吉本新喜劇・吉田ヒロのアート作品が公募展入選で米ニューヨーク展示! 「アーティストとしての僕の作品を見てもらえるのは斬新でした」

アーティストとしても活動する吉本新喜劇の吉田ヒロの作品『楽描き(RAKUGAKI)』と『きゃんで~』の2点が、日本人アーティストを世界に紹介する『NY公募展2025秋冬』で入選し、米ニューヨークのSoHo地区にあるマックスギャラリーで展示されました。1月15日(木)~20日(火)の展示期間には、吉田本人もニューヨークへ。帰国直後の吉田に直撃し、ニューヨークでのエピソードや、ブルックリンで出会ったグラフィティ・アートの魅力について語ってもらいました。

出典: FANY マガジン
ニューヨーク公募展の出展作品(会場にて撮影)
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ニューヨーク公募展の出展作品(会場にて撮影)

絵を描くことが得意だった吉田は、2021年に初の個展を開催。以降、定期的に『吉本新喜劇 吉田ヒロギャグアート展』を行っていて、2025年に髙島屋大阪店で個展が開催された際には「最終目標は海外」と宣言していました。今回は、吉田のキャラクター“ヒロぼっちゃん”の姿でたっぷりと語ってくれました。

タッチのまったく違う2作品が選出!

――『NY公募展2025秋冬』入選、おめでとうございます! 応募したきっかけを教えてください。

毎年やっている個展の記者会見で、今後の夢を聞かれて「将来、海外でやってみたい」っていう話をしたんです。そこから公募展をネットでたまたま見つけて、応募をしました。だから、ハナから受かるなんて思ってなかったんですよ。

――では入選の知らせを受けたときは、どんな気持ちでしたか?

妻と2人で電車に乗ってるときでした。何気なく携帯を見ていた妻が「パパ、名前入ってるで!」って言うから、「え!? ウソやろ?」って。すごいびっくりしました。その場では実感はなかったですよ。

ほんまかどうかもわからへんし、なにせ電車の中やったんで(笑)。でも、徐々にじわじわ喜びが湧いてきましたね。あとから応募者は1000人くらいいたと聞きました。その中で入選するのは30人くらいやから、受かるとは思ってませんでした。

出典: FANY マガジン
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――今回、入選したのは『楽描き(RAKUGAKI)』と『きゃんで~』ですね。選ばれた理由は何だと思いますか?

3点出したうち、この2点が入選したんです。『楽描き(RAKUGAKI)』は華やかな感じ、そして『きゃんで~』はなんか不思議な感じ。僕自身も、せっかくなら雰囲気の違うものを出したいと思っていました。タッチが全然違う2作品だから選ばれたのかなと思います。

『楽描き(RAKUGAKI)』は、去年の『吉本新喜劇 吉田ヒロギャグアート展 vol.7』に出展した作品です。僕がよく描いてるロボットシリーズで、サイズがF50(116.7センチ × 91.0センチ)ある大作です。ロボットのまわりには、子どもが描いたような感じで見てほしかったんで、わざと左手を使ったりして下手に描いた“下手絵”を散りばめてます。

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作品タイトル:「楽描き(RAKUGAKI)」
作品サイズ: 縦91.0×横116.7(cm)
ニューヨーク公募展の出展作品(会場にて撮影)

『きゃんで~』は2021年の1回目のアート個展(『~吉本新喜劇~吉田ヒロ作品展』)で出したものです。『楽描き(RAKUGAKI)』は華やかな感じだとすると、『きゃんで~』はちょっと不思議なタッチ。僕の個展を見ていただいたらわかると思うんですけど、作品全部、タッチが違うんですよ。

『きゃんで~』は、幻想的やけど実はギャグアートで、大阪の「飴ちゃん」からきてまして、「雨」と「飴」をかけて、『きゃんで~』というタイトルにしました。この作品は、見る角度によって雰囲気がまるで変わるんです。ちょっと下から見てもらうと、雨粒が見えます。

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作品タイトル:「きゃんで~」 
サイズ:横45.5×53.0(cm)
ニューヨーク公募展の出展作品(会場にて撮影)

――ニューヨークで自身の作品が展示されたときの率直な気持ちを聞かせてください。

もちろん見に来てくれる方は海外の方も多くて、足を止めてくれるのがすごくうれしかったですね。やっぱり作品がカラフルなんで、目立つというか。

それに日本で個展をやると、どうしても新喜劇の僕のファンの方が多いんです。でもニューヨークでは、誰も芸人の吉田ヒロのことは知らない。まっさらな状態で、アーティストとしての僕の作品を見てもらえるのは斬新でした。

――新しい出会いもありましたか?

入選した中には日本のアーティストの方もいて、若い男の子がいたんですよ。その子が僕の絵を見て「おお……!」と見入ってたところに、さらにわけのわからんカラフルな格好をしたおっさん(ヒロぼっちゃん)が現れて、「この人が作者!?」ってびっくりしたらしいです(笑)。

その子とは気が合い仲良くなって、夜も一緒に食事もしました。レセプションパーティーでは、ニューヨーク在住の中国人の画商の女性に「中国でもぜひ個展をやってほしい。あなたの作品はすごく売れると思います」とも言ってもらえました。

――すごいですね! ところで、なぜニューヨークを“ヒロぼっちゃん”の格好で……?

あ、ヒロぼっちゃんは、吉田ヒロさんが描いた作品をニューヨークまで見に行った、というテイです。ヒロさんは、ここにいてます(胸ポケットに入れた吉田ヒロ人形を指す)。

出典: FANY マガジン
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――なるほど! そういうことだったんですね。あちらでの会話は英語になると思うんですが、どのようにコミュニケーションを取ったんですか?

僕も妻も英語がまったく喋れないんで、ニューヨークに住んでいる(ぼんち)おさむ師匠の娘さんが通訳で来てくださったんです。娘さんが、僕の作品を英語で説明してくれると、やっぱりニューヨークの人たちも「OH!」みたいな。なんか、海外の方にも認めてもらえたってめっちゃ思いました。

「ニューヨークで受けた刺激を作品にする」

――ニューヨークという街はいかがでしたか?

8泊10日で行ったんですけど、毎日が刺激でした。街そのものがアートみたいで、ニューヨークの街そのものを作品として描きたくなるんですよ。日本では見ない風景や、ただ単に道端にある看板ひとつでも「これ描いてみたい」って写真撮ってました。

で、最終日にブルックリンにアーティストが住んでいる街があって、グラフィティアート(街の壁や建物など、屋外の空間にスプレーなどで描かれるアート)が学べるワークショップがあるというので、おさむ師匠の娘さんに予約していただいて、師匠のお孫さんも一緒に行きました。昔からずっとやってみたかったんですよ。

――実際に描いてどうでしたか?

スプレーで描くって、線を1本描くだけでもめっちゃ難しいんです。でも講師の先生が描くと、すごく素敵な絵になる。先生と、師匠のお孫さんと3人で、壁に「まゆげボーン」を描いたりね。

ワークショップには、こういう「絵を描いていい壁」っていうのがあって、次から次へと生徒さんが来るので、どんどん絵の上に新しい絵を描いていくんです。だからもう、僕が描いた絵はないと思います(笑)。

――次の個展でお披露目できそうですか?

次の個展では、そういう新しい表現も出していきたいですね。教わった技法を取り入れて、グラフィティアートを壁ではなくキャンバス作品に落とし込んでいきたいです。

――アーティストとして、大きな刺激を受けた体験になったのですね。

ニューヨークに行って、絵を描くのがさらに楽しくなりました。2021年に初めてアート個展を開いて、5年でトントン拍子にこんなに広がりを見せるなんて自分でもびっくりします。本当に、人生がゴロッと変わった感じです。

次の個展では、僕がニューヨークで受けた刺激を作品にするので、皆さんにはぜひ刺激をもらいに来てほしいです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

――今後、挑戦してみたいことはありますか?

いずれはニューヨークで個展を開催したいですし、ほんまに壁にも描いてみたくなりました。

あと、ヒロぼっちゃんねるのYouTubeチャンネルも今年の春ごろ始動予定です。小中学生の“おともだちちゃん”に向けて、学校で広めて人気者になってほしいギャグ動画を発信していきますので、ぜひ見てほしいです!

展示会概要

NY公募展2025秋冬
日程:2026年1月15日(木)~20日(火)
会場:マックスギャラリー
●吉田ヒロアート作品
・「楽描き(RAKUGAKI)」
・「きゃんで~」

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