堺市を中心に活動している「堺少女歌劇団」の11回目となる公演「シャーロック・ホームズの末裔」が、5月18日(日)に大阪・フェニーチェ堺で開催されました。今回はミュージカルとショーの2部構成で、小学校1年から中学3年までの少女で構成されたメンバーたちがステージを躍動! 日ごろのレッスンの成果を存分に披露し、大きな拍手を浴びました。

名探偵の末裔たちが大活躍するミュージカル
「堺少女歌劇団」は、戦前に堺市大浜に存在した歌劇団を再始動させ、エンターテインメントによって堺市の活性化を図ろうというプロジェクト。2015年の第1回以降、古典劇を現代風にアレンジするなど、オリジナルの公演を行ってきました。
第1部は、ミュージカルの「シャーロック・ホームズの末裔〜ヒトは四姉妹(彼女たち)を名探偵(スルース)と呼ぶ〜」。この作品は、吉本新喜劇などの脚本を長年手掛ける玉井聡司が創作・監修、中島岳が作曲・音楽監督をつとめ、歌劇団のクリエイティブプロデューサーである、元タカラジェンヌで元吉本新喜劇団員の仙堂花歩がプロデュースを担当。19人のメンバーが歌って踊る、見どころたっぷりのミュージカルに仕上げられています。

舞台はネオ・オオサカ。ここにやってきた3姉妹は、実は名探偵シャーロック・ホームズの末裔という設定です。自分たちの身の上を隠して暮らす3姉妹は、ネオ・オオサカでの日々を過ごすうち、ある事件に巻き込まれ……というストーリー。
街を思いのままにしようとする大きな力を阻止するため、3姉妹を含め、メンバー全員がさまざまな衣装に身を包み、ひたむきなダンスと伸びやかな歌で観客をストーリーに引き込んでいきます。友情や絆、夢など、人が生きていくうえで大切なことを盛り込んだ物語をしっかりと堪能させてくれました。

大人の雰囲気を感じさせるダンスも
第2部はショーの「soaring beyond Borders」。ステージから元気を与えてくれる「Singing for you」で幕開けです。シャープなダンスが大人な雰囲気を感じさせる「Bop Bop!/VIVIZ」、スケールの大きな緩やかなダンスが印象的な「Bluebird」など、第1部とはまた違った歌劇団の魅力を伝えてくれます。
そこから美しいハーモニーを聴かせる「夢から醒めた夢〜二人の世界」、素晴らしい歌声で圧倒する「カルメン〜もしも叶うなら」、雰囲気を一変してストリートの匂いを感じさせる「HRYW」、迫力のあるダンスの「MEOW」、華やかな衣装が目を引く「Sleuth 見つけ出す真実」、そしてラストは再び「Singing for you」でメンバー全員がステージへ。メンバーの挨拶でステージは幕を下ろしました。


「これからも子どもたちの夢を叶えていく」
今回の公演について、プロデューサーの仙堂はこう話します。
「第1部のミュージカルについては、約半年間稽古をしました。難しい言葉も多く、長台詞を持っている子もいて、覚えるのが大変だったと思います。ミュージカルはメインとアンサンブルに分かれがちですが、みんなが活躍できるよう、1人ずつの機会を多くしました。やりがいがあるぶん、大変だったと思います」
第2部のショーについては「いつもより大人っぽく仕上げた」とのこと。歌劇団立ち上げ時の「堺から世界へ」というコンセプトに立ち返り、「ここから世界へ飛び立てるように、あえてハードルを高くした」といいます。
そして、卒団生がさまざまなジャンルで活躍していること、声楽コンクールで日本一になった在団生がいることなどに触れながら、「活躍の幅の広さが、世界的になってきています」と胸を張りました。

「なんとか11年走ってきました。とにかく継続は力なりです」
最後に仙堂はこう語ると、「山あり谷ありですが、続けられる限り、自分に与えられた使命をしっかりと果たして、子どもたちの夢を叶えていけたら」と力を込めました。