ネイビーズアフロが『上方漫才コンテスト』優勝! 高学歴コンビが「次の目標はクイズ王!」

上方演芸界の新人の登竜門『NHK上方漫才コンテスト』(NHK)が10月30日(金)に放送され、第50回という記念すべき節目の年にネイビーズアフロ(皆川、はじり)が優勝に輝きました。結成10年目にして、ようやくつかんだメジャータイトル。直後の会見では、喜びと安堵が入り混じった言葉となりました。

出典: FANY マガジン

例年は春に行われる大会ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期に。10月12日(月)に本選の収録が大阪・NHK大阪ホールで行われ、10月30日(金)に放送という異例の形となりました。当日は、116組がエントリーした予選を勝ち抜いた精鋭8組が火花を散らしました。

実力派の若手芸人がそろい踏み!

MCは千原兄弟(千原せいじ、千原ジュニア)、審査員は西川きよし、トミーズ・雅、ハイヒール・リンゴ、ユウキロックに加え、俳優の内藤剛志、女優の三倉佳奈、漫才作家の大池晶という豪華な顔ぶれ。

本選では、1回戦で4組ずつAブロックとBブロックに分かれ、ネタ4分で競い、審査員の投票で各ブロック1位が決勝戦へと駒を進めます。

Aブロックは、からし蓮根(伊織、杉本青空)からスタート。その後、プードル(メラちゃん、山下英吉)、きんめ鯛(上田だう、真輝志)、パーティーパーティー(ひらかわ、きむきむ)らが渾身の漫才を繰り広げ、会場を熱気に包みます。結果、「ボケ、ツッコミ、全部ハマってた」と評価したユウキロックをはじめ、審査員を唸らせたきんめ鯛が決勝戦へ。

Bブロックは、隣人(中村遊直、橋本市民球場)、ニッポンの社長(辻、ケツ)と前半にコントが続き、後半はネイビーズアフロ(皆川、はじり)、たくろう(赤木裕、きむらバンド)と個性豊かな顔ぶれ。そんな中、ネイビーズアフロが抜群の笑いを巻き起こし、決勝戦へ。

先輩・後輩による頂上決戦!

決勝戦は、ネイビーズアフロvsきんめ鯛という先輩・後輩対決に。まず、きんめ鯛が学生時代の卒業式をテーマにしたコンビネーション抜群の漫才を披露。一方、ネイビーズアフロは“恋する”皆川が暴走するスピード感あふれる漫才で審査員の爆笑をさらいました。

いよいよ結果発表。審査員の投票でネイビーズアフロの優勝が決まった瞬間、はじりは「よっしゃー!」とガッツポーズ。皆川は、喜びのあまりその場に倒れ込むほど。「賞が獲れないままここまで来て、10年目でやっと獲れました」としみじみ語り、感無量の様子でした。

出典: FANY マガジン

コンビで飲みに行って泣きそうに

大会終了後の囲み会見で、まず優勝の感想を尋ねられたはじりは、安堵した様子でこう語ります。

「関西の賞レースで、決勝には出られても優勝はできないままここまで来ました。“もしかしたらこのままもう獲れないかもしれない”という焦りが出てきたタイミングだったので、獲らせていただいて安心しました」

一方の皆川は、こう言って笑顔を見せます。

「10回近く挑戦させていただいても準優勝のパターンが多く、今回はコロナの影響で延期にもなりましたし、お客さんも少なく、しかも収録という形で優勝となりました。環境を考えると、生放送で大勢のお客さんの前で、というのがいいかもしれませんが、逆に考えたらこうした環境で優勝できるのは今年しかないので、貴重な経験ができました」

さらに、「何度も準決勝で負けてきました。コンビで飲みに行くんですけど、はじりが『このままではイヤや』と泣きそうになったので、ほんまによかったです」と語ると、はじりは「泣いてないです」と即座に否定していました。

改めて皆川が、この大会に向けた心情の変化をこう語ります。

「今年に入って関西のテレビ番組のレギュラーをいただけるようになり、街で声をかけていただく機会も増えてきて、大阪の皆さんに知っていただき始めているのかな、と。だから今日も、ここ(NHK大阪ホール)をホームだと思って漫才ができました。落ち着いてできたのが理由かなと思います」

2本目のネタを変えたワケ

実際、あと一歩というところで無冠が続いた10年間は、2人にとって小さくないプレッシャーを与えていたようです。

はじりは「このままでは出場資格がなくなってしまうので、その焦りがありました。なので、“しんどい”というより“もう時間がないぞ”という気持ちがずっと強かった」と言います。「最後に戦ったきんめ鯛は、普段からごはんに行く仲なんですが、“このまま抜かされていくのはいやや”と思って、絶対に獲ろうと思った」とのこと。

それだけに、「うれしさ半分で、こみ上げてくるのは安心感です。“よかった”という気持ちのほうが強いです」としみじみ語ります。

皆川も「僕ら、コンテストで隣のコンビが優勝するというのを何度も経験しているんです」と明かしながら、「だから、会場全員の目が僕らのほうを向いているというのが(嬉しさで)鳥肌が立ちました」と改めて喜びを噛み締めました。

そして、こう続けます。

「いまでは漫才のネタ数は400本くらいになって。その成果がやっと出ました。長かったですね……。でも400本ネタを蓄えた状態で頂点に立てて、先のことを考えたら最善の結果だと思います」

出典: FANY マガジン

今回のネタについては、「やっぱり熱量を出したのがよかったです。とくに今日は全開でできたので、その熱量がお客さんや審査員の皆さんのハートに届いたのかなと思います」と皆川。実は2本目は違うネタをやる予定だったそうで、こう明かします。

「1本目と同じ途中でコントに入るネタだったんですが、それより2本目はコントに入らずに、皆川とはじりで熱量を持ってしゃべるほうが楽しいかな、と思いました」

はじりも、これに同意します。

「僕らはそんなに見た目に特徴があるわけではないので、審査員の方やお客さんに漫才で印象を残せるように、という意味では、ああいうカタチの漫才がいいのかなというのがありました」

高学歴コンビを分析

神戸大学出身の2人は、“高学歴コンビ”とも言われています。「高学歴コンプレックスはありましたか?」との質問には、「そもそも僕は中退しているので……」とはじり。皆川は、こう分析します。

「高学歴コンビは大きく2つのパターンがあると思うんですが、(メイプル超合金の)カズレーザーさんのように別のことでフィーチャーされて、あとから“高学歴だったんだ”と認識されるパターンと、“ええ大学出てるんです”というのでテレビに出る方々とで考えると、僕たちは完全に後者です。でも、それがあったから世に出られる漫才を作ることができたというのもあります」

もっとも、こう続けるのでした。

「でも、かしこさをテレビ番組で求められると……。もともと自分たちのスペックでは足りない部分があるので、いまは必死に勉強しているところです」

出典: FANY マガジン

10月に放送された『パネルクイズ アタック25』(ABC)に出場した皆川は、「4マスしか獲れなかった(笑)。漫才以外の部分も磨きたいです」とも言います。そして、「次の目標はクイズ王ですか?」という質問に、「そうですね、クイズ王です!」と新たな目標を掲げていました。

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