明石家さんまが企画・プロデュースを務めた劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』が「第46回報知映画賞」のアニメ作品賞を受賞しました。その表彰式が12月16日(木)にザ・プリンスパークタワー東京で行われ、渡辺歩監督と主人公の肉子ちゃんを演じた大竹しのぶが登壇し、それぞれ受賞の喜びを語りました。
渡辺監督『ささやかな物語に光が当たった』
報知映画賞は報知新聞社が主催する映画賞です。スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として1976年に誕生した同賞は、日本国内の主要な映画賞の中でも最も早く発表されることから、その年の映画賞レースの行方を占う意味でも、大きな注目を集めています。
今回『漁港の肉子ちゃん』は、『えんとつ町のプペル』『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』『竜とそばかすの姫』他、11作品がノミネートされた中での受賞。さんまは受賞の報を受けた際、「憧れていた報知映画賞。どうしても欲しかったので、頑張った甲斐がありました」と喜びを語りました。
受賞式では、渡辺監督と大竹が揃ってステージに上がり、賞状、賞金、ブロンズ像などを受け取ります。
渡辺監督は受賞スピーチで「いまだに半信半疑でここに来た。信じられない」と率直な思いを吐露。受賞については、「この『漁港の肉子ちゃん』をたくさんのアニメ作品の中から見つけてくださったことがまず嬉しい。ささやかな物語に光が当たった。一生懸命アニメをつくる世界の一人として、アニメーションが盛り上がっていく中での一助に少しでもなれたらなと思います」と喜びを語りました。
大竹しのぶが30年前の思い出話を披露
一方の大竹はスピーチで、さんまとの30年以上前の思い出を振り返ります。
「30年以上前にプライベートのパートナーだった時に、『いつか映画をつくりたいんだ』ということをチラっといっていて、『そんなこと、できるわけないのにな』なんて思っていたんですけども、その夢が叶えられたことは凄いと思います」
また、続けて撮影現場でのさんまのエピソードも暴露。
「現場でも本当に細かくて無謀な指示を言っていて、監督は凄く困ったと思います。アニメーションでは考えられないような、カットとカットの間に『ヒーッ』っていう笑い声を入れてくれとか。それ編集でどうなんだろうと思うような指示をたくさんしていました」
これには壇上の渡辺監督も、思い出し笑いを見せていました。
また、大竹は最後にさんまからの伝言を話します。
「今回こんな賞をいただけて『なんか言うことはない?』と一応聞いてきました。そしたら『明日から報知新聞を取るということと、とにかく俺を褒めといてくれ』ということだった(笑)。まあ夢を叶えたということで褒めてあげようかなと思います」
さんまらしい喜びのメッセージを大竹が伝えて、会場は大きな笑いに包まれていました。
作品概要
映画『漁港の肉子ちゃん』
企画・プロデュース:明石家さんま
出演:大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹、中村育二、石井いづみ、山西惇、八十田勇一、下野紘、マツコ・デラックス、吉岡里帆
原作:西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫 刊)
監督:渡辺 歩
キャラクターデザイン・総作画監督:小西賢一
美術監督:木村真二
脚本: 大島里美
音楽:村松崇継
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:武部聡志 サウンドプロデュース:GReeeeN (よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:アスミック・エース
製作:吉本興業株式会社