10月15日(土)・16日(日)の2日間、今年も京都市内各所で開催される京都国際映画祭2022。
その一環として、10月14日(金)、ヒューリックホール京都で第24回京都国際学生映画祭グランプリ受賞作である「Intermezzo」の上映が行われました。
上映後には、京都国際学生映画祭実行長の近藤豊嗣さん、企画部門長の田渕留衣さんが登壇。
1997年の開催以来、毎年2月に行われている日本最大規模の学生映画祭のひとつである、京都国際学生映画祭について、その活動内容や魅力について語りました。
まず、京都国際学生映画祭について、全世界の学生監督が作った映画を募集し、2月の京都で行われる映画祭で上映すること、学生自身が企画広報などを行っていることを近藤さんが説明。田渕さんからは毎年300を超える作品が集まり、そのなかから実行委員が審査して16作品ほどを厳選していることや、字幕についても翻訳ボランティアを集めて行っていることなどが併せて伝えられました。
映画祭に参加したきっかけは、元々映画が好きで海外の方とも交流できるということで興味を持ったと田渕さん。近藤さんはたまたまチラシを見かけたそうで「コロナ禍で部活やサークルも思うようにできなかった」と振り返り、全てオンラインでやっているということでやってみようかと思ったと明かしました。ただ、オンラインだけでのコミュニケーションは難しいと感じることもあったとのこと。とはいえ、実際にイベントを開催できたときなどは達成感もあると話し「発表できる、形にすることはすごく喜ばしいこと」と胸を張りました。
今回上映された作品「Intermezzo」については、田渕さんが文化の違いを感じるとコメント。そして作品に鏡が使われていて、空間の映し方などもおもしろいと思って見ていたとのこと。近藤さんは、満場一致でグランプリだったことを明かし「音楽、衣装、背景、セット、すべてが調和されていて、ひとつの何気ない仕草、会話にいろいろな背景を見て取れるような話の作り方がされている」と絶賛。さらに俳優の演技も含めて「海外の学生のレベルの高さを感じた」そうで、何回見ても飽きないと話しました。
海外と日本の学生作品の違いについては、日本の作品は個人で完結しているもの、自分の感じたことを投影する恋愛ものなどが多いと近藤さん。それに対し、海外の作品は社会性、身の回りに起きていることを作品にして伝えたいという思いを感じると話すと「あとは潤沢な予算は大きい、今回もお金と時間をしっかりかけて作っていると感じた」と明かしました。
そして、2022年度で25周年を迎える京都国際学生映画祭が輩出した、現役で活躍している監督として、二宮健監督、俳優としても活躍している前野朋哉さん、海外では「シャン・チー」を監督し、次回の「アベンジャーズ」の監督が決まっているデスティン・ダニエル・クレットン監督などがいることも明かされました。
京都国際学生映画祭の魅力については、近藤さんが海外の作品を扱っている学生映画祭はここだけとアピール。そして、学生だからこそできることを普段から考えている、それをいろんな人に伝播していく映画祭なのかなと思っていると話しました。田渕さんは学生映画の印象として「普段感じていることを作品に落とし込むのはすごい作業、尊敬しながら見ています」と制作する学生たちへのリスペクトを語りました。 最後に第25回が2023年2月3日(金)から5日(日)、京都文化博物館フィルムシアターで行われることに加え、最終審査員が犬童一心監督、李闘士男監督、早川千絵監督を予定していること、今年の12月11日(日)には京都国際マンガミュージアムでプレイベントが行われることなどを告知して、舞台挨拶は終了しました。