お笑いコンビ・インパルスの板倉俊之が原作・脚本・演出を手がける舞台『蟻地獄』の制作発表記者会見が4月7日(水)に都内で開かれました。すでに漫画化もされている人気作の舞台化に、初の舞台脚本・演出となる板倉はその意気込みを語る一方、さっそく出演メンバーの乃木坂46・向井葉月と息の合ったトークを見せて、会場を笑いに包みました。
2012年に発表した板倉の同名小説を舞台化した本作。主人公の二村孝次郎は、悪友の大塚修平とともに裏カジノでひと儲けを画策。イカサマを成功させて大金を手に入れたかと思った矢先、オーナーのカシワギに見破られてしまう。修平を人質にとられた孝次郎は、身代金を要求されて……という手に汗握る展開の人気作品です。
今回の舞台化は、新型コロナウイルスの影響で公演中止になっていたものが、約1年越しに実現。板倉が自身の原作で初の舞台脚本・演出、人気実力を兼ね備えた俳優陣の出演、そして企画制作を老舗劇団のスーパーエキセントリックシアターが担当するなど、盤石の布陣でのぞみます。
演出家としてのキャラが定まっていない!?
この日のイベントには、板倉と向井に加え、主演の髙橋祐理と山口大地、天野浩成が舞台衣装で登壇。これから始まるという舞台稽古に向けて、初の舞台演出となる板倉が、意気込みとともにさっそく悩みを打ち明けます。
「成功させたいと思っております。ただ、まだ演出家として、どういうスタンスでいこうか定まっていないんですよ。敵対関係を作っていくのか、“仲良くやろうよ!”っていうパターンでいくのか……。最初はカッコつける感じに憧れていたんですけど、嫌われたくないので、(俳優の)皆さんには低姿勢でいって、今日来ていない(お笑いコンビの)天津の向(清太朗)くんにだけ、『おいてめぇコラ!』っていう感じでいきます(笑)」
舞台の内容については、「サスペンス、ミステリー、バイオレンス……いろんな要素が入っていて、楽しんで書けました。ただの“バイオレンスもの”ではなく、頭脳戦やどんでん返しがあります」と言う板倉。長尺のセリフが多いところも見どころですが、「そこはもう、(出演者に)『すみません』としか言いようがありません」と謝罪します。
稽古をしながらセリフ量などを調整していくため、「どこを抜くかが難しいですね。いちばん懸念しているのが、台本もらって覚えたのに“セリフを切るんかい!”って陰口を叩かれること。合間の休憩も、悪口を言われているのか・いないのか、耳をそばだてていようと思います」と笑わせました。
また、舞台に出ずっぱりになるという主演の髙橋は、「役者としてはありがたいことです。舞台経験が豊富でもないので、まさかこのタイミングで、舞台上に立ち続けることができる機会をいただけるなんて。嬉しいです」と意気込みました。
乃木坂・向井とキャピキャピトーク
一方、まだ稽古は始まっていないものの、事前のPR撮影で仲が深まったという板倉と向井。すでに2人の間で“お約束”のやり取りもできたようで、トーク中に披露される一幕もありました。
舞台設定が「冬」のため、長髪のウィッグに厚手のコート姿という彼女に板倉が「ごめんね。かぶせちゃって!」とポップな声色で謝ると、「大丈夫だよ!」と向井。その後も、彼女のコメントに板倉が「すっごくよかったよ!」と声をかければ、「頑張る!」と返すなど、2人とも“キャピキャピしたキャラ”でトークします。
そんな向井は、記者から「稽古中に乃木坂メンバーと会いたいと思うことはあるか」と聞かれて、こう答えます。
「舞台稽古をしていると、ほかの仕事に行けないことも増えてくるので、その現場であった楽しそうな話を聞くと、私もその現場にいたかったなって思うことはあります」
それを受けて板倉は、「寂しい思いを少しでもさせないように、僕は乃木坂メンバーの一員のスタンスで彼女に接しています。乃木坂のメンバーがここにいるんだ、って錯覚を起こさせて……そうじゃないとあんまりだ!」と“キャピキャピトーク”の真意を訴え、笑いを誘っていました。
舞台『蟻地獄』は6月4日(金)~10日(木)、東京・よみうり大手町ホールで開催。チケットは4月10日(土)正午から発売開始になります。