プラス・マイナスの岩橋良昌が新型コロナの自粛期間中などに描き溜めた絵画作品の展覧会が、大阪市中央区のLAUGH & PEACE ART GALLERY OSAKAで5月8日(日)まで開催中です。『プラス・マイナス岩橋の頭の中』と題されたこの個展では、「夢はニューヨークで個展」という岩橋の“本気度”がわかる作品がズラリ。初日の4月28日(木)には岩橋本人が会場を訪れ、作品の魅力をアピールしました。
コロナ禍の危機感から創作活動を開始
さっそく「クセ」を出しながら登場した岩橋は、今回の個展に至るまでの経緯を語ります。
「コロナの初期のころは、もうまるまる仕事がなくなって1カ月近く家にこもったりしていました。その時に、時間がもったいないなあということで、ちょっとコツコツ描いていこうかな、と」
特に、相方の兼光タカシが新型コロナウイルスの陽性となり、岩橋自身も濃厚接触者として自宅待機になったときには危機感を感じた、とのこと。
「仕事が全部なくなりまして、『漫才師って危ないな』と思ったんです。20年以上積み上げた漫才のネタたちも、相方が病気したり、遅刻したり、逆もしかりですが、そうすると一気に仕事を失うんだ、と。僕には家族がいますし、子どもも育てなあかん。ほんまに何か手に職をつけなあかんなと思いました」
岩橋にとって今回の個展は8年ぶり3回目。展示されている32作品のモチーフは、抽象的なものから動物、寺社仏閣などさまざま。なかでも動物モチーフの作品が多いのが印象的です。
絵は独学という岩橋ですが、絵画をめぐる記憶は小学時代にさかのぼり、「小学2年生のときに、学校に動物がたくさん来て写生大会が行われたんです。それが学年の最優秀賞に選ばれました」とのこと。
さらに、かつてテレビ番組の企画で描いた絵を芸術家の嶋本昭三氏(故人)に絶賛されことがあり、「『子どものまま大人になっている』と褒めていただき、『最後の弟子になれ』と言っていただけた」と言います。
今回、展示されている『カメレオン』という作品は「小学2年のときに写生大会で描いた絵とほぼ同じ」だということで、「43歳のおじさんになった岩橋の頭の中の“子どもさ”を楽しんでほしい」とアピールしました。
クセ用に別の画用紙を用意
岩橋といえば、「やってはいけないことをやってしまいたくなるクセ」が有名ですが、その“個性”と向き合ってきた人生についても語られました。
「クセも治らんし、クセにまみれて、劣等感にまみれて眠れずに、“なんで俺だけこんなことになってんねん”と思ったこともあるし、人とちょっと違うというのでいじめられたこともありました」
子どもながらに自分はほかの人と違う、という人生を歩んできた――と振り返る岩橋。
「(学生時代は)浪人して、受験勉強を1年間したけど、受験の本番で鉛筆の芯を全部折って解けなくなるとか、ほかの方はそんな経験、あんまりないと思うんです。そういう人生歩んできてるから、人とちょっと違う感性や個性として、何かが出ないとワリに合わないんです。それを感じてもらえるといい」
やはり創作中にもクセが出てしまうことがあるそうで、常に別の画用紙を1枚、傍らに置いておくという、岩橋ならではの創作秘話も明かします。
「色を塗っているとき、クセが出そうになったら“クセ用”の紙にダーってやって落ち着かせてから描くようにしています。そういう苦労はあります。『クセを出してもいいやん』とも思うんですけど、クセを全部(作品に)ぶつけるという境地にまではまだ至っていないので。そこまでいったら岡本太郎さんみたいになれるのかなと思うけど、ちょっとまだ怖いですね。本当に爆発してしまうような気がして……」
野望は、漫才師とアーティストの二足のわらじだと言う岩橋。こんな野望を語りました。
「漫才にいまの生活を支えられているし、楽しいんですけど、いまでも英検1級取りたいとか、ニューヨークで個展を開いて僕が来場者を笑かしながらプレゼンする、みたいなのがまた夢で。もともと漫才だけやっていこうというスタンスじゃなかったんで、相方にはいろんなことはやっていきますとお伝えしてます」
個展では、作品そのものに加え、ステッカーやポストカードなどグッズも販売。個展開催期間中の4月30日(土)19:00からは、岩橋本人が会場案内や作品紹介をするオンラインイベント『プラス・マイナス岩橋の頭の中ONLINE』が配信されます。
個展概要
「プラス・マイナス岩橋の頭の中」
日程:4月28日(木)~5月8日(日)
時間 :13:00〜18:00
定休日:毎週火曜・水曜
会場 :LAUGH & PEACE ART GALLERY OSAKA
本人による作品生紹介!『プラス・マイナス岩橋の頭の中 ONLINE』
出演:プラス・マイナス岩橋、ネイビーズアフロ
日程:4月30日(土)19:00~
チケット:配信1,000円
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。