ジャルジャル「巨大スクリーンでオナラの音が…」 2人で11役のコントシネマ『サンチョー』公開！

キングオブコント王者のジャルジャル（後藤淳平、福徳秀介）が主演するコントシネマ『サンチョー』が11月19日（金）に公開され、都内で舞台挨拶が行われました。イベントには、2人で11役という“難役”に挑んだジャルジャルの2人と倉本美津留監督が登壇。見どころから撮影ウラ話までを語りつくしました。

8000本以上のネタを持ち、自身のYouTubeチャンネルで毎日、「ネタのタネ」と題してネタ動画の配信を続けているジャルジャル。常にコントと真摯に向き合ってきた2人が今回、挑戦したのはコントの持つ笑いと映画のストーリー性を掛け合わせた“コントシネマ”という新たな映像ジャンルです。作品では、ジャルジャルの2人が11人の登場人物を演じています。

ジャルジャル流「憑依芸」の凄み

今回の映画は、今年開催された単独ライブツアー『JARU JARU TOWER 2021―ジャルってんじゃねえよ―』と連動したもの。撮影スタート当初には映画館での上映は想定されていなかったといい、今回の公開について感想を聞かれた後藤は「ラッキー！　イェーイ！と思いました」とおどけます。

撮影中にジャルジャルがいちばん懸念したのは、2人で演じる11役がきちんと演じ分けられて“別の人”に見えるか、ということ。福徳が、こんなエピソードを明かしました。

「音楽の入ってない（仮の）映像を観た後藤が、LINEグループに“誰が誰かわからんかもしれないので、相関図を出すのはどうですか？”って送ってきたのを、（監督の）倉本さんは速攻で“いらないと思います”って返してた」

福徳も同様の懸念があったそうですが、倉本監督は「2人は自分が演じてるからそう思うけど、同じ人間には見えない」と断言。「ジャルジャルのすごさはそこ。ちょっとした服装と髪型で、（違う人物が）憑依する」と2人の演技に太鼓判を押しました。

それでも福徳は「油断して観てたら、こいつ誰や？ってなってくると思うので、たとえば“メガネの奴”とかインプットして観たほうがいい」と“アドバイス”。後藤は「顔が2種類の世界に入り込んで、（映画が終わって）お隣の顔を見て、後藤か福徳になってたら怖いですね」と笑っていました。

「ジャルジャルを嫌いな人に観てほしい」

撮影後にすべてのカットを繋いだ段階では、上映時間が3時間半に及んだと倉本監督が話すと、後藤が「福徳が大変なロケをしたところはバッサリなくなりましたよね」と明かします。なんでも、福徳が特殊メイクをしてサンダル履きで100メートルを5本走ったシーンなどが、劇場版では残念ながらカットとなったとのこと。

倉本監督は上映時間を100分にした理由を、「ジャルジャルのことを嫌いな人に観てほしいから」と説明。「観て、ジャルジャルってええやん、演技うまいやんって思ってほしい。ジャルジャルを大好きな人はちょっと足りないなと思うかもしれないけれど、何度も観てもらえれば」とアピールしたうえで、「ヒットしたら、DVDにボーナストラックとして入れてもらいたい」と希望していました。

とにかく最初から最後まで“一筋縄”ではいかないこの映画。これから作品を観る人たちに向けて、後藤がこう語ります。

「アホらしい内容を巨大スクリーンで観ること自体が、コントだと思ってもらえれば。巨大スクリーンで観る映像のなかで、こんなにオナラの音が鳴る映像もないんじゃないかな、と。そういうアホらしい体験を味わっていただきたい」

一方、福徳は「映画なのかコントなのか、コントシネマなのかよくわからない不思議な世界を観る感じでいてもらえれば」と呼びかけたうえで、「自己満足にならんようにせなあかんと思いながら撮りました。観ているお客さんにも楽しんでもらえたら……。でも、（笑ってほしいという）芸人としての下心はあります」と本音を覗かせていました。

映画『サンチョー』は、シネ・リーブル池袋、新宿バルト９などで絶賛公開中です。

ジャルジャルの公式YouTubeチャンネル『ジャルジャルタワー』はこちらから。