“怪談芸人”好井まさおの「怖い話」迫真の朗読で恐怖体験! 厳選の5本に「演出も怖くて、音も怖かった」

“怪談芸人”好井まさおによる怪読劇『怪談の語り場』が7月26日(土)、27日(日)の2日間、東京・浅草九劇で開催されました。好井がYouTubeチャンネル「好井まさおの怪談を浴びる会」で語った実体験から、本当に怖いと思った5つの話を厳選して、オムニバス形式でお届けする朗読劇。今回は初日14:00からの初回公演をレポート! 小川菜摘、横山由依、天宮良、川谷修士(2丁拳銃)らの朗読によるコミカルな会話のやりとりから“恐怖のオチ”に会場は静寂に包まれ……。アフタートークにはゲストとして椿鬼奴も登場して、自身の“怪談エピソード”を披露しました。

出典: FANY マガジン
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久馬、マンボウやしろ、石田明の“恐怖脚本”

今回の朗読劇は、脚本をお~い!久馬(ザ・プラン9)、マンボウやしろ、石田明(NON STYLE)が、演出を久馬が担当。小川菜摘、横山由依、川谷修士(2丁拳銃)、天宮良が朗読役を務めました。

音楽と音効を担当する吉田能による恐怖心を掻き立てられるような不穏なピアノ演奏のなか、小川、横山、川谷、天宮が登壇。まとっている白い衣装をスクリーン代わりに、黒字のライブタイトルが映し出されます。

出典: FANY マガジン
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朗読された怪談は「白い箱」(脚本:マンボウやしろ)、「黒い影」(脚本:石田明)、「黄色のパーカー」(脚本:お~い!久馬)、「もも色のマーメイド」(脚本:お~い!久馬)、「緑色のストライプ」(脚本:お~い!久馬)の全5本。初回公演では、「白い箱」「黒い影」「黄色のパーカー」の3本が披露されました。

「白い箱」は、住居の水道トラブルに困っていたナナ(小川)が、友人のカオリ(横山)のマンションに身を寄せたところから始まるお話。カオリの隣人であるケンタを天宮が、途中の描写で出てくる人物を川谷が演じます。幽霊などよりも実は人間がいちばん怖いという「ヒトコワ話」に属する1本です。

出典: FANY マガジン
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基本は小川と横山の2人が椅子に座って台本を読みながら会話を掛け合わせていきますが、突如、現れる天宮は下手から登場して立ったままで朗読するなど、身体描写も盛り込んだ、物語に没入できる演出が盛りだくさん。

友人同士である小川と横山の気遣いあふれる会話はもちろんのこと、天宮の少し弾んだトーンの声色が、ケンタの不気味さをいっそう際立たせていました。

横山の「滑舌悪い」キャラは小川のアドバイス

「黒い影」は、好井本人(川谷)と姉(横山)が体験した実母(小川)にまつわる不思議な実体験です。

年齢関係なく演じられるのが朗読劇のよさのひとつですが、川谷は関西人の横山とともに関西弁で姉弟らしい遠慮のないやりとりを繰り広げ、天宮は子どもっぽい声色で幼い甥のしょうたを演じます。

物語により臨場感を与えていたのが、吉田による音効。たくあんをかじる音は商店街で購入したごぼうの漬物、ペンチを鳴らす音はカスタネットと、身のまわりにある小道具を使ったリアリティある音響によって怖さを際立たせていました。

出典: FANY マガジン
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「黄色のパーカー」も、好井の実体験をもとにしたお話。好井(川谷)と先輩(天宮)が、好井の同期である女性芸人(横山)の住む共同アパートを訪れた際に起きたヒトコワ話です。

芸人の物語らしく、3人のコミカルな会話のやりとりに笑い声が絶えませんでしたが、最後に一転。一歩間違えていたらどうなっていたかわからないというおぞましいオチに、客席は静寂に包まれました。

物語の最中は、滑舌の悪い特徴的な喋り方をする横山の朗読ぶりに、客席は終始笑いっぱなし。アフタートークで明かされたところでは、この喋り方は小川の提案によるものだったそう。

あまりの面白さに、天宮も朗読中に「笑いを堪えてました」と明かすと、横山は「人生で初めての役柄。嬉しかったですね、笑ってくれる方もいらっしゃって」と笑顔を見せました。

ゲストの鬼奴が明かした怪奇体験とは…

アフタートークには、ゲストとして椿鬼奴も登場。朗読の感想を聞かれると、「怖いですよね。演出も怖くて、音も怖かった」と肩をすくめます。

MCのタケトから「奴ちゃんの怪談話も聞きたくないですか?」と促されると、鬼奴が話し始めたのは漫画雑誌の取材でのできごと。

出典: FANY マガジン
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「漫画のネタになるような怖い話を教えてほしい」と言われた鬼奴は、思い当たる話がないながらも、気になっていた「虫にまとわりつかれがち」だという話をしたところ、前世が見えるライターさんに「前世は虫遣いです」と言われたそう。

「あなたを守るために、右肩に松ヤニが塗られているから虫が寄ってくる」と説明されたことを語ると、客席は笑いに包まれました。

さらに、鬼奴の母が不眠に悩んでいることを相談した「霊視芸人」のシークエンスはやともが、実父と一緒に自宅を訪れたエピソードも披露。「置いてあったこけしのせいで眠れないから、居間に置き換えたらいいですよ」とアドバイスされて、実践したところ本当に眠れるようになったそうです。ほかの公演のゲストには、原田龍二、デニス(植野行雄、松下宣夫)、好井まさおが出演しました。

出典: FANY マガジン
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チケットは4公演すべて満員となりました。おどろおどろしい雰囲気がありながらも笑いも多い1時間半で、怪談とお笑いの両方の要素を楽しむことができました。

エンディングでは、タケトが「好井のYouTubeと照らし合わせてみてくださいね」と呼びかけ。朗読者、脚本、音効などが混じり合って、物語の世界観に深い奥行きを感じさせた朗読劇に、客席から大きな拍手が響いていました。


YouTubeチャンネル「好井まさおの怪談を浴びる会」:https://www.youtube.com/@yoshii-abirukai

公演日程

7月26日(土)14:00 
公演演目:白い箱・黄色のパーカー・黒い影
アフタートークゲスト:椿鬼奴

7月26日(土)18:00
公演演目:白い箱・もも色のマーメイド・黒い影
アフタートークゲスト:原田龍二

7月27日(日)12:00
公演演目:白い箱・緑色のストライプ・黒い影
アフタートークゲスト:デニス(植野行雄、松下宣夫)

7月27日(日)16:00
公演演目:白い箱・黄色のパーカー・黒い影
アフタートークゲスト:好井まさお


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