桂文枝の大阪市24区創作落語プロジェクト『参地直笑祭in東住吉区』が4月27日(土)に開催されました。イベントには文枝のほか、ラフ次元(空道太郎、梅村賢太郎)や桂健枝郎も出演。会場の東住吉区民ホールに詰めかけたお客さんたちは、地元のネタが盛り込まれた文枝オリジナルの創作落語で大いに笑いました。
創作落語づくりのために東住吉を下見
「参地直笑祭」は、大阪市と吉本興業が締結した地域活性化などを目的とした包括連携協定に基づいて、文枝が大阪市24区それぞれの特色を盛り込んだ創作落語を作り、地域の魅力を発信するプロジェクトです。
まずは“東住吉区住みます芸人”のアンビシャス(たかし、森山アレキ)が挨拶。続けて文枝が大きな拍手で迎えられると、6年前にスタートした「参地直笑祭」についてこう話しました。
「予定では3年で終わるはずだったのですが、コロナで中断もあり、いまも続けています。始めたころは74歳でしたが、昨年の7月16日で満80歳を迎えまして、覚えられなくて大変です(笑)」
今回は、東住吉区の創作落語を作るために、駒川商店街や長居公園などいくつも下見を重ねたと明かしました。
続いてラフ次元が登場。『THE SECOND~漫才トーナメント』決勝進出を決めたばかりの2人は、自己紹介のネタで会場を沸かせます。笑いと同情、反感(!?)が入り混じる、あからさまな‟コンビ間格差”の話題で盛り上げました。
文枝の弟子である健枝郎は古典落語「二人癖」を披露。文枝から「背が高い」と紹介された健枝郎は、「ちょっとだけええ男でございます」と挨拶したあと、「つまらん」「呑める」が口癖の2人が、互いにどうにかその口癖を言わせようと繰り広げる攻防戦を、おもしろおかしく口演しました。
地元名物「コロッケサンド」も登場
そしていよいよ文枝の出番へ。東住吉区を舞台にしたオリジナルの創作落語「しあわせのレッドカーペット」は、映画撮影を題材にしたSFテイストの噺です。かつて映画を撮影していた仲間が集まり、東住吉区周辺にも生息していたと言われるナウマンゾウが長い眠りから目を覚ますというストーリーの特撮映画で区をPRしようと奮闘します。
途中、「コロッケサンド」をはじめ、東住吉区の名物が登場すると、そのたびに嬉しそうな歓声が会場から上がりました。また、東住吉区で育ったシンガーソングライターの故・谷村新司さんを偲んで「サライ」を熱唱したり、駒川商店街に敷かれたレッドカーペットを歩く場面では拡声器を使って臨場感たっぷりに声を張り上げたりして、あの手この手で魅せる文枝。会場も大いに盛り上がりました。
トークコーナーでは藤原鉄也・東住吉区長が登場し、「東住吉区の魅力スポットをちりばめてくださってありがとうございます」と文枝に感謝します。この4月に着任したばかりの藤原区長は、「東住吉区は地域の皆さんが熱心に区の事業に参加して協力してくださる」と、住民の街づくりへの意識の高さを紹介しました。
文枝は特撮映画を題材に選んだ理由について、「東住吉区にはかつて映画館が9軒あったそうです。それが、いまでは1軒もなくなってしまいました」と言いながら、「街のにぎわいの創出はもちろん、文化・芸術をこれからも大事にしてほしいとの願いを込めました」と説明すると、会場から大きな拍手が起きました。