NTTパビリオンで『IOWN』を体験! 漫才をリアル3D空間伝送で見られる時代がすぐそこに【ネイビーズアフロみながわの『大阪・関西万博大解剖』vol.4】

ネイビーズアフロみながわの『大阪・関西万博』大解剖

気象予報士の資格を取得した大阪よしもときっての“インテリ芸人”ネイビーズアフロみながわと芸人ライター・茜250ccの善家カズマサがタッグを組み、大阪・関西万博の魅力や気になるところをお伝えいたします!

気象予報士の資格を取得した大阪よしもときっての“インテリ芸人”ネイビーズアフロみながわと芸人...

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日から10月13日までの184日間開催された大阪・関西万博。国内外あわせて182館のパビリオンが出展し、来場者数は2500万人を突破。連日多くの人々で賑わい、大盛況のうちに幕を閉じました。

そして――閉幕から早くも1か月半。
今回は、そんな万博の中でも大注目を集めた「NTTパビリオン」にフォーカス!
わたくし芸人ライター・茜250ccの善家カズマサと、気象予報士の資格を持つ大阪よしもとの“インテリ芸人” ネイビーズアフロのみながわさんがタッグを組み、現地で体験したNTTパビリオンの見どころや魅力をたっぷりとレポートします。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

マンガやアニメの世界のような未来がすぐそこまで来ている

今回我々はNTTパビリオンへ取材に行ってきました。NTTパビリオンは東ゲートから入場してすぐの場所に位置しているので、大阪万博に足を運んだことがあれば見かけたことがある方も多いではないでしょうか? NTTパビリオンの建築テーマは「感情を纏う建築」で、外観は無数の糸のようなものに覆われており、“かろやかに、ゆるやかに浮遊するパビリオン”です。NTTパビリオン内部では、これまでの通信の歴史、そして次世代情報通信基盤「IOWN」を体験することができます。とにかくこの「IOWN」が凄すぎましたよ!

——さあ、みながわさん! 今回はNTTパビリオンですよ! 今年から日傘デビューしてウキウキなのもわかりますが、その日傘を早くしまって下さい!

みながわ 急かすなよ! 今年は歴史的な猛暑ですから、みなさん日傘やサングラスを着用して熱中症には気をつけてくださいね(※取材時期は夏)。さて今回はNTTパビリオンにやってきましたが、個人的に凄く行きたかったパビリオンなんです。というのもこちらでは、次世代の通信技術「IOWN」を目で見て、実際に体験し、肌で感じることが出来ますからね!

——わたしは「IOWN」という言葉自体を初めて聞いたのですが、どのようなものなのでしょうか?

みながわ 「IOWN」とは、NTTが提唱する次世代の通信インフラ構造で、読み方は“アイオン”です。光を中心とした技術で、超低遅延・大容量・低消費電力のネットワークを実現可能で、今後様々な分野で活用される予定です!

——“アイオン”って読むんですね。“イオワン”だと思ってました(笑)。何やら中ではPerfumeの3Dライブ映像が見れるんですよね?

みながわ そうそう! NTTパビリオンの体験テーマが「PARALLEL TRAVEL -パラレルトラベル-」となっていて「IOWN」による空間伝送技術を使った、離れた場所と空間そのものを繋ぐ技術の展示体験として、Perfumeのライブを空間伝送したものの追体験ができます。なんと、実際に生でPerfumeのライブを見ているような感覚になるらしいですよ!


“空間伝送”という言葉だけですごくワクワクしますね。マンガやアニメで見ていたような”未来”がすぐそこに来ているのかも! そしてわたしはPerfumeの大ファンなのでそちらも楽しみです! それでは中に入ってみましょう。

手紙からスマホまでの人類のコミュニケーショーンツールの歴史

NTTパビリオンは3つのZONEで構成されており、コミュニケーションの進化の過程、新しいコミュニケーションの形を展示・体験することができます。まずはZONE1から進んでいきましょう。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ZONE1は“コミュニケーションの進化と普遍”がテーマのプロローグとなっており、中はまるでSF映画の世界に入り込んだかのような近未来的な世界で、コミュニケーションの歴史が展示されています。手紙から始まり、モールス信号、電報、電話、携帯電話と歴代の人類のコミュニケーション担ってきた道具やデバイスたち。やがて会場は暗転し、壁一面のLEDビジョンには、テクノロジーが進化した今もなお届けきれない、世界中の“心が通じ合う瞬間”が映し出されます。

また、展示されているものたちの後ろにはコミュニケーションツールの年表が書かれており、年表の2030年のところには「IOWN」の文字が……「IOWN」を用いることでまだ実現できていない“心が通じ合う瞬間”が生まれるのでしょうか? そしてそんな未来がすぐ側にまで来ているということなのでしょうか? 想像はできないけど、ずっと“あったらいいな、できたらいいな”と思っていた未来に胸を躍らせ、ZONE2へと向かいます。思ったのですが、手紙以降の人類の進化すごすぎないですか?(笑)

わたしは小学生のころ、母の仕事が遅く終わる日は学校が終わると公衆電話から祖父母に電話をして祖父母の家に帰っていました。その数年後にはPHSから電話をかけるようになり、中学生からは携帯電話からメールで、最近はスマホで祖父母とビデオ通話をしたりしています。この幼少期からの20年弱で目まぐるしく進化していたにもかかわらず2030年には新しいツールで祖父母に連絡を取ることができるのでしょうか……? 果たしてどのようなものになるのでしょう。祖父母とは愛媛と大阪で距離が離れているのですが、“会える”ような感覚になれたら嬉しいなあ。

「すごい!すごい!」目の前で“実際に”Perfumeが歌って踊っている!

ZONE1を抜けると、3Dサングラスを受け取りメイン展示体験のZONE2へと入ります。ZONE2では“世界初”のIOWNによるリアルタイム3D空間伝送を見ることができます。こちらは2025年4月2日に、1970年の万博開場跡地(吹田)にてPerfumeが行ったパフォーマンスを、2025年の万博開場(夢洲)へデータを伝送し、リアルタイムでPerfumeの3人が3次元LEDビジョン上に立体として現れ、振動・照明などの空間まるごと体現したものの追体験ができます。

出典: FANY マガジン
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つまり噛み砕いて言うと、吹田で歌って踊っているPerfumeが“時差ゼロ”で夢洲に3Dで現れ、吹田で行っているパフォーマンスを“そのまま”夢洲で体験できるというものです。そしてそれは姿や音声だけではなく、Perfumeがステージで踊ったときに生まれる靴による床への振動もそのまま体験できるのです。

す、凄すぎないですか……? 実際に見た感想は、目の前に本物のPerfumeが居ました! 動画のように平面ではなく3Dで目の前で歌って踊って、しかもPerfumeの三人が履いているヒールブーツによる床の振動も感じれます。実際にライブに行っているような感覚でした。これを時差ゼロで行ったなんて、人類の急速なイノベーションを感じます。

個人的にはPerfumeの大ファンでして、何度もライブに足を運んだこともあるのですが、今までのライブのなかでも“一番良い席で見れた”という感覚になりました。これを見たみながわさんは「将来、漫才やコントもこの形で配信されるようになったら最高やな!」と話しました。

2020年のコロナ渦以降、お笑いライブのライブ配信は日常化しましたが今後はこの技術でもっとお笑いが身近で感じれる時代になるかもしれませんね。こちらのPerfumeのパフォーマンス映像はYouTubeにも公開されているので気になる方はぜひご覧ください!

YouTube「IOWN×Perfume」:https://www.youtube.com/watch?v=jGhVLy6Rpoc

デジタル世界の自分が歌って、踊って、年老いた!

ZONE2を抜けエピローグであるZONE3へと入ります。ZONE3に入るとすぐ、スキャンブースにて全身の写真を撮影します。「ポーズとかとっても良いですよ」とスタッフの方に言われましたので、わたしの今イチオシの名刺ギャグ「アーイ」のポージングで撮影していただきました。アーイ! そして来場者全員分のスキャンが完了するや否や、壁一面のLEDビジョンにスキャンされた我々の姿が投影されました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

そしてなんとびっくり、映像の中の自分たちが自由に動きまわります。そして一斉に踊り出し、歌い出し歌声を重ねます。また顔の表情も笑顔や真剣な顔など変化を見せ、それは現実の自分の表情と差がほとんどありません。あの一瞬の写真撮影からこんな姿まで投影できるなんて、技術の進化を感じます。もしかすると将来、自分と全く同じ見た目と声の“もう一人の自分”がデジタル世界で生活し、そこで得た経験や記憶を現実世界の自分に同期させる……なんて映画のような世界が訪れるかもしれませんね。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

またスクリーン上の私たちの中でランダムで選ばれた人は、顔の年齢が若くなったり、年老いたりしていきます。みながわさんの顔は変化せず、ただ無邪気に笑って歌を歌っていたのですがなんと、わたしの顔がみるみる年老いていきます!

年老いておじいちゃんの顔になったわたしが「アーイ」のポーズでこっちを見つめている。みながわさんはわたしのこの姿に「おじいちゃんなってもアーイしてるやん」と爆笑されておりました。おじいちゃんなっても自分のギャグはやるでしょ! 多分! 「4,50年後はこの顔で漫才しているのかなあ」と、決して近くはない未来がすぐ身近に感じた瞬間でした。これらの技術を用いれば、国や言葉、文化、世代、時間を超えて我々は“繋がって”いけるのでしょうか?言葉にはできない、初めての感覚に胸がドキドキしました。

新しい電話の可能性!これからの電話はどうなっちゃう?

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ZONE3を抜けるとすぐのところには『ふれあう伝話』が設置されています。
こちらは万博開場内の『いのち動的平衡館』と繋がっており、なんとビデオ通話で“振動”も送ることができます。こちらもIOWNを用いることで、音や映像だけでなく振動を含む触感を伝え合うことで“いのち”の流れを感じることができます。早速みながわさんがこれを体験してみますが事件が……。

みながわさんが伝話の前に立つと、繋がった先の人が居なくなりました。待てど暮らせど人が現れず「どういうことや! ここでも嫌われてんのか! いや普段も嫌われてへんわ!」と叫んでおりました(笑)。ただこちらは単にタイミングの問題だったようで、無事みながわさんは伝話を体験することができ、「すごい! 向こうからの振動がしっかりこっちの手にも伝わってる!」と驚いておりました。今やビデオ通話が当たり前の世界になっていますが、未来の電話は“触覚”まで共有できるのかもしれませんね!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

また隣には3台の公衆電話型『せかいがきこえる伝話』も設置されており、3桁の番号をプッシュすると、対応するショートストーリーが流れます。先述のように幼少期に公衆電話にお世話になったわたしは、この公衆電話から流れる音声の質感やボリュームがすごく懐かしく、感情を揺さぶられました。

いかがでしたでしょうか? 今回はNTTパビリオンを訪れ、新しい通信技術を体験することでこれからのわたしたちはどのように“繋がる”のかということを深く考えさせられました。わたしに置き換えると、離れている方にも“生”に近い漫才を届けることができて、家族たちと離れていても“繋がることができる”のではないと感じました。

また、今わたしたちが過ごしている世界とデジタル上の世界を繋いだ、新しい世界の始まりの可能性を感じました。マンガやアニメの話と思っていた未来がすぐそこに来ていますよ!

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