吉本興業とABCテレビのタッグで新たに誕生した次世代スター料理人発掘番組『DRAGON CHEF』。「夢と情熱を持った40歳未満の料理人」761人がその腕を競い、現在、1次選考・エリア予選を通過した16人がサバイバルラウンドに勝ち残っています。そうそうたる料理人のなかで唯一、芸人として残ったのがポンポコ団・キング。テレビ番組でもその腕前が話題の彼に直撃インタビューしてきました!
自信あった「駄菓子を使った料理」
――『DRAGON CHEF』サバイバルラウンド進出、おめでとうございます! 最初に勝ち残ったと聞いたときの感想は?
1次予選は動画審査だったんですが、メチャクチャ自信があったんですよ。「地元の食材を使った、ビールに合う1皿」というテーマで、ふつうの料理人の皆さんは使わないだろうという食材を使ったので。
――それは、いったいなにを?
江戸東京野菜の「紫芽(むらめ)」という野菜です。ふだんは刺身なんかについているつまもの、要は添え物の小さな葉野菜なんですけど、それを主役に据えて、ヒラメと重ねて、ビールに合うよう「おやつカルパス」を使ったんです。
――「おやつカルパス」! 駄菓子屋さんとかで売っているサラミのような……。
そうです。ビールにはカルパスが、いちばん合うので。まず、カルパスとヒラメでムースを作って。江戸東京野菜って、品種改良されずにずっとむかしから同じものが作られているので、紫芽とヒラメを層にして「代々繋がっている」ことを表現しました。さらにカルパスで出汁をとったスープを注いで一緒に食べるという。
――その料理で1次予選を通過したわけですね。
はい。いざエリア予選に行ってみたら、すごいホテルとかレストランの料理人の方がたくさんいて、びっくりして。もっと料理上手の芸能人とか芸人とかが、たくさん残ると思ってたんですよ。
――関東エリア予選では「神食材を使ったお弁当」をテーマに作ったそうですが、実際にスタジオに集まって料理するのは緊張するものですか?
賞レースって、まわりがみんな面白く見えるんですよね。それと一緒で、みんながすごく見えて最初は焦りました。でも、弁当にも駄菓子をたくさん取り入れて、独創性の部分をうまく出せたので、手応えはありましたね。
バイトのまかないで鍛えられた料理の腕
――キングさんといえば、バラエティ番組『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日)でたびたび見事な料理を披露していますが、出演のきっかけは?
ライブで料理が得意だって話をしたら、先輩が覚えていてくれたみたいで、『家事ヤロウ!!!』の作家さんに話してくれて出ることになりました。ほんま、なんでも言ってみるもんやなあと思いますね。
――そもそも、料理が得意になったのはなぜですか?
バイトがきっかけです。居酒屋とか、王将、ラーメン屋、イタリアンもありましたし、フレンチっぽいところでもちょっとだけやりました。
――アルバイトでキッチンに入ったことで、楽しさを知ったんですね。
バイトって、基本的にムチャクチャ楽しいものではないじゃないですか。特に居酒屋のバイトなんて、みんな、合間のまかないくらいしか楽しみがないんですよ。だったらせめてそのメシがうまいほうがいい。限られた時間と食材のなかで何ができるかなって毎日、考えながらまかないを作っていたら、いつの間にか料理が得意になってた感じです。
――毎日のまかないで鍛えられた。
はい。居酒屋は休憩が交代制で、みんなバラバラの時間にまかないを食べるから、まとめてたくさんじゃなくて、毎回1人ずつに作るんですよ。その日、バイトに5人入ってたら、5回作ることになる。その人に応じて味とかアレンジを変えながらやってたら、そら上達しますよね。
――その人に応じて!
そうです、それが大事なんですよ。人によって味の好みってバラバラなんで、その人が美味しいと思うバランスを考えて作ってました。いまも、相方と3人で一緒に住んでるんですけど、相方が疲れているときにはパスタを柔らかめに茹でるとか、その時々に応じて変えてます。あとは、相方の彼女とか先輩芸人の奥さんに、食べたい食材と苦手なものを聞いてコース料理を作って出したりもしますし。
――コース料理まで!
誰かにお題をもらったほうが、自分の発想にないものができるから面白いんですよね。
――では、毎日のご飯はほぼキングさんが?
いや、実はそんなことないんですよ。みんな気を使うのか、一緒にカップ麺とかもぜんぜん食べます(笑)。
目指すは料理の楽しさ伝える「料理芸人」
――キングさんの独創的なレシピは、どうやって生み出されるんですか?
まず、最初にテーマを決めますね。漫才とかコントとかと一緒です。設定を決めて、そこにボケを入れるみたいに、「こっちより、こっちのボケのほうがおもろいんちゃうかな」って感じで「この食材のほうがいいんちゃうかな」って。あと、料理人の方って突き詰めれば突き詰めるほど、食べ手にもレベルを要求することがあると思うんですよ。芸人でも、おもろすぎてサラリーマンのおっさんとかが「わからへん」とか言うことがある。でも、カップ麺も、ご飯に卵落としただけでもやっぱりうまいじゃないですか。その「誰でもわかるうまさ」は大事にしてます。
――いま、エリア予選を勝ち抜いてサバイバルラウンドの16人に残っていますが、どう感じていますか?
いや、まわりがすごい人ばっかりで、芸人なんて僕1人で。ここまで本気の大会だとは正直、思ってなかったんで、「ムリや、最悪や!」ってなってます(笑)。
――優勝したら、1000万円は何に使いますか?
ポンポコ団のYouTubeでは「ジープを買う」って言いましたけど、1000万なんて大金すぎて想像もつかないですね。こんな状況(コロナ禍)が収まれば、いろんなお世話になった人を連れて、みんなでジープに乗って打ち上げに行きたいですね。
――『DRAGON CHEF』は「料理人のM-1」という触れ込みですが、もしサバイバルラウンドを勝ち抜いて夏の決勝まで残ると、本当の『M-1グランプリ』の予選も重なってきますね。
『DRAGON CHEF』も、M-1も頑張りたいです。いまの実力では、まだ「料理がすごい」としか見せられてない。お笑いでも評価されたら、料理してるときにもちゃんと笑いが取れるようになると思うんですよ。料理って、かっこいいけど厳しいイメージがあるじゃないですか。でも、もっと芸人の実績をつけて、料理の楽しさを広められる「料理芸人」になれたらって思いますね。
番組概要
『ザ・プレミアム・モルツ プレゼンツ DRAGON CHEF 2021~サバイバルラウンド~』
ABCテレビ(関西ローカル):4月24日(土) 深夜0時5分~0時35分(毎週土曜放送)
ABEMA(放送チャンネル・ABEMA SPECIAL2):4月24日(土) 深夜0時5分~0時35分(毎週土曜配信)
ABEMA SPECIAL2チャンネルはこちらから。
※放送時間は変更される場合があります
出演者:番組MC・山里亮太(南海キャンディーズ)、番組アシスタント・増田紗織(ABCテレビ アナウンサー)
総監督・須賀洋介(SUGALABO Inc. 代表)
次世代スター料理人 No.1 が決定する決勝ラウンドは ABCテレビ・テレビ朝日系列で全国ネット放送!
※詳細は公式サイトなどで発表します。