国内外の映画祭で数々の賞を受賞した鬼才・上西雄大が監督と主演を務める映画『西成ゴローの四億円』の先行上映を記念して、1月29日(土)に大阪と京都で舞台挨拶が行われました。ステージには、応援芸人として吉本新喜劇のすっちー&松浦真也、そして昨年のM-1ファイナリストのもも(せめる。、まもる。)が登場し、映画を盛り上げました。
映画は、大阪・西成に住む所持金0円の無敵の男が、家族のために「4億円」を稼ごうと闇の勢力に捨て身で対抗する“マネー・クライム・エンテイメント”。上西監督自身が演じる主人公ゴローと最大の敵であるフィクサー・奥田瑛二、諜報機関時代の元同僚・津田寛治ら濃密なキャラクターが活躍する前篇『西成ゴローの四億円』、そして松原智恵子、笹野高史、加藤雅也、木下ほうか、石橋蓮司といった個性派俳優が競演する後篇『西成ゴローの四億円―死闘篇―』の2部作となっています。
この日の舞台挨拶には、上西監督のほか、主要キャストの徳竹未夏、古川藍、そして作品に出演しているタレント・長原成樹が登壇しました。映画は『西成ゴローの四億円』が1月29日(土)、『西成ゴローの四億円―死闘篇―』が2月5日(土)から関西で先行上映されるのに続いて、2月12日(土)から全国で順次公開されます。
西成に住む無敵のヒーロー
この日、京都の舞台挨拶に続いて、大阪では心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、十三の第七藝術劇場の2カ所で舞台挨拶が行われました。
「西成といえばそれぞれのイメージがあると思いますが、西成に住む無敵のヒーローを作りたい、それをどう作ればおもしろいか――というところから生まれた」
作品の構想についてこう語る上西監督が、「皆さんに楽しんでいただける映画を作ったので、この映画とともに旅を始めたいと思っている」と力を込めると、会場から拍手が起こります。
一方、劇中で「闇金姉妹」として強烈な印象を残す徳竹と古川は、上西が主宰する映像劇団「テンアンツ」のメンバーで、映画の制作段階から関わってきました。徳竹は「笑いあり、涙あり、見てもらったあと心が温まって優しい気持ちを持って帰ってもらえるのが上西作品」と太鼓判を押しながら、「非現実的なキャラクターが出てくることが多いものの、人をしっかりと描いているので、どこかしら共感できるところがあるかも」と分析していました。
真也のギターにすち子がツッコミ
応援芸人として、シアタス心斎橋の舞台挨拶に登場したももは、ネタを披露して会場を盛り上げます。「アクションが好きなので、楽しんで見られた」と言うせめる。は、印象に残ったシーンとして、300円のキムチを半分で150円にしてもらっていた場面を挙げ、マネしたいと言って笑わせます。
一方、まもる。が「西成は人情味にあふれた温かい街。そこから西成ゴローが出てきて世界を救っている。西成ってええところやなぁって思える作品でした」と真面目にコメントすると、会場から拍手が起こりました。
第七藝術劇場に登場したすち子&真也は、真也のギターにすち子が次々とツッコミを入れていくテンポのいいネタで爆笑を連発します。徳竹が「舞台でお笑い担当しているので、勉強させていただきたいと思った」と話すと、古川も「おもしろすぎて、さらに大ファンになりました!」と大喜び。
すち子が「ゴローはめちゃくちゃ強くてカッコいい。そして姉妹がむちゃくちゃ、でもめっちゃカネ持ってる。ほんで、(組長役の)成樹さんは本物!」と話すと、「ニセモノや!」とすかさず長原がツッコむひと幕も。新喜劇のキャラについてのトークも飛び出すなど、終始リラックスしたムードでした。
最後に監督が改めて、「大変な時期に初日、舞台挨拶の場を満席で迎えることができて心から感謝申し上げます。この作品がこれからどういう旅をするかわかりませんが、この日が本当に大きな力になります。本当にありがとうございました!」と挨拶すると、会場から大きな拍手が起こりました。
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