「バス停が真ん前すぎる」…最後はRGが「祇園花月あるある」熱唱! 14年間の感謝を込めて「よしもと祇園花月」が閉館

京都の常設劇場として14年間、笑いを届けた「よしもと祇園花月」が、8月18日(月)をもって閉館しました。最終日は、「大千秋楽」と題した3公演からラストのレイザーラモン・RGによる“あるある”イベントまで、人気芸人が大集結! これまで祇園花月で数々の舞台に立ってきた芸人たちが、ネタやコーナーで最後まで全力で劇場を盛り上げました。

出典: FANY マガジン
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「14年間、愛していただいてありがとうございます!」

「よしもと祇園花月」は、京都で24年ぶりの常設劇場として2011年7月にオープン。若手からベテランまで多彩な出演者による漫才・落語・諸芸や、京都オリジナルの新喜劇を届けてきました。

今年5月19日に閉館を発表してからは、14年間の感謝を込めて、過去の人気公演や特別公演を開催してきました。連日大盛況となり、最終日の4公演もすべて完売に。長らくファンに愛されてきた劇場の最後を見届けようと集まった観客は、外観や舞台、寄せ書きパネルを写真に収めながら、それぞれの思いを胸に開演を待ちます。

出典: FANY マガジン
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寄席公演のすべてのMCを務めるのは、祇園花月の名仕切りであるザ・プラン9の浅越ゴエ。

「いよいよ最後日です! 14年間、愛していただいてありがとうございます!」

客席に手を振りながら感謝を伝えたゴエは、「今日、初めて祇園花月に来た人?」と問いかけると、手を挙げたお客さんに「なんでいままで来てくれなかったんですか!」と詰め寄って笑いを起こす一幕も。全員での「大千秋楽スタート!」のコールとともに、最後の1日がスタートしました。

最後の“いそゲー”はブリーフ1枚でズッコケまくり

13組が出演した1公演目のトップバッターは、2025年のTHE SECOND王者のツートライブ。「5分時間厳守でバシっとやります!」と京都府出身の周平魂は気合十分。THE SECONDで3本目にする予定だったNGネタを「大千秋楽やから!」と特別に披露し、生の舞台ならではの際どさで沸かせました。

祇園・木﨑太郎は、登場すると花道から客席に降りて、前列のお客さんとハイタッチ! いつにも増して大きな拍手で歓迎された木﨑は満足気です。

劇場公式YouTubeで「キム兄の祇園花月合間メシ」を更新してきた木村祐一は、寄席3公演すべてに出演。楽屋のすり減った畳や舞台袖の様子など、劇場の舞台裏がわかるレアな写真を公開し、ファンを楽しませました。

そして、ネタに続けて行われたのが、35年以上の歴史を誇る「いそべのゲームワールド」。まるむし商店・磯部公彦が仕切る伝説のこのコーナーは、祇園花月を盛り上げてきたコンテンツのひとつです。

スマイル・瀬戸洋祐が「35年間ゲームをつくり続けてきた男!」と磯部を紹介すると、さっそく「ピッ!」と笛を鳴らしてゲームを始めようとする磯部に、「早い! 早い!」とみんなで総ツッコミ。

いままで“いそゲー”に鍛えられてきた「スマイル&祇園」vs東京勢の「9番街レトロ&ダイタク」の対決は、「パチパチセブン」や「しりとりジェスチャー」といったおなじみのゲームで大盛り上がりとなりました。

最後は、「千秋楽にふさわしいゲームです!」という磯部イチオシの「パンツでJAPAN」で、ブリーフを履いてズッコケまくる8人にお客さんは大爆笑でした!

出典: FANY マガジン
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【1公演目・出演者】
まるむし商店(東村雅夫、磯部公彦)/木村祐一/COWCOW(多田健二、善し)/スーパーマラドーナ(田中一彦、武智)/スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)/Dr.ハインリッヒ(幸、彩)/タナからイケダ(田邊孟徳、池田周平)/祇園(木﨑太郎、櫻井健一朗)/金属バット(小林圭輔、友保隼平)/ツートライブ(たかのり、周平魂)/ダイタク(吉本大、吉本拓)/ミキ(昴生、亜生)/9番街レトロ(京極風斗、なかむらしゅん)

「大晦日に1年を振り返って思い出すのは今日」

4公演中、いちばんチケット倍率が高かった2公演目には、総勢16組の人気芸人が出演しました。

黒帯・大西進が本番直前に出られなくなり、てらうちがピン芸で出演するというハプニングがありつつも、暖かいお客さんの拍手と声援のもと、てらうちは30分で仕上げたピンネタを見事にやり切り、観客から拍手喝采! 前後に登場したカベポスターや金属バットから応援コメントもあり、芸人と観客が一体となって劇場を盛り上げていました。

14年前のこけら落とし公演と同じネタで締めくくったスーパーマラドーナ、2カ月に1回、祇園花月でトークライブを開催してきたミキらが次々と爆笑ネタを披露。テンダラー・浜本広晃は「大晦日に1年を振り返ったときに思い出すのは今日でしょう。14年前は1列しか埋まってなかった日もあったのに……」と満席の会場を見渡してしみじみとしていました。

【2公演目・出演者】
木村祐一/矢野・兵動(矢野勝也、兵動大樹)/COWCOW(多田健二、善し)/テンダラー(白川悟実、浜本広晃)/スーパーマラドーナ(田中一彦、武智)/スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)/ミルクボーイ(駒場孝、内海崇)/Dr.ハインリッヒ(幸、彩)/祇園(木﨑太郎、櫻井健一朗)/金属バット(小林圭輔、友保隼平)/ダイタク(吉本大、吉本拓)/ミキ(昴生、亜生)/黒帯(大西進、てらうち)※大西は休演/カベポスター(浜田順平、永見大吾)/ダブルヒガシ(大東翔生、東良介)/9番街レトロ(京極風斗、なかむらしゅん)

大喜利戦士たちが挑む「最後で最高の爆笑」

最後の寄席となった3公演目には14組が出演し、MCの浅越ゴエもザ・プラン9として登場。スーツ姿の6人で“残像”を躍動感たっぷりに表現して笑いを起こしました。安定感のある漫才で笑わせたハイヒールは、漫才中に「こんな満席になるなら(チケット代)1万にしたらいいのに!」とリンゴがぼやきます。

そして、大トリを飾ったのは矢野・兵動。「スベって終われないから、笑うところは合図出すから!」という2人でしたが、京都の想い出をネタに盛り込み、大爆笑の連続に。最後はサンパチマイクに触れ、お礼を伝えて締めくくりました。

3公演目の最後には、木村祐一が仕切るスペシャルな大喜利コーナーも。出演は、矢野・兵動の兵動大樹、ザ・プラン9のお~い!久馬、モンスターエンジン・西森洋一、藤崎マーケット・トキ、カベポスター・永見大吾といった屈指の大喜利戦士たちです。

もっとも、「最後にして最高の爆笑を!」とハードルを上げまくる木村に、「こわいです!」と5人はタジタジ。「外国人観光客が京都で驚いたことは」など京都らしいお題が飛び出すなか、木村からのイレギュラーな“京都人豆知識クイズ”に白熱する場面もありました。

出典: FANY マガジン
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祇園花月をテーマにした数え歌では、みんなでここぞとばかりに、「雨漏り」など祇園花月の“ボロ具合”をイジり倒しますが、いつしか「風情があってよい建物」「いつかは復帰してほしい」「ここにしかない良さがある」と褒める流れに。最後は、「とうとう明日燃やします」という西森の爆笑回答で終了! 見事MVPに選ばれた西森に、金一封が送られました。

【3公演目・出演者】
ハイヒール(リンゴ、モモコ)/木村祐一/矢野・兵動(矢野勝也、兵動大樹)/COWCOW(多田健二、善し)/テンダラー(白川悟実、浜本広晃)/ザ・プラン9(お~い!久馬、浅越ゴエ、ヤナギブソン、コヴァンサン、きょうくん、爆ノ介)/レイザーラモン(HG、RG)/ギャロップ(林健、毛利大亮)/モンスターエンジン(西森洋一、大林健二)/アキナ(山名文和、秋山賢太)/藤崎マーケット(田崎佑一、トキ)/ミキ(昴生、亜生)/黒帯(大西進、てらうち)※大西は休演/カベポスター(浜田順平、永見大吾)

「ギャロップ林あるある」でRGが笑い崩れる!

大千秋楽のフィナーレを飾るのは、レイザーラモン・RGによる『RGが90分あるあるを歌い続け、 最後にみんなで祇園花月あるあるを言い続ける会。今まで本当にありがとう!!!』。数々の“名あるある”を披露してきた名物企画のスペシャルバージョンです。

開演前には、“あるある”のお題をリクエストできる“ペン付きホワイトボード仕様”のうちわを無料配布。さらに武将様(ミサイルマン・岩部)手作りの26種類の「戦国あるあるうちわ」が500円で販売されました。舞台上では、袖パネルに過去のイベントフライヤーが並び、あるあるイベントの名場面がモニターに映し出されるなど、ファン心をくすぐる仕掛けがいっぱい!

出典: FANY マガジン
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「祇園花月最後は、あるある言いまくって終わろうかー!」

西川きよしに扮したレイザーラモンRGが「TOKIO/LONE YOU ONLY」を歌いながら登場すると、早くもコール&レスポンスが巻き起こり、熱狂の中でイベントがスタートします。

お客さんから募ったお題のあるあるを考えるのは、ザ・プラン9(お~い!久馬、浅越ゴエ、ヤナギブソン、コヴァンサン、きょうくん、爆ノ介)、レイザーラモンHG、ギャロップ(林健、毛利大亮)、ミサイルマン・岩部彰、モンスターエンジン(西森洋一、大林健二)、アキナ(山名文和、秋山賢太)、もりやすバンバンビガロ、藤崎マーケット(田崎佑一、トキ)、ミキ(昴生、亜生)です。

出典: FANY マガジン
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RGが「ツートライブたかのりあるある」「スマイル工務店あるある」など芸人にまつわるお題を中心に選ぶと、回答者のペンが止まりません。大量のあるあるを必死に歌にのせていくRG。即興で歌詞とリンクさせていく技はさすがの一言です。

「ビートたけし/浅草キッド」にのせて歌った「ギャロップ林あるある」では、RGが笑いくずれて歌えなくなる場面もあり、この日一番の笑いで会場が揺れました。

そんなRGがノドを休めている間には、藤崎マーケットによる「おるおるモノマネ」vs.武将様とゴエ爺による「戦国おるおる模写」対決が爆笑を生みました。

最後は怒涛の祇園花月あるあるが誕生

最後のお題は、もちろん「祇園花月あるある」! 『We Are The World』にのせて、「バス停が真ん前すぎる」「舞台上に上がる階段で頭打ちがち」「コロラドのコーヒー濃すぎ」など何個でも出てくるあるあるに、もりやすバンバンビガロのジャグリングも組み合わせたシュールな絵が笑いを増幅させ、芸人もお腹をかかえて笑い転げます。

出典: FANY マガジン
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RGが締めくくりに、西川きよしのモノマネで「吉本は劇場つぶれがちやから、つぶれても次から次にコツコツといろんなところに(劇場が)できるので、これかららもよろしくお願いします!」と挨拶すると、会場から大きな拍手が。

終演するとステージには「ありがとう祇園花月」の文字が浮かび上がり、来場者は祇園花月の思い出とともに余韻にひたりました。

出典: FANY マガジン
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