今年で最後となる『歌ネタ王決定戦2021FINAL』(MBS)が9月29日(水)に開催され、ピン芸人のZAZYが優勝しました。文字通り「最後の栄冠」を勝ち取るべく、激しい戦いになった今回の大会。初めて賞レースを制したZAZYは、「もっといろんな人に僕のネタが届いていけば」と顔をほころばせました。
「最後に優勝できてうれしい!」
「できた時からずっと挑んでたんですけど、決勝に出られず、悔しい思いをしていたので、最後に優勝できてうれしい!」
最後の『歌ネタ王決定戦』で悲願達成となり、喜びを爆発させたZAZY。大会が終了することについて複雑な心境をのぞかせながらも、「終わっちゃうことは非常に残念ですが、これからもいろんなジャンルの賞レースができて滅んで、できて滅んで、お笑い界が盛り上がっていけばいい」と前向きに語りました。
音楽やリズムを使ったネタなら何でもありで芸人たちが腕を競う『歌ネタ王決定戦』は、今年で9回目。残念ながら今回がラストとなりましたが、それだけに“最後の王者”の称号を目指す戦いは熾烈をきわめました。
最終決戦はこがけん、ダブルヒガシ、ZAZY
MCを務めるのは小籔千豊とフットボールアワー・後藤輝基。審査員には、おなじみのヒロミ、清塚信也、藤井隆、ナイツ・塙宣之のほか、フットボールアワー・岩尾望と『歌ネタ王決定戦2016』チャンピオンのかまいたち・山内健二が新たに加わりました。
決勝に駒を進めたのは、厳しい予選を勝ち抜いた8組と敗者復活戦からの1組の計9組。トップバッターは、敗者復活から勝ち上がってきたラブレターズです。続いてアイロンヘッド、きつね、ミクミクサイダー、ダブルヒガシ、メンバー、ホーリーオーギー、こがけん、ZAZYが渾身の歌ネタ、リズムネタで次々と爆笑をさらっていきました。
高得点が連発した1stステージから、ZAZY(570点)、ダブルヒガシ(570点)、こがけん(568点)の3組が最終ステージで雌雄を決することに。
カラオケを舞台に奇想天外な展開で本領発揮したこがけん、大東翔生の歌唱力と東良介のツッコミで笑いを呼び込んだダブルヒガシ。ZAZYは、これまでのフリップをデジタル化してリズム感あふれるZAZYワールドを披露し、山内から「めちゃくちゃおもしろかった。笑ってるけど、何がおもしろいのかわからなかった」と最上級の褒め言葉をもらいました。
緊張の結果発表は、3位が554点でこがけん、2位が567点でダブルヒガシ……そして優勝は580点を獲得したZAZYの手に!
「99点」をつけたというヒロミをはじめ審査員からの絶賛を受け、笑顔で喜びを噛みしめたZAZY。感想を聞かれると「ユーミンさんにお礼を言いに行きたい」と、かつてコンサートに呼ばれてネタを披露したことがある“ZAZYファン”の松任谷由実への感謝を述べました。
母校・智辯和歌山と“相乗効果”狙う!?
放送終了後の会見でも改めて、「(優勝を)ユーミンさんとかaikoさんとかはもちろんのこと、むかしからおもしろいと言ってくださっていた皆さんに伝えたい」と語ったZAZY。審査員が口を揃えた「(笑っているのに)何がおもしろいかわからない」というコメントが何よりもうれしかったと言います。
「どこがこのネタのおもしろいところですかと聞かれても、僕もイマイチわかってないところがあるので、先輩方もそう思ってくれるんやと……」
一方、優勝賞金300万円の使い道を聞かれると、「ソファを買い替えて、あとは友だちや気になってる女の子とかとおいしいものを食べに行って、お世話になってる方や親とかに配って……残りは株に投資するか貯蓄するか」と妙に現実的な回答で笑いを誘いました。
今年の『R-1グランプリ』ではフリップのミスもあって惜しくも準優勝となりましたが、今回はデジタルにバージョンアップ。「デジタルはデジタルで回線のミスとかあるんですけど、そういうのは技術さんのせいにできるので最高ですね(笑)。荷物もパソコン1台で軽いですし」と、新たな“武器”に手ごたえを感じたようでした。
「やり始めてまだ浅いので、もっといろいろチャレンジしたい。これきっかけで、もっともっとZAZYに賛否両論集まれば。たぶん、わかんない人はずっとおもしろくないと思うんで、そういう人も含めて僕のネタが届いていけばな、と思います」
ちなみにZAZYは、今年の夏の甲子園で優勝した智弁和歌山高校の出身。母校との“アベック優勝”を実現し、「この勢いで(出場資格がラストイヤーになる)次の『R-1』を獲って、智弁和歌山もセンバツで優勝して……という感じで、いい循環を作れたら」と、相乗効果を狙う発言も飛び出していました。