大阪・堺市を中心に活動する「堺少女歌劇団」の第10回本公演が、2月11日(日)にフェニーチェ堺で行われました。この日のステージでは、小学1年生から高校3年生までのメンバーに加え、卒団生やゲストも出演。ミュージカルやショーを通して、日ごろの練習の成果を存分に発揮しました。歌劇団のクリエイティブプロデューサーである、元タカラジェンヌで元吉本新喜劇団員の仙堂花歩のインタビューと合わせて、お届けします!
与謝野晶子が題材のオリジナルミュージカル
「堺少女歌劇団」は、堺市大浜に戦前に存在した歌劇団を再始動することを目的に、2015年にスタートしたプロジェクトです。旗揚げ以来、誰もが知る古典劇を現代風にアレンジし、ポップな中に本物の要素があるオリジナルの少女歌劇公演を行ってきました。
この日の本公演では、ハートフルミュージカル「AKIKO~与謝野晶子のもう一つの物語」とショー「10th Anniversary」を上演。
第1部の「AKIKO~与謝野晶子のもう一つの物語」は、堺出身の日本を代表する歌人・与謝野晶子を題材に、その幼少期にスポットを当てた物語で、フィクションを織り交ぜたオリジナル脚本の舞台です。
晶子を演じたあけゆ、やがて晶子の親友となる南さんを演じたあずをはじめ、多感な時期の心の動きを丁寧に演じたメンバーたち。劇中歌では透明感のある歌声をホールに響かせ、少女時代という儚い時間を幻想的に魅せました。
第2部の「10th Anniversary」では、弾けるようなダンスや力強い歌声を披露。オリジナルメンバーに加えて、ゲスト出演のみりかがミュージカル『ミス・サイゴン』の名曲『命をあげよう』を熱唱するなど、圧倒的な表現力で客席を魅了しました。
エンディングでは、歌劇団のクリエイティブプロデューサーである仙堂花歩が登壇。仙堂は「劇団員を一緒に育てていただきたい」と観客へ挨拶しました。
「劇団員たちは誇りを持てる存在」
終演後、仙堂に改めて公演の感想や今後の目標について聞きました。
――今回の公演はどうでしたか。
いつも去年より今年のほうが大変と思うのですが、今年はそれをだいぶと上回りました。和装もあるので衣裳の着替えが早かったり、全員の出番が多かったりと、本番も滞りなくできるかいちばんハラハラしました。
――周囲のサポートも大きかったのでは。
堺少女歌劇団は、宝塚歌劇団やOSK日本歌劇団などの経験者がサポートしています。それはこの歌劇団の強みでもあるので、第10回公演も大成功できたのではないかと思います。
――現役の劇団員たちの出来はどうでしたか。
劇団員たちは幼いながらも精神面もしっかり育っていますので、本番でもあたふたすることなく、ステージの表でも裏でも、しっかりと務めました。改めて誇りを持てる存在だと思いました。
――日ごろの活動はどんな活動をしていますか。
劇団員の中には、歌のコンクールにエントリーして、挑戦している子もいます。以前は予選落ちしてしまっていたメンバーが、1年かけてレッスンをして全国大会中学生の部では1位、小学校の部では5位になりました。そうやって、しっかりと実績も積んでいますし、私と一緒に劇団員が韓国に渡るなど、海外での活動も始めています。また、卒団生の中には現在、レギュラー番組を持っている子もいて、卒業後も活躍しています。
堺少女歌劇団は立ち上げ時から「堺から世界へ」を標榜しています。いま、それが少しずつ形になってきているのではないかと思います。