ガクテンソク(よじょう、奥田修二)が名乗ってきた「幕張ワン」の称号を引き継ぐ『ガクテンソクの幕張ワン継承式』が、7月3日(水)に千葉・よしもと幕張イオンモール劇場で行われました。継承式では「幕張ワン」の称号をかけて、ヒューマン中村、クロスバー直撃(前野悠介、渡邊センス)、守谷日和、ヘンダーソン(子安裕樹、中村フー)が激突。幕張劇場への“愛の深さ”を問われるゲーム企画で真剣勝負が繰り広げられました。
実はメリットだらけの「幕張ワン」!
実は「幕張ワン」は、ガクテンソクが昨年、大宮ラクーンよしもと劇場の人気ユニット「大宮セブン」に対抗して勝手に名乗り出したもの。なので、正式に決められたものはなにもありません。
しかし、そのガクテンソクが「THE SECOND~漫才トーナメント~2024」で優勝したことによって多忙を極めることに。そこで、「勝手に名乗っていた『幕張ワン』を勝手に継承する」ことに決め、この日の継承式が行われることになりました。
継承式では、まずガクテンソクが「幕張ワン」の魅力を説明。「幕張ワン」を名乗ったことで、「1年間で幕張劇場に196回も出演できた」「生活の支えになった」「ネタが磨かれ、THE SECONDを優勝できた」などのメリットを明かします。
すると、「幕張ワン」にほとんど興味のなかった4組も、がぜんやる気に。その後の「継承者選定試験」では、「幕張あるある大喜利」や「幕張4択クイズ」など、幕張への愛の深さが問われる試験が行われ、ガクテンソクの厳正な審査の結果、見事、ヒューマン中村が2代目「幕張ワン」を襲名することになりました。
中村「6月に東京に来たばかりで…」
舞台終了後に、ガクテンソク、そして「幕張ワン」を継承したばかりのヒューマン中村に話を聞きました。
――お疲れさまでした! まずは「継承式」の感想を教えてください。
奥田 いやー、よかったですね。(継承者選定試験は)みんな、かなり前のめりでした。
ヒューマン ひりつく感じで、楽しかったですね。ただ、僕は6月に(拠点にしていた大阪から)東京に出てきたばかりなので、幕張のことがまったくわからない状態で「あるある」を言わされるのは、とんでもなくしんどかったです。
奥田 そうだろうなと思ってました(笑)。
よじょう でも、頑張ってましたよ!(笑)
――継承者選定試験では、守谷日和さんがクイズやゲームでポイントを稼いでいるように見えましたが、最終的にはガクテンソクさんの判断で「幕張ワン」はヒューマンさんになりました。
奥田 守谷さんは去年もよく幕張で一緒になって、今日の昼の寄席もちゃんと見てたんですけど、ネタを変えてないんです。
ヒューマン そこなんや(笑)。じゃあ、勝負は昼の寄席でついていたの?
奥田 実は、かなりがそこで。
よじょう 確かに守谷さんは、もうすでに幕張に出られているおごりがあったかもしれないですね。土日寄席にも、けっこう出ているんで。
奥田 “幕張は慣れています顔”があったね。あるあるも、劇場の楽屋エピソードに寄せてたし。
よじょう ああ、ちょっと鼻についたな! うん。鼻につきました。
ヒューマン すごいな、おらんところで。まだ死体を蹴るか(笑)。
――守谷さんがかわいそうになってきたのですが(笑)。
奥田 (笑)。まあ真面目な話をすると、守谷さんもクロスバーさんもヘンダーソンもよかったんですけど、(大阪から東京に出てきたばかりの)去年のわれわれと非常に境遇が似ているヒューマンさんにぜひ継いでいただこうと思ったんです。
ヒューマン いや、ほんまにありがたいです。頑張りたい。
よじょう 本当に幕張ワンに就任すると、めっちゃいいですからね。
ノリから始まった「幕張ワン」
――劇場ファンのなかでも、「幕張ワンって何なの?」という人が多いようなのですが、あらためて説明をしていただけますか。
奥田 「幕張ワン」は、ほんまに僕らがノリで言いだしただけなんです。去年、東京に来たばかりのときに、幕張で行われる花火大会(幕張ビーチ花火フェスタ)の記者会見に呼ばれたんですよ。そのときのメンバーはエルフ、マユリカ、ギャロップさんで、特に幕張とも関係のないコンビが集まっていた。それで僕らは幕張の出番が多かったのもあったので、「そりゃあ、この会見に僕らがなしじゃ無理でしょうよ。大宮セブンっているでしょう? 僕らは『幕張ワン』ですから!」って言ったのがスタートです。
ヒューマン はー、なるほど!
奥田 その記者会見を見た幕張の支配人が「『幕張ワン』って面白いっすね」と言ってくれて、それからいろいろなところで言うようになりました。
ヒューマン ほんまにノリからやったんや。それがいま、こうやって繋がってる(笑)。
奥田 支配人もノリノリになって、「ゴールデンウィークも出番を入れますよ。だって『幕張ワン』ですもんね!」みたいなノリが生まれた。ノリです、全部。
よじょう そのノリのおかげで、大型連休はほぼ幕張にいましたからね。
奥田 平日も僕らのスケジュールが空いているときは、「『ワン』が空いてる!」って、出番を入れてくれるようになりました。
ヒューマン やったあ! ほんまに僕、東京に来て「どんくらい劇場に出られるんかな?」って不安やったんで。これで1個軸足ができて、めちゃめちゃ安心ですよ。ほんまにありがたい。
一同 (笑)
奥田 ただ、幕張に軸足を置くと、すごい半径の円ができちゃいますけどね。半径がもうEEZ(排他的経済水域)みたいになりますけど。
ヒューマン でも毎回、幕張が担保されているのは嬉しい。(会費収入が安定している)オンラインサロンをやっている人の感じというか。
よじょう ははは(笑)。
奥田 そうですね。幕張が1個あるんで、安心してください。
ヒューマン中村「このバトンはつなぎたい!」
――確かに大阪から出てきた芸人さんは、固定の劇場出番を探すのが大変そうですよね。
ヒューマン そうなんです。
奥田 「ルミネは出られるのか?」とかね。不安がありますから。
ヒューマン 本当にそう。若手やったら無限大(ヨシモト∞ホール)とか漫才劇場(神保町よしもと漫才劇場)があるけど、僕は芸歴もけっこう長いですし、不安でした。今年からR-1の芸歴制限が撤廃されて、「もう1回目指そう」というときに、舞台の出番ってめっちゃ大事なんですよ。だから幕張に出させてもらえるのは、マジでめちゃくちゃありがたいです。
奥田 本当に去年の僕らとまったく同じ境遇ですよ。僕らも「THE SECOND 2023」のベスト32で負けて、手ぶらで東京に来ましたから。そっからのネタづくりで今年優勝。ヒューマンさんも今年のR-1の準決勝で負けてからの手ぶら東京ですよね?
ヒューマン そう。ほんまに一緒や。これは、このバトンはつなぎたいですね!
奥田 縁起のいいもんになったらいいですよね。
よじょう ほんまやね!
ヒューマン だから、結果を出さないといけないプレッシャーもあります。いいバトンをもらったんで、このバトンを落としたらダメやっていうプレッシャーはすごい。
一同 (笑)
奥田 でも、無限に走れますからね。1年で(優勝を)決める必要はないんで。
よじょう 「幕張ワン」には、期限はないもんな(笑)。
奥田 ない、ない。
奥田「粛々と寄席を頑張るのが『幕張ワン』」
――ガクテンソクさんはこれからヒューマンさんに、「幕張ワン」をどんな称号にしていってほしいと期待していますか?
奥田 まあ、いいノリになっていったら楽しいかなと思いますね。大宮セブンみたいに集まって何かをやるとか、番組をやるとか、そういうのはたぶんない。ずっと非公式な感じが面白いし、ただ粛々と寄席を頑張るのが「幕張ワン」なんで(笑)。
ヒューマン ただいっぱい出ているだけ(笑)。
奥田 僕らもSNSでコッソリとしか発信していなかったですから。ただコッソリとXとかで、今日は幕張の出番の合間に何をしたかとかを「#幕張ワンの日常」をつけてつぶやくっていうだけ。
よじょう 過剰に押してもアカンっちゅうことや(笑)。
奥田 そうそう。たまにポンって言うくらいでね。
――ちなみにガクテンソクさんは、これから幕張の劇場には出ないんですか?
奥田 僕らは「THE SECOND」を優勝したことで、NGKなどにも行ったりするようになるんで、物理的になかなか幕張には来れないですけど、もちろんちょこちょこと帰っては来ようと思います。
よじょう うん。そうですね。
――「幕張ワン」を卒業することで、寂しい気持ちはありますか?
奥田 そうですね。ただ、いまはヒューマンさんに「幕張ワン」を継承できて、晴れ晴れとした気持ちです。晴れ晴れとした気持ちで、明日は『DayDay.』(日本テレビ)に行ってきます。
ヒューマン おー! 「幕張ワン」を卒業したら『DayDay.』だ。じゃあ来年のいまごろに僕もそうなって、誰かに渡せるように頑張らないと。
奥田 お願いします。これで僕らも肩の荷が下りました。
――それでは最後にヒューマンさんからあらためて、2代目「幕張ワン」を継承する意気込みをお願いします!
ヒューマン ガクテンソクが「幕張ワン」の価値をめっちゃ上げてくれたので、2代目「幕張ワン」として、不甲斐ない感じにならないようにします。ちゃんと「『幕張ワン』はすごいんだぞ!」というバトンを渡すために、頑張ります。結果を出します!
奥田&よじょう お願いします!
公演概要
『東京新ネタ純情編』
日程:8月12日(月) 開場11:30 開演11:45
場所:ヨシモト∞ドーム ステージⅠ
チケット:前売2000円 配信1500円
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