もりすけの“花道”に谷川友梨の感涙…吉本新喜劇の次世代「セカンドシアター」のドラマが熱い!

吉本新喜劇の間寛平ゼネラルマネージャー(GM)が、座員のためのさまざまな挑戦の場として立ち上げた「吉本新喜劇セカンドシアター」(大阪・YES THEATER)。この劇場で2月11日(土)、12日(日)に開催された2つのイベントを、新喜劇座員で芸人ライターとしても活動している𠮷岡友見がレポートします!

出典: FANY マガジン
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地元・愛媛に戻るもりすけが「最後にやりたいこと」

まずレポートするのは、11日(土)に開催された『たわもりハウジング~旅立ちの日に』。座員のもりすけは、この3月から新喜劇に籍を残したまま、地元・愛媛で“住みます芸人”として活動することになりました。いつも「たわもり」とセットで呼ばれる相棒座員の多和田上人とともに、最後に大阪でやりたい10個のことを詰め込んだイベントです。

まず、もりすけが挙げたのは「たわもりで新喜劇がやりたい」。その希望を叶えるべく今回特別に作られた『たわもり新喜劇 何も言えなくて…たわもり』が上演されました。

出典: FANY マガジン
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舞台は人口の少ない小さな村の旅館。番頭のもじゃ吉田やアルバイトの多和田が働き、女将の服部ひで子が切り盛りしています。そして、ひで子の溺愛する一人息子、もりすけは“やりたいこと”のため生まれ育った小さい村を出ていきたいと思案中。しかし「誰ひとり欠けずにこの村で一緒に過ごしていこう」と約束した同級生の辰己智之、桜井雅斗や、母ひで子に本当の想いを打ち明けられず……。

愛媛の小さな村から大阪に出てきた“いままで”のもりすけと、育ててくれた大阪を出て愛媛に戻ってやりたいことをする“これから”のもりすけ。そのどちらにもリンクする素敵なお話でした。

出典: FANY マガジン
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「この村のことが嫌いになったんじゃない。こんなに優しくて面白い人がいる村を離れるのは自分も寂しい。でも僕にはやりたいことが見つかって、出ていこうと決めました。絶対に成功して、この村に恩返しするのを約束します」

そんなもりすけの熱いセリフに、キャストも涙。客席からもあたたかい拍手が起こり、幕が下りました。これで大団円かと思わせて、次のステージに続きます。

NSC29期生が大喜利で作る新喜劇

もりすけが次にやりたかったのは、「同期と集まりたい」。たわもりと同期のNSC(吉本総合芸能学院)大阪29期である金属バット、デルマパンゲ、ヘンダーソン、吉田たち、若葉のころ・酒井孝太が登場し、「同期に新喜劇を作ってほしい」というもりすけの願いに応えます。

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さきほど上演された新喜劇の台本を29期メンバーが新しく考え直すのですが、さすがお笑い猛者たち。とんでもない大喜利合戦になり、ボケたおすメンバーに多和田が血管むき出しでツッコみまくりです。

そして29期生たちが作り直した新喜劇を再度、上演したところ、まともな登場人物がひとりもいない舞台となり……さきほどの感動の涙とはうって変わって、キャストやお客さんの目には大爆笑の涙があふれました。

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“愛され芸人”の旅立ち

さらに、「漫才がやりたい」と言うもりすけ。相棒である多和田が相方かと誰もが思った場面で、現れたのはもりすけが以前、組んでいたトリオ・ドルフィンズのメンバーだった岡本晃典と浮田修平です。

ふたりはすでに芸人を引退しているにもかかわらず、もりすけの門出のために再集結し、同期芸人と新喜劇メンバーに見守られながら漫才を披露。ブランクを感じさせないネタで盛り上げました。

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そのほかにも、今回のイベントに出演できなかった同期の見取り図のVTRが流されるなど、さまざまな“やりたいこと”を叶えたもりすけ。最後の望みは「みんなに見送られたい」というものでした。

もりすけは出演者が作った花道をくぐり、多和田から受け取った花束を胸に観客にも見送られ、客席から退場。たくさんの仲間と笑いに包まれた“愛され芸人”もりすけらしい大阪最後のイベントとなりました!

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一風変わった導入で始まる新喜劇

続く12日(日)は、玉置洋行と谷川友梨のイベント『玉置ひろゆき・谷川ゆりの催しごと~恐縮ですが新喜劇させていただきます。~』が開催されました。

2人はコンビを組んで、セカンドシアターで毎月行われている『寛平GM杯ネタバトル』や、MBSの『よしもと新喜劇NEXT~小籔千豊には怒られたくない』で “昭和の香り漂う漫才”を披露しています。早々に完売となった満員の客席には昭和の懐メロが流れ、舞台上に設置されためくりやサンパチマイクで世界観が出来上がっています。

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前説に登場したのは岩崎タツキ。新喜劇に入団するまでは漫談をしていたこともあり、ひとりで堂々と客席を盛り上げます。そして岩崎がめくりをめくると主役を務める2人の名前があり、玉置と谷川の漫才からスタートです。

2人が漫才をすると“昭和の浅草演芸場みたいになる”とよく言われるのですが、実はこの漫才も新喜劇の一部。2人も物語の登場人物で、前説からすべてがストーリーに繋がるという一風変わった新喜劇の始まり方でした。

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個性豊かなコンビが入り乱れるストーリー

舞台は、女将のいがわゆり蚊、娘で若女将の咲方響、そして番頭のもじゃ吉田が働く旅館です。大黒笑けいけいと重谷ほたるがカップルの宿泊客として登場して客席を盛り上げるなか、さきほどネタを披露した玉置と谷川が寄席終わりの漫才コンビとして泊まりに来ます。しかし無一文の2人は旅館を手伝うことになり……。恋愛や親子とコンビの絆などが描かれているストーリーでした。

警官役の太田芳伸と松浦真也によるコンビネタや、リゾート会社社長役の今別府直之の乳首ネタと、その息子役を演じたけんたくんの胸毛ネタのコラボ。ほかにも漫才コンビを演じたタックルながい。と永田良輔の新境地となるネタなど、玉置&谷川だけでない個性豊かなコンビが次々と出てきて客席の子どもたちも大喜びです。

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「ファンからの花」はまさかの自前!?

カーテンコールで客席からの割れんばかりの拍手に谷川が感極まり泣き出すと「泣くんかい!」と総ツッコミが入ります。

そんな谷川には“谷川友梨ちゃんを応援する会”という名前でスタンド花が届いていたのですが、「実はファンの方からではなく、自分で手配して、おカネはお父さんが出してくれました!(笑)」と、まさかのぶっちゃけ。

客席には地元の愛知から話題の父親が来場していて、「良かったよー!」と声援が。まるで授業参観日のような、なんともアットホームな空気になりました。

出典: FANY マガジン
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ここで、ふつうに終わるのかと思いきや「蛍の光」が流れ始め、まさかの出演者全員で合唱。もじゃの「終わり方、独特過ぎるやろ!」というツッコミで本当の終演を迎えました。始まりだけでなく、終わり方も一風変わった新喜劇。主役2人の独特な世界観が爆発していました。

今回のようないろんな組み合わせや、いろんな座員のいろんな面を見ることができる吉本新喜劇セカンドシアター。これからもいろーんなイベントが企画されています。楽しんでいただけること間違いなしです。ぜひみなさん足をお運びくださいませ!

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