お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳が10月12日(火)、都内で開かれた映画『Our Friend/アワー・フレンド』(10月15日公開)の公開直前トークイベントに登場しました。映画は、余命宣告を受けた妻をめぐる心の機微を描いた感動ストーリー。これまでも「死」に関するメッセージを積極的に発信してきた淳が、相方・田村亮との「絆」や生きるうえで大切にしている「選択肢」について語りました。
大切な人だけどカテゴライズ不可能
『Our Friend/アワー・フレンド』は2015年に『Esquire』誌に掲載され、全米雑誌大賞を受賞したエッセーを映画化した感動作。余命宣告を受けた妻と彼女の夫が、親友の献身的な助けを得ながら、愛と友情という言葉ではとても語りきれない絆を結び、限られた時間をかけがえのない日々に変えていく──というストーリーです。
淳は、自身が発案した遺書動画サービス『ITAKOTO』を展開するほか、今年5月には、母との別れを綴った著書『母ちゃんのフラフープ』(ブックマン社)を出版するなど、「死」をタブー視するのではなく、ふだんからもっと語り合う機会を持つことが大切だと呼びかけてきました。
イベントでは、家族や友人など、さまざまな愛の形が描かれる映画の内容にちなんで、相方・亮の存在についてさっそく質問が。淳は「親友というよりも仕事のパートナーであり、兄弟でもあり、親戚のおじさんのようでもある。大切な人ではあるけれど、どこにもカテゴライズされない」と、その“複雑”な関係性を語ったうえで、こう明かしました。
「彼は僕に向けての『ITAKOTO』も撮っているらしく、『オレが死んだあとに見てくれ』と言われています。『短い言葉になった』とは言われましたけど」
「淳、君はグレートファザーだよ!」
映画は、2人の幼い娘を育てながら懸命に毎日を送るジャーナリストの夫、という父娘の物語でもあります。この日は、その夫・マット役の米アカデミー賞俳優ケイシー・アフレックが、米国からリモート参加。父親として子育てのルールを聞かれた淳が、こう語ります。
「僕は、娘に多くの選択肢を与えたいと思っています。たとえ娘が選択したものを途中で投げ出したとしても、別の道が見つかっているのであれば、それでいいと思う。1つの道を究めさせるというよりは、いろいろなものに触れて、自分が進みたいと思える道を見つけるきっかけを与えたいです」
この言葉に、自身も2児の父であるケイシーは「淳、君はグレートファザーだよ!」とすっかり感心した様子。
「13歳の次男は日本文化が大好きで、早く日本に行きたいと言っている。君にもし力があるならば、入国できるように取り図ってくれないか?」と粋なジョークで持ち掛けると、淳は「入国に関しては力を発揮することはできません!」と笑いつつ、「僕はお城が好きなので、息子さんが嫌でなければ、お城を紹介することはできます。まずは(愛知県の)犬山城から。僕が責任を持ってお預かりします」と返答。これにケイシーは、「日本に行ったら、すぐに君に電話するよ!」と大喜びしていました。
改めて映画の内容について、「ずっと感情を揺さぶられた」と言う淳。
「去年8月にガンで他界した母ちゃんのことを思いながら、死や別れについて考えました。映画を観ながら、どう生きていくべきなのか、改めて自分が生きるうえで何を大切にするべきなのかを考えさせられました」
すでに、淳が立ち上げたオンラインサロンのメンバーとオンライン試写会を開いたそうで、「みんな感情を揺さぶられていたけれど、どこで何を感じるのかは人それぞれでした。僕自身も5、6回くらい泣くタイミングがあって、涙の種類もぜんぶ違いました」と語りました。