南キャン・しずちゃんが「女性の生理事情」を本音トーク! 「現役ボクサーのときは生理が止まっていた」

南海キャンディーズ・しずちゃんが3月12日(土) 、大阪市淀川区の大阪医療秘書福祉専門学校で開かれたイベント『“Girls talk” Join us!! ~知ろう!語ろう!女性の生理事情~』にゲスト出演しました。座談会では、元ボクサーのしずちゃんが、元競泳日本代表でアテネ五輪銅メダリストの中西悠子さんとともに女性アスリートが抱える生理の問題を本音トーク。専門家の意見を聞きながら、「女性の生理」について理解を深めました。

出典: FANY マガジン
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しずちゃん「相方の漫談を聞くとすぐ眠れる」

女性アスリートが直面する生理の悩みや疑問、対処法について語り合って解決していくことを目指すこのイベント。中西さんが進行役を務めるなか、産婦人科医の山分ネルソン氏が専門家として参加し、しずちゃんは元アスリートの視点で話をしました。

生理前に起こる不快症状「PMS(月経前症候群)」の話題では、真剣ななかにもたびたび笑いが。中西さんが「PMSはご存知ですか?」と聞くと、「なんですか? 韓国のアイドルグループですか?」としずちゃん。さっそく会場を和ませます。

PMS に関して、40代になってから生理前は眠れなくなるという悩みを相談する中西さんに、山分医師が「眠れないときは粘らずベッドから出る。オーディオブックを聞くなど、神経を集中させると眠れるので、一度試してください」とアドバイス。しずちゃんは「相方(山里亮太)の漫談を聞くとすぐ眠れる」と、もうひとつの“解決策”を提案していました。

「生理のトラブル」のテーマでは、しずちゃんが「(ボクシングをしていたときは)生理が止まっていたからか、アゴを守ろうとしていたからか、この辺(アゴ)にヒゲが生えてきましたね。枕もおじさんの臭いがした」と衝撃告白。これに山分医師は「生理が不順だと男性ホルモンが優位になるので、そういった現象があるかも」と医学的見地から説明します。

出典: FANY マガジン
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さらに、「(当時は)そんな深刻に考えていなかった。知識がなかったから。生理が止まっていても『まあいいや、ラクで』と思っちゃっていました」と言うしずちゃんに、山分医師は決して軽く考えてはいけないと忠告します。

「(生理不順の原因は)いろんな可能性があります。ホルモンのバランスが悪いとよく言われますが、女性ホルモンを分泌する卵巣にがんができてしまうと、ホルモンのバランスが悪くなり生理がこなくなります。また、脳下垂体にがんや腫瘍ができて、生理がこなくなることも。感情的なことでホルモンのバランスが崩れることもありますが、がんなど重い病気の場合もあるので、病院で調べてほしいです」

中西「生理のときはタイムが2秒ぐらい落ちていた」

さらに「ピル」の使用についての話題に。ピルを飲んだことがないというしずちゃんは、「名前は知っているけど、イメージとして飲みたくない。薬はできるだけ飲みたくないので」と話します。

一方、中西さんは「高校生のころからピルを飲んでいます。そのころは“ピルは悪”みたいな。中用量ピルだったので、飲んで気持ち悪くなった」と自身の経験を語ります。

「生理のときは毎回タイムが2秒ぐらい落ちて、オリンピックと被るといけないので、コーチが母に伝え、婦人科へ行って中用量ピルを処方してもらっていました。コーチとコミュニケ―ションを取るのは大事だと思います」

これに対して山分医師は、こうコメントしました。

「中西さんが飲んだのは中用量で、女性ホルモンがたっぷり入っているものなので、しんどくなりやすいんです。いまは低用量や超低用量とかもあり、だいぶん優しくなっています」

出典: FANY マガジン
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さらに、中西さんが「ピルは生理周期をコントロールできる。避妊できる。あとメリットってありますか?」と疑問をぶつけると、山分医師がこう説明します。

「大きなメリットの1つは、生理の苦しみから解放されること。患者さんに『めちゃくちゃラクになった、なんでもっと早くに言ってくれなかったんですか!』って怒られるぐらいですから。『人生変わりました』って喜ぶ方もおられますよ」

「副作用とかはないんですか?」というしずちゃんの質問には、こう答えました。

「ピルを飲むと血栓症が増えるんですが、ピルを飲まなくても血栓症になることはあります。また、妊娠や出産を経験しても血栓症は増えます。だからって、妊婦さんがみんな死ぬわけではありません。正しく恐れて、正しく使って、生理から解放されるのが1つの方法だと思うんですよね」

出典: FANY マガジン
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イベントでは、参加者からの生理についての悩みや相談に答える質問コーナーも。男性トレーナーからは、こんな質問が投げかけられました。

「女子高生の選手が、大会のときに薬を飲んでも生理痛がツライときはどう対処すればいいですか?」

これに対して山分医師は、「個人差があります。飲み薬が効かなくても、座薬や点滴もあるので、合うものを見つけましょう。痛みのピークが来る前に薬を利用するのがいちばん効果的です」と丁寧に答えていました。

「こういったイベントをもっと広めていくべき」

イベント終了後、しずちゃんに感想を聞きました。

——まず、今回のイベントの感想をお願いします。

知らないことばっかりでした。気楽に考えていたけれど、生理が止まっていた時期もあって。そういうなかに病気になる原因が潜んでいたり、怖さがあるんだなと。私みたいに「まぁいいや、ラクやし」って、ほったらかしてる若い子もいると思うんで、今回の内容やこういったイベントを、もっと広めていくべきではないかと思います。
私はそこまで(生理の)痛みはひどくないので、深刻に考えていませんでしたが、人によってはすごくツラい人がいるんだなぁとも知れたり、とても勉強になったので、こういうイベントは大事だなと思いました。

——このイベントで知ったことで、特に現役の女性アスリートに共有したいことがあれば教えてください。

ピルですかね。みんなどのぐらい使っているのかはわからないんですが、(使って)いいんだということを知りました。中西さんみたいに2秒タイムが変わるっていうのは、やっぱり女子と男子の違いやと思います。2秒は本当に大きな差だから、それで(ピルで)コントロールできるんだったら、使ってもいいと思います。
中西さんのトレーナーさんは、そういうところを気づいてくれたけれど、そうでない場合もあると思うので、気づいてもらえるよう細かく話はしておけるといいと思います。

出典: FANY マガジン
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——では、現役の指導者に伝えたいことは?

そうですね。今日は男性の指導者の方も参加されていて、「すごく素敵だなー」というか、女性に寄り添ってちゃんと教えようとしてくださっているんだなと思いました。
私がしていたボクシングの世界は、“根性”とか “男についていけないのは、むしろマイナス”っていうのがいまでもあって、辞めていっちゃっている女性も多いです。今回のイベントでも話があったように、日ごろからコミュニケーションを取って、男性トレーナーとも信頼できる関係性が作れるようになればいいんやろうなぁと思います。