南城市を舞台に、アートと暮らしが融合する特別な祭典『しまじりアートフェスティバル』

2025年2月8日(土)より、沖縄県南城市にて新たな芸術祭 『しまじりアートフェスティバル2025 – YAF POP UP in Nanjo -』 が開催されています。

出典: FANY マガジン
写真:仲程長治

本フェスティバルのディレクターを務めるのは、画家・デザイナー・ミクストメディアアーティストであり、「玉城食堂」のオーナーシェフでもある梅原龍氏。今回のフェスティバルのテーマは 「沖縄での暮らしの提案」。主に南城市を拠点に活動するアーティスト、飲食店、さらにはミュージシャンたちとともに、沖縄の文化やライフスタイルの新たな魅力を発信しています。

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しまじりアートフェスティバルポスタービジュアル

次世代アーティストとの共創、アートとカルチャーを結びつける新しい試み

梅原氏は、沖縄の温暖な気候と人々にひかれ移住。アートフェスティバルは、参加はあっても、開催に携わるのは初めてで、沖縄の辺境から文化を発信したいと考えていたところ、本フェスティバルのディレクターを任されました。彼は「世界に発信するよりも、そこに行けばカルチャーに出会える場所を作りたい」と語ります。

今回集めたのは、強いエネルギーと密度の濃い作品を生み出すアーティストたち。若い世代にも共感してもらえるよう、食や洋服、Podcast、YouTubeを絡め、次世代のアーティストと共に成長していくことを目指しています。

南城市内の6つの会場で、建物に合わせた作品が展示され、アートと空間の調和を楽しめる構成。梅原氏は「作品を眺めるだけで、何か感じ取れるはず」と話します。さらに、展示会場を巡るドライブ中に自然や景観を楽しみながら、アートの感想を語り合うことも魅力のひとつだと述べています。

子どもたちの夢を育む作品展示とアート体験「南城市文化センター シュガーホール」

出典: FANY マガジン

南城市文化センター「シュガーホール」は、1994年に開館した音楽と舞台芸術のための施設です。市民や訪れる人々が芸術に触れ、創造的な活動に参加できる場として親しまれています。特に、子どもたちの夢を育む場として、芸術・文化の輝きを高め、教育・文化の振興を推進する南城市のシンボル的存在となっています。

建物は、建築家・真喜志好一氏の設計により、1996年度の日本建築学会作品選奨を受賞しました。自然との調和が取れた音楽専用ホールとして設計されており、沖縄ならではの魅力を放っています。

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紅型雑貨 虹亀商店「琉球あんどん」

会場には、紅型雑貨 虹亀商店の琉球あんどんや、ITOMAME YAの可愛らしいぬいぐるみが並び、華やかな雰囲気を演出します。また、「子どもたちの夢を育む場」として、南城市の小学生から高校生の有志が制作した作品も展示されています。

さらに、ホールの裏手には干潟が広がっており、珊瑚舎スコーレが手がけた体験型アートも楽しめます。このアートは、実際に干潟へ足を運び、自然を感じながら体感できる仕掛けとなっているのでぜひ、自分の目で確かめ、特別な体験をお楽しみください。

美しい海を望む、自然と調和した崖の上の空間「Y邸」

出典: FANY マガジン

沖縄県南城市、斎場御嶽にほど近い崖の上にたたずむ個人宅、Y邸。光と風を巧みに取り込み、自然とのつながりを感じさせる空間が広がります。目の前には、日常の喧騒を忘れさせるほど美しい海が広がり、室内には個性豊かなチェアが並びます。家具、照明、タイル、アートは、世界中から独自の視点でセレクトされています。ショールームでは、専属のコーディネーターがキッチンを中心に住宅全体のインテリアをトータルで提案しています。

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また、離れには遊びと仕事を楽しむためのガレージオフィスも併設されています。ここでは、海や空の青と調和する作品を鑑賞したり、積み木を使って建築家の思考や感情のプロセスを体験したりすることができます。

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自然に包まれたモロッカンスタイルの癒しの空間「Riad Lamp」

「Riad Lamp」は、自然の抱擁に包まれた、わずか5部屋のみのモロッカンスタイルのホテルです。オーナー夫妻のこだわりが詰まったそのたたずまいは、まるで日本とは思えないほど独特で、癒しの空間としてまさにアートです。都会の喧騒を離れ、自然の美しさと贅沢な静寂に浸ることができる特別な場所。ここでしか味わえない、究極の癒しと五感を満たす特別な滞在が楽しめます。

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ホテル内には、今村能章の立体作品がホテルのインテリアと調和して展示され、屋上ではディレクターの梅原氏が旅で得たインスピレーションを作品として表現しています。作品の背後には広大な青い海が広がり、アートと自然が織りなす美しいコントラストを堪能できます。

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梅原龍「馴染むまで触れず」「しじま」「海を渡る線について」

世界遺産の聖地に抱かれた穏やかな空間「南城美術館」

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南城美術館は、沖縄本島南部・南城市知念にある私設美術館です。世界遺産にも登録されている琉球王国最高の聖地「斎場御嶽」の背後に広がる深い森に抱かれるようにたたずみ、「美は生活の中、暮らしの中に存在する」 という美術館のコンセプトをそのまま体現した空間となっています。

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作品は、美術館に併設された「伴山カフェ」の2階に展示されており、キャンバスいっぱいに描かれた油彩画や、華やかな紅型をはじめ、繊細な作品や独創的なアートなど、多彩な表現の作品が並び、アートの魅力を存分に楽しめる空間です。

お茶と共に楽しむ、絵とたたずむむ新しい展示スタイル「mui たびと風のうつわ」

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そのほか、沖縄の建築家・五十嵐敏恭が設計した、わずか4室のみの宿「mui たびと風のうつわ」。4棟の宿泊棟を縫うように広がる共有空間には、心地よい風が通り抜けます。

こちらの会場では、絵画やビオトープの作品が展示されており、「絵を見に行く」のではなく、お茶を楽しむなかで「たたずむ絵と共に過ごす」という展示スタイルを大切にしています。流れる風や移り変わる光とともに、アートが織りなす特別な空間をお楽しみください。

リノベーションされた公民館で楽しむ、広々キッチンの食体験「玉城食堂」

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また、梅原氏がオーナーを務める「玉城食堂」は、玉城公民館をリノベーションした場所です。キッチンは広々とした7メートルの大きさで、複数人でワイワイ楽しむにはぴったりな空間。こちらのギャラリースペースでは、アクセサリーや人気作家の宮城陶器の器の展示販売のほか、アイタル食堂とのコラボやドイツ製法によるハム&ソーセージ専門店TESIOによる豚丸焼きイベントなど、さまざまな催しが目白押しです。アートで心を満たした後は、ここでお腹も満たしてみては。心もお腹も満たされる特別なひとときをお楽しみください。

出典: FANY マガジン

南城市という特別な場所に新たな文化の波をもたらし、アートと沖縄の魅力が見事に融合した一大イベント。梅原氏が描く「カルチャーに出合える場所」として、参加者はアートと自然の共鳴を体験し、沖縄の新しい一面を発見できることでしょう。芸術と暮らしが交差するこのフェスティバルを通じて、さらに多くの人々が南城市の魅力に触れ、心に残る特別な瞬間を味わえることを期待しています。

開催概要

しまじりアートフェスティバル2025 -YAF POP UP in Nanjo-
主催:南城CONY共同事業体/やんばるアートフェスティバル実行委員会
共催:南城市/南城市教育委員会
開催日程:
2月08日(土)
2月09日(日)
2月11日(火・祝)
2月15日(土)
2月16日(日)
2月22日(土)
2月23日(日)
2月24日(月・祝)
会場:南城市文化センターシュガーホール / 玉城食堂 / Riad Lamp /mui たびと風のうつわ / 南城美術館 / Y邸 / その他
ディレクター:梅原 龍 (玉城食堂・画家)
内容:アート、クラフト、建築、植物、音楽、飲食

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