NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』出演をきっかけに、役者としてもブレイクの兆しを見せているメッセンジャー・黒田有。関西では言わずと知れた実力派芸人として数々のバラエティ番組で活躍する黒田のために、東野幸治が発起人となって執り行われた「ありがとう」を伝える“生前葬”の模様が、3月24日(日)に読売テレビで放送されます。ファニマガでは、爆笑の連続だったこのイベントの様子をちょっと出し! 黒田本人のインタビューとともにお届けします。
黒田の“悪行”を暴露に次ぐ暴露!?
『発起人・東野幸治 黒田有のありがとう生前葬』と題したイベント(2月18日開催)は大盛況で、会場となった大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールのチケットは完売。お笑い界、芸能界から黒田をよく知る人物が“参列”し、辛口・甘口織り交ぜた感謝のメッセージを送りました。
厳かなクラシック音楽が流れるなかで登壇した東野は、発起人にもかかわらず、「僕も何も知りません!」と言い放ったかと思うと、さっそく黒田にまつわるエピソードトークを繰り出します。
東野から「可愛らしいところもあるが、憎たらしいところもある」と評されたこの日の主役である黒田は、なんと駕籠(かご)に乗り、客席の通路を通って舞台へ! 東野とのクロストークが始まると、さっそくヒートアップして止まらず、慌てて進行役の浅越ゴエ(ザ・プラン9)が割って入る事態に……。
黒田の代名詞ともいえる、牛乳パックで作られたイス(貧乏だった子ども時代、母親が手作りしていたものを再現)に座り、アーティストである妻が描いた絵画がお披露目されると、いよいよ式典のスタートです。
参列者からの“弔辞”は、黒田の人となりがうかがえる爆笑エピソードの連続! 『ちゃちゃ入れマンデー』(関西テレビ)で東野、黒田と共演しているフリーアナウンサーの神田愛花は、「この人がどうしてテレビに出ているんだろうと思った」という第一印象をぶっちゃけ。そのうえで「仕事への考え方を変えてくれた」という“黒田イズム”について語る見事なスピーチを披露しました。
黒田と対照的に“ボンボン”として育った月亭八光は、ある悩みを吹き飛ばしてくれた黒田からの衝撃の電話を振り返ります。同じく芸人仲間のケンドーコバヤシは、若き日の黒田との出会いを回想。おカネにまつわる爆笑エピソードや当時の彼女とのやりとりなど、暴露に次ぐ暴露で黒田を慌てさせました。
ほかにも、某名作SF映画のキャラになりきって登場した野性爆弾・くっきー!をはじめ、吉本新喜劇の青野敏行、ちゃらんぽらん冨好、ヘッドライト(和田友徳、町田星児)、ヤンシー&マリコンヌ(松浦真也、森田まりこ)らが、黒田への想いを強烈な笑いとともに表現。吉本きっての“愛され芸人”である黒田らしい大盛り上がりのひとときになりました。
『ブギウギ』の撮影エピソードも!
朝ドラ『ブギウギ』でヒロインのスズ子を演じている趣里と、愛助役の水上恒司からは、愛と笑いがたっぷりつまったVTRメッセージが到着。趣里は、撮影現場でのエピソードをときおり吹き出しながら語り、黒田から体調を気遣った手作り弁当の差し入れがあったことも明かします。
また同じく『ブギウギ』を通じて黒田と仲よくなったというトランペッターのMITCH、ギタリストの富永寛之が生演奏を聴かせる大サービスも! ジャズの聖地である米ニューオーリンズスタイルの“音楽葬”に、客席もノリノリの手拍子で応えました。
ほかにも、『ブギウギ』の制作統括である福岡利武プロデューサーから黒田の愛犬まで、参列者は途切れません。相方であるメッセンジャー・あいはらからは、心のこもった“弔電”も……。
幼少期の貧乏エピソードや芸人としての黄金期、そして“あの事件”まで、黒田の人生を紹介するコーナーでは、『ブギウギ』で活躍したちびっ子俳優が黒田の少年時代を熱演するひと幕もありました。
参列者と観客が一緒になって歌う感動のフィナーレを経て、最後は黒田が感謝の挨拶。「視聴率がよければ、来年またやると思う」という大胆予想も飛び出し、“大盛況”のうちに幕を閉じました。
「第2回の話があるならば…」
イベント終了後に黒田が感想を語ってくれました。
──客席も満員になって、大成功でしたね。
本当に、皆さんのおかげです。
──ケンドーコバヤシさんが最後に憎まれ口を叩いていましたが……。
あれも僕の後輩らしくて、いちばんの褒め言葉ですよ。本当に、もうゆっくり死ねると思います(笑)。
──今回の企画で、もっともこだわった部分は?
主役である僕がああだこうだ言うのではなく、スタッフが見たい形でやってただけるのがベストかなと思ってたので、極力、口出しはしていません。構成も、僕が信頼を置ける方にやってもらいましたし、プロデューサーやスタッフの方々も、僕のことをよく知っている方々でやっていただけるなら……という話でスタートしてるんで、まかせても間違いないだろうと思っていました。
──今回の生前葬で印象に残ったことは?
お笑いの先輩・後輩が、その場をぱっと盛り上げてくれるのはさすがだなと思ったんですけど、それは言うても本職ですから。たとえば神田愛花さんなんかは、トップバッター、われわれでいう“つかみ”のところで出ていただきましたが、お堅いNHKでアナウンサーをされてた方が、お客さんを盛り上げてくださり、企画にのっとったことをやっていただいた。
もちろん、お笑いの先輩・後輩にも感謝してますが、それ以外のみなさんの盛り上げ方が、これぞ生前葬かなという感じだった。ただの“いちお笑いイベント”ではなく、多業種の方々が来ていただいて、いろいろ盛り上げてくれたのが見どころかなと思います。
──エンディングでは、第2回の可能性にも言及していました。
もし好評で、第2回をやりたいという話があるならば、ぜひともやらせていただきますよ。次は僕もこんな感じなのかっていうのがわかってるんでね。芸能生活も30年以上になりますし、(人脈の)横幅は広いんで、いろんな方々にまた出ていただいて、生前葬という名のフェスにできたらカッコええなとは思っております(笑)。
ただ、心配なのはお客さんに飽きられないかということ(笑)。今回はNHKの朝ドラの部分もかなり出していただいたんで、次に向けて、また話題になる仕事を取ってきたら、それが生前葬のひとつの糧になると思いますので、精進したいと思います。