大御所から若手まで人気のよしもと芸人が大集合する『東京グランド花月』が、東京・IMM THEATERで2月4日(火)~9日(日)まで開催されます。大阪のお笑いの殿堂・なんばグランド花月で行われている看板寄席の東京版で、漫才・落語・コント・吉本新喜劇と吉本の笑いのすべてが詰まった6日間です。今回は、出演者の中からマユリカ(阪本、中谷)とコットン(西村真二、きょん)に直撃インタビュー! その魅力や見どころを思う存分、語ってもらいました。
出番の合間はバッティングセンターで?
──2組とも過去『東京グランド花月』に出演したことがありますが、印象はいかがですか?
中谷 会社の中でも扱いが特別なのか、いつもホットミールを置いてくれているのがすごく嬉しいです。社員さんは、みんなスーツを着ているし、会社が気合いを入れているイベントなんやろうなとは感じています。
西村 もちろん、ほかの寄席も大事にやっているんですけど、よりミスできない舞台だな、というのはあります。一番手から師匠方、新喜劇までバトンをつなぐ感覚はみんな持っていると思いますね。
きょん なかなか見られない香盤(進行表)ですし、ふだん会えない先輩たちと会える感覚がすごくあります。楽屋でも、なかなかお話できない先輩たちと話せるのは嬉しいですね。
阪本 師匠方だけでなく、賞レースの決勝に行ってるような人、テレビにいっぱい出てる人も出演するので、若いお客さんも楽しめるんじゃないかなと思います。
──今回の会場であるIMM THEATERはどんな印象ですか?
西村 なんばグランド花月(NGK)と同じくらいのキャパ(NGKは858席、IMMは705席)でできるのは芸人としても嬉しいです。
中谷 いい劇場ですよね。「東京グランド花月」だと、出番と出番の合間がとんでもなくあくんですけど、(これまで何度も通っているため)ひと通りまわりの娯楽をやり尽くしたから、合間をどうするか困ってます。
きょん (東京ドームシティ内にあるため)まわりにレジャー施設はいっぱいあるんですけどね。
阪本 東京ドームシティに「JUMP SHOP」(集英社公認オフィシャルライセンスショップ)があるんですけど、フースーヤの(谷口)理と行って『NARUTO -ナルト-』のタオルを買ってあげました。
──イベントに来る人は、その前後で遊べる施設がたくさんあるのでおすすめですよね。
西村 そうですね。バッティングセンター行きました?
中谷 行ってないわ!
西村 じゃあ、まだまだっすね。いろんなところがあるので、僕らもまわりのレジャーやグルメを開拓しきれていない部分があると思います。
中田カウス曰く「コントも漫才」
──2組ともNGKには何度も立ってきたと思います。初舞台など、思い出があったら教えてください。
中谷 初めてNGKに出たのはコンビじゃなくて1人でした。芸歴2年目のときに『R-1ぐらんぷり(現:R-1グランプリ)』準決勝で初めてNGKに出て、フリップネタをしたんですけど、ペラペラのでっかい紙にちっちゃい譜面台でやってしまったから、ネタ中に客席までフリップが落ちてしまったんですよ。自分でフォローする技量もないので「すいません」と謝るだけで、とんでもない空気になりました。
きょん 2年目のNGKは震えますね。
中谷 最悪のトラウマです。
西村 寄席はコントで出させてもらっているんですけど、漫才師が多いなかでコントで立たせてもらっているのは感慨深いし、中田カウス師匠の「漫才のDENDO」(東京グランド花月でも開催されるカウス主宰のトーク&ネタ企画)にも唯一コント師として出ています。師匠曰く、「コントも漫才」ということなんで。
──(笑)
西村 ここ笑うところじゃないです。
阪本 ここで笑ったらヤバい?
西村 消されますよ!
中谷 お前、笑かすつもりはなかったん?
西村 まったくないです!
──すみません!(笑)
西村 (笑)。やはり、小さいころから新喜劇も見ていたし、NGKは聖地ですし、いまでもいちばん緊張する劇場かもしれないです。身が引き締まりますね。
きょん お客さまの年齢層が高いので、「このボケで伝わるならどこでも伝わるな」とか「これは若者にしか伝わらないな」とか考えることが多いです。だから、ネタ中もピリッとはしますね。あと、「漫才のDENDO」に出させてもらったとき、僕が女装して鏡の前で最終チェックをしていたら、カウス師匠が「綺麗やな~」と背中を押してくれました。
中谷 (笑)
西村 これは笑うところだよな?
きょん これはセーフです!
──(笑)
阪本 いまでもはっきり覚えているんですけど、コンビでNGKに初めて立つ前、先輩に相談したら「会場がデカいから、ウケたとき、次に行かずにちゃんと笑いを待ったほうがいい」とアドバイスをもらったんですよ。一応、中谷にも共有したんですけど、いざ舞台に立ったら、ウケたあと中谷が何というか……「ほんまに待ってた」というか。
中谷 (笑)
阪本 うまく待つんじゃなくて、僕の顔を見て「待ったほうがええんよな?」みたいな顔をしていて。
西村 笑い待ちとかじゃなかったんですね(笑)。
今いくよ・くるよのネタ合わせに“近っ!”
──「東京グランド花月」には、師匠やベテラン芸人も数多く出演します。師匠やベテラン芸人との思い出があれば教えてください。
西村 今年の正月、カウス師匠が劇場にいらっしゃったときに、皆さんが師匠にあいさつしていたんですよ。師匠も「おはよう!」「よろしく!」と返事をしながら歩いていたので、「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」とあいさつしたら、なぜか僕だけに「そういうことや!」って返してきて……。たぶん、僕のあいさつが完璧だったんだと思います。
──(笑)
西村 ここも笑うところじゃないですから。
中谷 これも笑かすつもりなかったん?
西村 ないです。真剣にエピソードを話しただけですよ?(笑)
阪本 NGKでいうと、仕事の関係で、西川きよし師匠のあとに僕らという、ふだんではありえない出番順でやったことがありました。ちょうどコロナで無観客のときで、きよし師匠は、ふだんやったらエピソードトークをしたあと、バーンとウケて帰りはるらしいんですけど、無観客やったからか、たぶん終わり方がわからんくなってもうて……。
中谷 お前さ……そんなわけないやろ! 何年やってると思ってんねん。
西村 終わり方わからんわけない(笑)。
阪本 「さすがに終わるやろ」と思っても「それから~」と続いて、10分出番のところ20分やってました。結局、その後の仕事にもちょっと遅れてしまったらしくて。
中谷 これは笑わんほうがいいやつ?
阪本 これは笑っていい。
──(笑)
西村 きよし師匠って、NGKに入るとき、必ず目が合った人に「これでなんか飲んでください。今日もよろしく!」って100円を渡していくんですよ。僕もNGKに入ったときにいただいたんですけど、トイレに行って戻ってきたら、また100円もらいました。
──(笑)
西村 まったく覚えられてない。きよし師匠にはまだ認められてないです(笑)。
阪本 これは笑ってええの?
西村 ……絶対ダメです。
中谷 なんでやねん!
──(笑)。そのほか、ありますか?
中谷 NSC(吉本総合芸能学院)のとき、NGKで、今いくよ・くるよ師匠がネタ合わせをされていたのを見たんですけど、顔スレスレの距離でネタ合わせされてました。“近っ!”って(笑)。
きょん 矢野・兵動の矢野(勝也)パイセンは、全芸人のなかで、スタッフさんへのあいさつがいちばん丁寧だなと思います。誰よりも腰が低いので、僕も見習いたいです。
西村 あの姿、いいよな~。
きょん コットンの2人とも、矢野パイセンが好きなんですけど、矢野パイセンって漫才の登場のときに「(ダブルピースで)やった~!」って言いながらサンパチマイクまで行くんですよ。最近、相方がいろんなところで僕に「矢野パイセン登場」をさせようとするんです。この間、ついに『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でもそれをやりました。「今日の演者を発表いたします。コッ……」と呼び出される直前で、耳元で「矢野パイセン」って言われて……お前あれやめろよ!
西村 めでたいじゃない。
中谷 なにがめでたいねん(笑)。
THE・吉本を味わってもらえるいい機会
──マユリカさんが先輩、コットンさんが後輩ですが、2組はどんな関係性なんでしょうか?
中谷 僕らが大阪にいたときから分け隔てなくしゃべりかけてくれたのが、コットンですね。2人は年上なんですけど、後輩感がすごくあります。
阪本 きょんとマルセイユの別府(貴之)さん、ニッポンの社長のケツと4人で「バーレスク東京(現ROKUSAN ANGEL)」に行く約束をしてますね。
中谷 メンツきちゃな~。
きょん (笑)。バーレスク用のLINEグループがありますもんね。
阪本 「今日どうですか?」って12回くらいトライしたんですけど、全然スケジュールが合わなくて1回も行けてないです。
きょん いつか行けたときに、また対談させてください!
西村 あとオレ、中谷さんに何回チューされたかわからん……。
中谷 えー。してないよ!
きょん あなたはするよ! さっきも本社の入口でマユリカさんと一緒になったとき、阪本さんのわけわからない指示で、中谷さんが急に「んー!」ってチューをしてきました。人もいたんだからやめてね!(笑)
中谷 もしやったとしても、それは単純に後輩として可愛いからやってもうてるだけ。ワンちゃんをなでてるときと一緒やから。
──(笑)。最後に『東京グランド花月』の魅力をアピールするべくメッセージをお願いします!
中谷 最初に見る舞台としてはむちゃくちゃいいと思います。入門編というか、「生の笑いってこういう感じなんや」ってわかりますし、THE・吉本を味わってもらえるいい機会だと思います。
西村 自分で言うのもなんですけど、6000~7000人いる吉本芸人のなかでも、選りすぐりのメンバーで、本当にベストアルバムみたいなイベントです。おそらく日本最高峰のお笑いなので、ぜひ見に来ていただきたいです。
阪本 メンバー的に面白さの賛否が分かれるようなコンビはいないんで、見やすいと思います。むっちゃいいメンバーだと思います。
きょん 僕がお客さんだったら一発目にこのライブを見に行くなって思います。完全なる全国区の方々もいて、僕らのようなまだまだの芸人もいる。皆さんには僕たちのことを知っていただけたら嬉しいですし、「コットン面白かった」と言ってもらえるように頑張りたいです。
文・写真=浜瀬将樹
「東京グランド花月」公式サイトはこちらから。
公演概要
東京グランド花月
開催日程:2024年2月4日(火)~9日(日)
会場:IMM THEATER
(東京都文京区後楽1丁目3-53)
主催・企画・制作:吉本興業株式会社
▼2月4日(火)
①14:30開場/15:00開演/17:00終演
②18:00開場/18:30開演/20:30終演
出演:西川のりお・上方よしお、トータルテンボス、囲碁将棋、チョコレートプラネット、オズワルド、さや香、ミキ
▼2月5日(水)
①14:30開場/15:00開演/17:00終演
②18:00開場/18:30開演/20:30終演
出演:桂文珍、チュートリアル、麒麟(①のみ)、銀シャリ、ロングコートダディ、紅しょうが ほか
▼2月6日(木)
①14:30開場/15:00開演/17:00終演
②18:00開場/18:30開演/20:30終演
出演:中田カウス 漫才のDENDO、博多華丸・大吉、笑い飯、ガクテンソク、すゑひろがりず、マヂカルラブリー、インディアンス
▼2月7日(金)
①14:30開場/15:00開演/17:00終演
②18:00開場/18:30開演/20:30終演
出演:フットボールアワー、NON STYLE、サルゴリラ、アインシュタイン、ミルクボーイ、EXIT ほか
▼2月8日(土)
①09:30開場/10:00開演/12:00終演
②13:00開場/13:30開演/15:30終演
③16:30開場/17:00開演/19:00終演
出演:中川家、テンダラー、とろサーモン、トレンディエンジェル、見取り図(①②のみ)、ビスケットブラザーズ、エバース(③のみ)、令和ロマン
▼2月9日(日)
①09:30開場/10:00開演/12:00終演
②12:30開場/13:00開演/15:00終演
③16:30開場/17:00開演/19:00終演
出演:タカアンドトシ、パンクブーブー、ニューヨーク(②③のみ)、コットン、マユリカ(①②のみ) ほか
<吉本新喜劇>※全公演共通
座長:吉田裕
辻本茂雄、未知やすえ、西川忠志、千葉公平、平山昌雄、諸見里大介、小寺真理、ほか
【チケット情報】
料金:指定席 前売5,500円/当日6,000円
プレイガイド:FANYチケット、ローソンチケット、チケットぴあ
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