新M-1王者も参戦! 久馬歩責任編集『月刊コント祇園号』開催!

月刊コント報告書

「月刊コント」は、ほぼ毎月開催され、毎回5~6組の芸人が自分たちのネタをする。それをお~い!久馬がブリッジなどでコントとして繋ぎ合わせ”1つの物語”として完結させるというイベント。
「月刊コント」15周年を記念してFANYマガジンでは1年間、月刊コントのライブレポート、その名も「月刊コント報告書」を掲載していきます。

「月刊コント」は、ほぼ毎月開催され、毎回5~6組の芸人が自分たちのネタをする。それをお~い!久...

コント集団ザ・プラン9のブレーンでありながら作家としても活動しているお~い!久馬が主催している人気イベント『久馬歩責任編集 月刊コント』が6月1日(土)によしもと祇園花月にて開催されました。

このイベントは2009年から始まり、毎月5~6組のコント師が出演。その出演芸人の持ちネタのコントを久馬がオリジナルのブリッジコントで繋ぎ、最後に巻末コントで全てのコントが一つのストーリーとして完成するといった内容です。

カラオケ、ボクシングジム、絵描き歌、ダイイングメッセージ、楽器、出演芸人から出されたコントに対して久馬は、果たしてどのような物語に仕上げたのか。気になるライブの様子を芸人ライターとしても活動するよしもと沖縄所属のピン芸人・又吉広人がお伝えします!

バラエティに富んだ面々がコントを演じる『祇園号』

どのようなコントを出されるかによって物語が大きく変わる『月刊コント』。

今回の出演者は、ザ・プラン9(お~い!久馬、浅越ゴエ、ヤナギブソン、コヴァンサン、きょうくん、爆ノ介)、セルライトスパ(肥後裕之、大須賀健剛)、スパイク(松浦志穂、小川暖奈)、ヒューマン中村、cacao(高橋、浦田スターク、たっぺい)、生姜猫(川崎、ケージュ、カンサイ)、2023年M―1王者・令和ロマン(高比良くるま、松井ケムリ)、現在女優としても活動されている隅田美保、シンガーソングライター・ゆしん。実力者から若手までバラエティに富んだ面々。

OPコントは路上ミュージシャン・ゆしんの演奏からスタート。

心地いいメロディーにとゆしんの澄んだ美声が祇園花月に響きます。

出典: FANY マガジン
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ゆしんの歌声に聞き入っていると、そこへ隅田が登場。
路上ミュージシャンとの会話にダジャレが混ざり、月刊コント恒例のシルエットにて出演者を紹介する流れへと続きます。
さらに爆ノ介が演じる彼女とその彼氏・きょうくんのカップル、きょうくんの弟として大須賀が登場。どうやら隅田と彼女は会社の知人だそうです。

弟・大須賀は好きな子に告白する為、歌の練習をすると張り切っています。無邪気で可愛いですね。はたしてこのOPコントがどう繋がっていくのか。

OPコントが終わり、続いてはザ・プラン9の「レストラン」
レストランで働いている従業員・浅越ゴエが休憩に入ると全く別人に変わるというコント。ここでもOPコントで登場した爆ノ介・きょうくんカップルが登場します。

楽しく談笑をしていると、彼女の元カレ(変態)と遭遇してしまい……。彼女の気持ちが今彼と元彼との間で揺れ動きます。この恋の行方はいかに?

出典: FANY マガジン
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続いてのコントは生姜猫の「楽器」

一方的に別れを切り出して姿を消した彼女を追いかけてきた男性。実は彼女は重い病気を患っていて……と真剣な話をしているのにどうしても楽器を触っちゃうというコント。

楽器店に行くと買う気もないのについつい楽器を触っちゃうというあるあるのコントで、後半には助けにきた救急隊の方も楽器触っておかしな展開に。

そして、続いてはcacao「絵描き歌」

歌のお兄さんとモグラのキャラクター・モグラッキーが絵描き歌を歌うもダンスと歌がメインになって、ほとんど絵描きをしていないというコント。

クセになるメロディーとモグラッキーの軽快なダンスに大きな笑いに包まれました。

出典: FANY マガジン
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続いて、スパイクの「ジム体験」。会社の上司と上手くいっていない女性がボクシングジムに来てストレスを発散しに来たというもの。「上司だと思って、思いっきりストレス発散してしまってください!!」というジムトレーナーの言葉により、その上司だと思い込み過ぎる女性を痛快に演じ、女性ならではの目線と迫真の演技力で会場は終始笑いが起きていました。しかし、まさかここで登場したジムに来た女性が物語に加わってくるとは……。

出典: FANY マガジン
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そして、再びcacaoのコントで登場した歌のお兄さんとモグラッキーが登場。そこで実はここがショッピングモールの営業だということが判明します。営業に来ているという設定で令和ロマンの漫才がスタート。漫才師をこのような形でコントの一部に落とし込んで物語の一部にするのは驚きました。

出典: FANY マガジン
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そして、次のコントはセルライトスパ「カラオケ」

ここでなんとOPコントでも登場した弟・大須賀が登場し、健気に歌の練習をしています。しかし、何度歌うもマイクに声が入らない。後半、カラオケ店員の肥後の熱唱には会場も大盛り上がり。

ここから次第に物語が繋がっていきます。

出典: FANY マガジン
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続いて、本日唯一のピン芸人・ヒューマン中村「ダイイングメッセージ」

ダイイングメッセージを謎解きの様に楽しむ刑事のコントを披露し、会場を大いに盛り上げました。はたしてどのような形で物語に混ざっていくのか。

出典: FANY マガジン
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ブリッジコントではセルライトスパのコントにスパイクが登場。

大須賀の好きな女性が実は小川だった。小川の為に歌を練習していたのでした。

二人の初々しい演技にコントを忘れときめいてしまいました。

出典: FANY マガジン
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更に生姜猫のコントにはカラオケ店員だった肥後も登場し、ここがショッピングモールの楽器店だったことが判明します。さらに病気の彼女は肥後の妹だったのです。

次第に物語が繋がってきました。

そして、病気を患っている妹が言います。「死ぬ前に今日ここで営業している令和ロマンの漫才が見たい」と。

そして、場面は三度レストランへ。そこには食事を撮る刑事のヒューマン中村の姿が。

「よりを戻してくれ」と詰め寄る元彼(変態)がフォークを自身の首に突き立て、「よりを戻してくれなかったら死ぬ」と言い出します。

すると、そこへ元彼(変態)の彼女が登場。それがなんと隅田だったのです!
気持ちいいくらいにどんどん物語が加速していきます。

さらにそこに見事付き合った大須賀と小川、松浦が登場。物語は終盤へ。

そして、最終場面ショッピングモールの営業。

OPコントで出てきたゆしんと絵描き歌を披露したcacao、令和ロマンが登場し、ショッピングモールの営業を盛り上げています。そこへ令和ロマンの漫才をみたいと熱望した病気を患っている妹らが到着。最後に令和ロマンが漫才を始めるが……。

最後に思いもしない結末が!!

こうしてレストラン、ショッピングモールの営業、二つの物語は終演を迎えます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

バラバラだったコントが紡ぐ壮大な物語

エンディングで久馬は「OPコントのあの歌ってる人を見た時の発見の顔。めちゃくちゃよかった」と隅田の演技を褒めると「前出た時はコンビの時出させてもらって、今回は女優枠で」とはにかみました。スパイクは「我々のネタの嫌な女性の上司が隅田さんだったんだ! 繋がった瞬間、これが月刊コントだな」と感想を告げると、隅田からは「髪の毛痛んでる、ファンデの色合ってないっていうセリフも、裏で私のことチェックしてたんだコイツ」と笑いを誘いました。

イベント前日に漫才劇場を卒業し拠点を東京に移すことを表明しているヒューマン中村に対し、みんなから「おかえりー!」との声が上がり「まだ大阪住んでんすよ!」と声を荒らげました。初登場の漫才師・令和ロマンの笑顔で大きく手を振り「ありがとー!!」と叫んでいる姿が印象的でした。

終始大盛り上がりの中終演した『久馬歩責任編集 月刊コント』は2009年から始まり、今年の7月で15周年を迎えます。出演芸人のネタにより物語の結末や流れが変わる見応え十分なイベントでした。もう一度最初から見返したくなるような、まるで一本の映画を観ているような満足感。

そんなイベントをほぼ毎月、15年も続けているのは久馬のコント愛が溢れる結果なのかもしれない。

唯一無二のコントイベント。ぜひその目で「久馬が描いた物語」をご覧ください!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

公演後にお~い!久馬より感想を伺いました。

──本日の『月刊コント祇園号』を終えていかがでした?

久しぶりに祇園花月での開催でしたが、楽しくやらせてもらいました。
令和ロマンの漫才や、ケムリ君の着ぐるみダンスも見れて良かったです。

──本日の『月刊コント祇園号』で一番印象深い、または脚本を作るうえで困ったことはありましたか?

令和ロマンの漫才をどうやって紡ごうか悩みましたが、いい感じに紡げたかと。
久しぶりの隅田さんも俳優然としていて、頼もしかったです。

──最後に、次回行われる『月刊コント』の見所をお願いします

気付けば、15年も経ってました。
そして、さんまさんに出ていただけるとのことで、いつも以上に気合いが入りますね。
お客さんにはただただ笑って帰っていただければ、と。

公演概要

久馬歩 責任編集 月刊コント15周年グランド号
日時:7月7日(日)19:15 開場/19:45 開演
会場:なんばグランド花月
出演:ザ・プラン9
明石家さんま、アキナ、アインシュタイン、隣人、カベポスター、未知やすえ、小籔千豊、 NON STYLE 石田明、水田信ニ、渋谷凪咲 ほか

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