肩を抱き合い歓喜。思わず涙を流す東の姿を見て、大東は感無量の表情です。
オール巨人は「同期で同点。非常に熱戦でした。ドーナツ・ピーナツはうまさと器用さ。ダブルヒガシはパワーもあっておもしろい。ネタがかぶったのも（ダブルヒガシが）得したのかもしれません。すばらしかった」と労います。
リンゴは「本当に僅差。ドーナツ・ピーナツも来年、戻ってきて悔しい気持ちを取り返してほしい」とエールをおくりました。
大東の優勝の秘策は「ちょっと太ること」！？
昨年は、同期のカベポスターと最終決戦で戦い、僅差で敗退した2人。優勝会見では、その悔しさを東がこう話します。
「優勝するためにほんまに1年がんばってきた。カベポスターがずっと上がっていく姿も見ながら、『こんなふうになりたい』と思って、今日ここに出てきました」
大東は「僕は、もうちょっと太ろうかなと思った」と、東とは一味違った角度で今年の決戦に挑んでいたようです。
「去年の映像を見てもらったらわかるように、余裕で太っています。人相が悪いので、もっと愛嬌を出さないといけないと思って、太ることからスタートさせていただきました。やっといま、完成しました」
目標は数ある関西の賞レースの制覇！
優勝賞金100万円は、「最近、後輩とよくごはんに行けるようになった」という東は「ほぼ全額、後輩とごはんに行きます。爛々の大国（麗）とか、タチマチの胡内（佑介）とか……」と笑顔で話します。一方、借金があるという大東は「5社を4社に減らしたい」とリアルな使い道を考えているようでした。
ご褒美の冠番組についても、東はすでに構想は出来上がっているようで、「ダブルヒガシのお散歩」を激推し。かたや大東は「アニメ『名探偵コナン』の、犯人のシルエット役のデブ役をやりたい」と熱望し、藤崎マーケットに「冠で何をするねん！？」とツッコまれていました。
ずっと目標だった『ytv漫才新人賞決定戦』優勝を達成したいま、次なる目標について東は「関西にはいろんな賞レースがあります。他局のABCお笑い新人グランプリ、NHK新人お笑い大賞、あとはM-1グランプリ。そこに向けてやっていきたいなと思います」。
大東は「われわれは最低単価なので……」と切り出します。「ビッグマネー！ マネー！ マネー！」と優勝によるギャラアップに期待しつつ、「ほんまに、ほかの賞レースも獲りながら、がんばっていきたいです」と笑顔で語りました。
