9月24日(土)、よしもと祇園花月で行われたのが「GAKU-WARA!! ~大学生お笑い祭り~」。このイベントは、大学お笑い界を盛り上げるべく実施されるもの。学生コンビたちが披露する3分間のネタを見て、プロの芸人たちがその場で感じたことをコメント、アドバイスなどを送ります。
錚々たるメンバーのプロ芸人が登場
まず登場したのは、本イベントで毎度MCを務めるミルクボーイ(駒場孝、内海崇)の2人。内海は祇園花月が本当に本気で大学生のお笑いを推していることを伝えると、以前イベントに出たコンビが、今年のM-1グランプリ予選で高い評価を得たことをアピール。駒場は「(学生へのアドバイスが)僕らもためになっている」と明かしました。
続いて、プロ目線でのコメントを伝えるお~い!久馬(ザ・プラン9)、浅越ゴエ(ザ・プラン9)、ギャロップ(林健、毛利大亮)、ネイビーズアフロ(みながわ、はじり)、令和ロマン(高比良くるま、松井ケムリ)がステージに。高卒という久馬が「僕らも大学で結成して……」とひとボケすると、ゴエは「堂々とできているかどうかがポイント」とコメント。毛利は「ツッコミを見てみたい」と期待を込めますが、林は自分より学歴が上で、しかもおもしろいとなると認めたくないと本音をポロリ。みながわはお得意の細かいデータネタを披露して会場を盛り上げると、はじりは「今日ははじり軍団を探しに来た」と個人的な目的を明かします。くるまの今日見るポイントは「目が死んでないか」。続いてけむりは「おもしろい人には吉本に入ってほしい、なので内定決まってる人には厳しくいく!」と意気込みを語りました。
選ばれた学生コンビが漫才、コントを披露
内海からは全組終了後、各自が推しのコンビ1組を選ぶことも伝えられ、いよいよネタがスタート。トップバッターは立命館大学お笑いサークル かわらんものたちからユンガリ。学生お笑い大会での優勝経験もある実力派コンビで、体を使ったボケにテンポいいツッコミが光っていました。続いての天下茶屋は、関西大学 お笑いサークル 関大ストラットからエントリー。遊園地でデートするカップルのやりとりをテンポよく見せました。
ミルクボーイの後輩になる大阪芸術大学落語研究寄席の会からの出場は、1回生男女コンビのプリン御殿。淡々としたテンポで進みつつ、物騒で奇想天外なストーリーのコントを披露しました。立命館大学お笑いサークル かわらんものたちからの2組目は、女性コンビのしかくサークル。歌を絡めたあるある的なボケに、ズバッと切り込むツッコミで盛り上げました。
呉納税脱税は、大阪大学お笑いサークルから。毒矢をテーマに独特のリズムで進むネタに会場も引き込まれていました。同志社大学喜劇研究会から出場したのはアップルドンドン。オフィスを舞台に大きな動きとツッコミが冴えるコントを見せてくれました。ラストは京都大学、京都大学落語研究会のとんがり帽子。この夏に組んだばかりというフレッシュなコンビですが、しっかりとしたネタを披露し、会場を笑わせました。
プロ芸人からの真剣なアドバイスが
審査した芸人たちも皆真剣な表情でネタを注視。結成から間もないコンビもいるなか「ツカミが早かった」「ツッコミのワード作りがうまい」「人間的魅力がネタに生かされている」など、高評価のコメントが続々と飛び出します。その上で「もっとメリハリをつけた方がいい」「キャラを自己分析してネタに反映してほしい」といったものや、所作や動き、展開などについての具体的なアドバイスなど、熱の入った言葉が送られるシーンも。軍団メンバーを探したいと言っていたはじりが見事に軍団員を見つけていたほか、みながわは各コンビの細かすぎる情報を披露、令和ロマンからは会場の誰もわからない関東の学生お笑いについての情報が明かされるなど、もちろん笑いもたっぷりでした。
学生たちのあとは、プロの出番です。トップバッターの令和ロマンは、超人気アニメをベースに思いがけない角度からのボケを連発。アニメを知らなくてもしっかり笑えるネタはさすが。続いてはネイビーズアフロ。スタートかららしさいっぱいのしゃべりで会場を盛り上げると、畳み掛けるスピーディなネタと意外なオチで爆笑をさらいました。ギャロップのネタは怪談話がテーマですが、2人のやりとりに会場は大盛り上がり。次々と繰り出されるボケに笑いが止まりませんでした。
5人の芸人が推しコンビに挙げたのは!?
ラストは出場した学生コンビと芸人全員がステージに。一人ずつ、推しのコンビを発表していきます。ケムリはとんがり帽子、みながわは天下茶屋、毛利は呉納税脱税を推しコンビに。そして、くるま、はじり、林、ゴエ、久馬の5人が挙げたのは、唯一の女性コンビのしかくサークルという結果になりました。
5人からというダントツの評価を受けたしかくサークルは、ボケ担当の河野さんとツッコミ担当の西原さんのコンビ。結成してまだ半年ほどで、人前でできるネタは今のところ3本くらいとのこと。西原さんは「今回のネタがほめられたので、同じ路線のものを作ってみたいと思いました」と笑顔。令和ロマンの大ファンという河野さんは、審査員席にいた2人が「輝いて見えました!」と話すと、「見ていただいただけでありがたい」。今回のGAKU-WARA!!については、西原さんが「出演させていただいた時点で十分大満足です」と謙虚にコメント。次の目標を聞かれると、2人そろって「なんだろう? 何かある?」と話し合いを始めますが、次回GAKU-WARA!!があったら?と質問されると「出たいです、出る機会があればたくさん出ていきたいです!」と、やる気を見せていました。