毎度お馴染み流浪のコラム、ガクテンソク奥田のGossip Timesです。今回は、懐かしのタモリ倶楽部のオープニングから挨拶を拝借いたしました。ちなみに本編とはなんの関係もございません。
さて、今月の5日に行われたアメリカ大統領選挙にて、ドナルド・トランプ元大統領が再選を果たしました。アメリカの大統領は1期4年、連続2期まで務めることができるのですが、トランプさんは4年前の2期目の大統領選挙でバイデンさんに敗れました。連続ではなく、一度敗れた人が大統領に返り咲いたのは132年ぶりだそうです。
この結果を受けて、日本のメディアでは「あーだ、こーだ」と専門家の方達が言っていますが、もう決まったものはしょうがないですし、これがアメリカ国民の選択なんですから、しっかりと受け入れなければいけません。
選挙前、もしもトランプさんが大統領になったらを『もしトラ』と言っていましたが、実際にまたトランプさんが大統領になったこの『またトラ』を受け入れた上で、しっかり対応をしていかないと、日本はまぁまぁしっちゃかめっちゃかになると思っています。
というわけで今回は、この『またトラ』について超主観的かつゴシップ的に解説していきたいと思います。
なぜ『またトラ』が起こったのかを知るためには、そもそも今のアメリカの社会の現状を知っておく必要があります。2016年にトランプさんは一度大統領になりましたが、その時よく口にしていたのが
「アメリカファースト」
という言葉です。これは自国第一主義ということですが、2016年当時は、
「いやいや、今は世界が手を取り合うグローバリズムの時代やで? こんな古い考えのおっさんが大統領になれるわけないやろ」
と、世界中の人々が思っていました。しかし、結果はトランプさんの勝利でした。実はアメリカ国民の多数が、口では上のようなことを言いつつも、
「そう! ダントツ世界一の国じゃなくなったんやから、マジでアメリカを一番に考えてくれよ!」
と思っていたのです。
こういうトランプ支持者のことを『隠れトランプ』なんていったりします。2016年の選挙では、こういう方達の投票もあって、下馬票を覆してトランプさんが勝利しました。しかし、そこからの4年間の政治が反対派に評価されず、2020年の選挙でバイデンさんに敗れてしまいます。ただ、バイデンさんの4年間の政治が、反対派どころか賛成派にもあまり評価されず、隠れトランプだった人も、この8年間で『大声トランプ推し』に変わっていたので、今回の圧勝に繋がったといわれてます。
では、なぜアメリカ国民はトランプさんを選んだのか?
それは、日本もよく『格差社会』なんていわれていますが、今のアメリカは日本よりも格差が広がっています。日本より国土が広いので、濃く広大に広がっていて、なので国民間の分断もすごいことになっているからです。
トランプさんは共和党で、今回の対抗馬だったハリスさんは民主党の候補でした。共和党の基本方針は、トランプさんを候補に立てるくらいですから、昔ながらのアメリカを理想とする保守政党です。対する民主党は、自由、平等、博愛を掲げているリベラル政党です。
この文字面だけを見たら、なんだか民主党の方が良い人そうな感じがしますよね。世界の流れにも沿ってる感じするし。なので『良い人』に思われたい人は、必然的に民主党支持でした。大企業の経営者、大手メディア、金融資本家、ハリウッドセレブ、アーティストなどなど。そして、政治家は支持してくれた人が喜ぶ政治をするものなので、こういった所謂『上流階級』の人たち向けの政治を行ってきました。
共和党は共和党で政権を持っているときは、古き良き白人の上流階級層に向けて政治を行っていたので、一番多い労働者階級が政治から取り残されしまったんです。その人たちの代弁者として登場したのがトランプさんというわけです。
このアメリカの現状を踏まえた上で、トランプさんの何が支持されたのかを見ていくと、今後トランプさんと付き合っていかなければ日本が何をすべききかが見えてくると思いませんか? 思いますよね? ね?
トランプさんの基本方針は、内政でいうと
古きアメリカ庶民の代弁者
です。まずは『反移民』。白人労働者は、移民に仕事を奪われていると思っているので、移民を追い出す方針です。メキシコとの国境に壁を作るって言っていたのもこれです。そして『DSの解体』です。DSとは『ディープステート』の略で『闇の政府』みたいな感じです。都市伝説界隈では、
「爬虫人類とか宇宙人とか作ったDSがアメリカを裏で操っている!」
みたいな感じなのですが、こちらはゴシップコラムなのでそっちには触れません。そっちはそっちで面白いんですけど。
先ほど書きましたが上流階級に向けて政治が行われていました。言葉を変えれば、上流階級が政治を動かしてるともいえます。トランプさんは、そういう上流階級をDSと位置付けて、それを解体すると言っているんです。そりゃ庶民に好かれますよね。
そして外交政策を見てみると
理想ではなく現実主義
です。
まず、反戦争支援。世界で起こっている戦争に、何かとアメリカは関わっているイメージだと思いますが、トランプさんは手を引こうとしてます。戦争は儲かるみたいな噂もありますが、もしそうだったとしても上流階級が儲かるだけで、庶民は儲かりません。
それよりも対中国を重視です。貿易戦争はやるよと言ってます。中国との輸入・輸出は、庶民の生活に直結するからです。
そして、反環境主義です。「SDGs? 知らんがな! 大企業だけでやっとけ! 庶民には関係ないやろ!」という感じです。さらに、反グローバリズムです。
『世界が手と手を取り合って、みんなが幸せに暮らせる世界を作ろう!』
確かに理想ですが、現状苦しんでいる庶民からすれば関係ありません。
「今、俺が貧乏やのに、なんでうちの大統領は世界の貧困を無くそうとしてんねん! こっち見てくれや!」
そういう思いに対してトランプさんが、
「そうやんな! それが当たり前やんな! よし! 俺がアメリカを大事にしてアメリカを守る! アメリカファーストや!」
と応えたわけです。こうやって流れを見れば、決して事故ではなく、アメリカ国民の半数以上がしっかり望んだ結果の『またトラ』だということがよくわかります。
さてさて、最後に日本への影響を見てみましょう。
反環境主義なので、石油をガンガン掘るみたいです。ってことは石油の値段が下がりそうです。エネルギーを輸入に頼っていて自動車産業がお家芸の日本にとってはこれはメリットです。
世界の戦争から手を引こうとしています。なので、アメリカ軍基地を置いている国には
「守ってほしいんやったらもっと金払わんかい!」
と言ってくるでしょう。もちろん日本にも。これはデメリットです。
アメリカの産業を守ろうと思っているので、海外の製品に関税をかけまくることで値段を上げて、売れにくくすると思います。要は
「どうせ売れへんねんからアメリカに物を売りつけてくるな!」
ってことです。もちろん日本製品も対象なのでデメリットです。
他にも対ロシア外交なども日本にとってはデメリットになりそうです。
「いやデメリット多いな! 日本ピンチやん!」
というツッコミが聞こえてきそうですが、まさにそうだと思います。
このゴリっと方針が固まっているイケイケのおじいちゃんに、ビシッと物申せる人が日本のトップにいないと、なかなかに日本は苦しい立場になりそうなんですけど、今の日本のトップにこの大仕事を任せられそうですか? どうですか? 来年は日本も参議院選挙がありますし、アメリカが気運で大統領を選んだように、日本もそろそろ国民の気運を見せる時が来たのかも知れません。
※あくまでも本連載は個人の見解です。