中国映画の最新作や話題作を一挙に上映する『2025大阪・中国映画週間』が、10月24日(金)から30日(木)までの7日間、大阪・なんばパークスシネマで開催されています。初日の24日(金)に開催された開会式には、作品の出演者や関係者が登壇。上映作や中国映画の魅力について語りました。

中国映画の魅力は「スケールの大きさ」
『大阪・中国映画週間』は、2006年から続く『東京・中国映画週間』の姉妹企画として、日中国交正常化50周年にあたる2022年からスタート。中国映画の「今」を紹介するだけでなく、今年は話題の日本映画も上映されます。
MCを務めるのはブラックマヨネーズ・小杉竜一と、中国出身で現在は日本で活動している芸人、いぜんの2人。いぜんは、中国映画と日本映画の違いをこう説明しました。
「中国映画の魅力はスケールの大きさ。シーンや景色だけではなく、世界観や物語もスケールが大きいです。一方、日本の映画は、ふだんの悩みや繊細な心理描写などに感動します。そこが魅力の違いですね」


今回上映される作品は、以下の通り。
【中国映画】
「再開の奈良」
「永遠に消えない電波」
「ナタ魔童の大暴れ」
「ママと同級生」
「三大隊」
「Her ストーリー」
短編映画コレクション:
「厳冬の後に」
「浮き花」
「アリヤのギルバラ」
「11.5時」
【日本映画】
「アズワン/AS ONE」
「夏の砂の上」
「この夏の星を見る」
『永遠に消えない電波』が舞劇を映画化したもので、身体表現のみで豊かな感情を描き出すノンバーバル作品だと聞いて、「気になりますね!」と小杉。すでにこの作品を見たといういぜんは「感動しました」と話しました。
まずは、その『永遠に消えない電波』の予告編が流されたあと、主演を務めた中国舞踊会を代表する女優・朱洁静がゲストとして登壇。
「文化と芸術は、時間や空間を越えて、人の心を結ぶことができると思っています。そして芸術が私たちの心に与える力は無限大です」

朱洁静はこう話すと、この作品について、英雄に関する映画であり、愛や信仰に関する物語でもあると説明。「国籍や信仰は異なるものの、すべての国に自分なりの英雄が存在している。ともに新時代にある信仰と英雄の物語を探していきましょう」と呼びかけました。
主演の菅田将暉が登場かと思ったら…
続いて、同日付で17周目のロングランを続けている日本映画『この夏の星を見る』の予告編が流されたあと、この作品で総合プロデューサーを務めるFLARE CREATORの取締役エグゼクティブプロデューサー・松井俊之氏が登壇しました。
「この作品はコロナ禍を描いているものの、それはあくまでも背景だと思っています。中高生が思ったように学生生活を送れない。そんななかで青春の火を消さないように奔走するという映画を作りたいと思いました」
松井氏はこう明かすと、「どんな制限下でも好きなことや興味のあること、好きを貫いて生ききるということを、学生たちがやりきったということを描いた映画です」とアピールしました。

続いては『火花』の予告編が流されたあと、脚本・監督を務めた板尾創路がステージへ。開口一番、「これって(主演の)菅田将暉が出てくると思われてんちゃうん?」とひとボケして沸かせます。
中国映画について、「大国なので、予算や規模の面でも大きな作品が多い。アジアのハリウッドやと思っています」という板尾は、いちばん好きな中国映画として『山の郵便配達』を紹介。「いま、しゃべってるだけでもジーンとくる」と言いながら、「私でよければ、中国映画に出してください。今日はそれを言いに来ました、ぜひオファーをお待ちしております。パスポートも10年あります」と笑わせました。

このほか開会式では、中国の薛剣(せつけん)駐大阪中国総領事、上海吉本文化芸術伝播有限公司の仲良平董事長、吉本興業ホールディングスの岡本昭彦社長が登壇し、日中の文化交流をアピールしました。
朱洁静「宝塚が大好きなんです」
開会式のあと、朱洁静がインタビューに応じました。
――今日の開会式を通じて、どのような印象や思いを持ちましたか?
すごく日中の交流を感じました。劇場のなかで映画を通じて日本と中国の文化、人がつながっていて、ファミリーのような気持ちになりました。
――出演した『永遠に消えない電波』で、女優・舞踏家としてもっとも大切にした表現やテーマは何ですか?
この映画は舞踊劇なので、スクリーンにするのは難しいんです。パフォーマンスは同じなんですけど、ステージと映画の中では表情に違いがあるので、それをチェンジすることに力を入れていました。
――舞台や映画など、今後、日本で挑戦してみたいことはありますか?
宝塚が大好きなんです(笑)。いろんな組があることも知っています。
――好きになったきっかけは?
女性の特徴を出さずに、魅力的なキャラクターを演じる。その堂々とした自信にあふれる姿が魅了されるきっかけになりました。宝塚の方々はパフォーマンスのときは、自分のパフォーマンスをしている。それぞれの演者さんごとの魅力があるので、そこにも憧れています。

――MC の小杉さんの印象を教えてください。
すごく可愛らしいと思いました。招かれた立場としては安心感がありましたし、ユーモアたっぷりな司会ぶりだったし、いろんな自分の気持ちを汲んでくれそうで、距離を感じず登場することができました。絶対にプライベートでも仕事でも温かい方だと思いました。
――日本のファンへメッセージをお願いします。
日本の皆さま、ありがとうございます。将来はもっと中国の舞踊劇や東方の文化、技術を持って交流したいと思っています。
「2025大阪・中国映画週間」公式サイト:https://cfso.film/
