義手やロボットアームに円神の2人も大興奮!『これが未来の新常識!教えてスタートアップ!』収録現場レポート【Mu-BORG編】

先日スタートしたばかりのBSよしもと『これが未来の新常識!教えてスタートアップ!』。まだまだ世に知られていないスタートアップの最新技術や取り組みを“明るく楽しく”紹介し、常識をアップデートしていくという番組です。

出典: FANY マガジン
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スタートアップとは、世の中をより良くするために難易度の高い技術開発に挑戦し、将来の大きな成功を目指す企業や、将来の日本や私たちの生活を明るく豊かにするためにさまざまな最新技術を開発し、圧倒的な成長率で事業を展開する企業のこと。この番組では、そんなスタートアップを毎回1社ずつ紹介していきます。

今回は、そんな本番組の2回目の収録現場の模様をレポート。この日のMCも、前回に引き続き、佐竹美希アナウンサーと、さまざまなジャンルで活動するパフォーマンスユニット・円神のA.rik(エーリック)、中林登生の2人。次に3人が訪問する会社は、なぜか電気通信大学内にある会社「株式会社 Mu-BORG(ミューボーグ)」です。

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筋電義手を開発する「Mu-BORG」

佐竹アナから「Mu-BORGさんはどんなスタートアップだと思いますか?」と聞かれ、「MU3E(円神のファンの総称)のサイボーグをいっぱい作って、僕たちを応援してくれるとか?」と、ダジャレを交えつつ答えるA.rik。

すると、Mu-BORGのオーナー兼教授の横井浩史さんが「当たりかも!」とノリよく答えてニッコリ。「実はサイボーグの会社なんですよ」と、自身の会社を説明します。

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生まれつきや病気、事故などで手を失った方のための、外観や機能を代替する筋電義手の開発をおもに行っているという株式会社Mu-BORG。大学内にあるのは、大学で研究した技術を、研究だけで終わらせずに製品化・利益化するために会社を立ち上げたからなんだとか。

現在、日本で使われている筋電義手はドイツ製のものが主流ですが、Mu-BORGの筋電義手が、2018年(2自由度筋電義手)、2022年(5指多自由度筋電義手)に、国産の筋電義手として初めて厚生労働省の完成用部品に指定されたんだそう。

オフィス(兼研究室)にあるロボットアームやBITハンド(5指駆動型筋電義手)をエーリックと中林が実際に体験する場面では、自分の手の動きとまったく同じ動きをするアームや、AIが搭載された義手の動きに大興奮する2人の姿も見られます。ここでエーリックが義手での“円神ポーズ”に挑戦するのですが……どうなったかは3月27日(月)21:54~のオンエアをお楽しみに!

出典: FANY マガジン
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番組では、横井さんのほか、社長兼助教である山野井佑介さんにもお話を伺い、会社の今後の展望などについてもお聞きしています。

義手によって得られる「気づき」が重要

出典: FANY マガジン
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収録後、横井さん、山野井さんにお話を伺いました。

――御社の技術へのこだわりをお聞かせください。

横井 生体信号ですかね。今回は筋電と手指の位置の変化速度などをご紹介したんですが、生体信号って、心電図だったり、眼電図(目の動き)だったり、脳波だったり、さまざまな種類があるんです。そういったものをうまく取り出して、人間の機能を補綴(ほてつ。身体の欠損した部位の形態と機能を人工物で補うこと)するために応用していこうというのは力を入れてやっているところです。

――事業を通じて目指す未来はどんな未来ですか?

山野井 たとえば、義手を付けることで今までできなかったことができるようになると、すごく喜んでもらえるので、テクノロジーによってできることをこれからもどんどん増やしていきたいなと思います。

横井 特に義手がわかりやすいんですが、なくなったものがロボット(義手)で再現されるので、一瞬嬉しさを感じると思うんです。でも実は、しばらくすると「なくても大丈夫なんだ」っていうことに気がつかれるんです。実はなくてもできることってとてもたくさんあって、自分の体の中には手があった時と同じような機能がまだほとんど残されている……もちろん、「つまむ」とか、そういう、どうしてもないとできないこともあるんですけど、今まで気がつかなかった機能に気がついてもらえるということがすごく重要なんです。

出典: FANY マガジン
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――「できなくなったと思っていたことができた!」という喜びのあとに、「でも、なくても大丈夫なんだ」という気づきがあるんですね。

横井 そうなんです。で、それは周りも一緒で。周りの人は始め、手がないことを見るとびっくりするんですけど、しばらくすると慣れるんです。人間の体って何も必ずしも指が5本ないといけないというわけじゃないし、いろんな人がいて、多様性があるんだということに徐々に気づいていくんですね。だから、私たちはその段階を少しなだらかにするような役割でもいいかなと思ってます。子どもたちが特にそうなんですけど、やっぱり指がなくて物が掴めないと、縄跳びをしたり自転車に乗ったりするには非常に大きなハードルがあるんですね。でも、義手をつけて縄跳びができるようになると、次は義手がなくても縄跳びできるようになるんです(笑)。そういう、“体を鍛える”じゃないけど、体のある種の能力を鍛えていくようなことって、最初に補助があるだけでずいぶんできるようになるというか、あとは体が残ったものでなんとかやっちゃおうとするんですね。そういうことを支えられるのが本来の大学の技術だと思います。でも、まず商売にならないんですよ。利用者が圧倒的に少ないんで(笑)。

――確かに、義手を付けて、すぐに「なくても大丈夫」と思われてしまったら、商売としては難しいですよね。

横井 そうですね、企業だったら最初のプレゼンでカットされるところだと思います(笑)。ただ、本来国費でやるんだったらそこをやるべきですし。でも、それをなんとかして事業に繋げようとするところがやっぱりロマンですよね。

――ちなみに、収録中は横井教授が好きなキャラクターのお話をされていましたが、山野井さんが好きなものってありますか?

山野井 僕は絵画鑑賞が好きなんです。レオナルド・ダ・ヴィンチとかミケランジェロとか、中世のルネサンスの絵画が特に好きで、美術館巡りに行くのも好きですね。芸術と工学って全然違う分野に思えるんですけど、結構近いところがあるというか、“見たものを人がどう認識するか”みたいな部分が意外と工学にもためになることがあるんです。僕は“生体信号を受け取った機械が人にどうやって情報を見せればわかりやすいか”みたいなことに興味があるので、そういうところは共通してるなって感じますね。

出典: FANY マガジン
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――では最後に、スタートアップに関心がある学生や若者へのメッセージをお願いします。

横井 「日和るな」っていう感じですね。まずやってみよう。で、当然失敗するんですけど、それこそエジソンじゃないけど、99回失敗するまでは、ま、別にいいんじゃない?

――そこまで気力と時間とお金が続けば?

横井 そういうことですね。でも、お金はあんまりどうでもいいのかもしれませんね。一生懸命訴えると、お金はどこからか出てきますので。

――なるほど。では、大事なのはやる気だと。

横井 そうですね。で、失敗をすればするほど失敗の種を全部自分で潰していることになるので、残るのは成功しかないということになります。つまり、成功の確率はどんどん上がっていくはずなので、それを続けられる気力があるかどうかということだと思います。で、そういうところはちょっと頑固になっていいかな、と思います。講義でもよく言うんですけど、「望むと必ず叶う」。その理由は、望むと目的がはっきりしているから、自分の目の前に起こった現象を採用するかしないかということを目的に向かって選ぶことになるので、必ず目的に近づいていく。望まないと、目的がないから何をやってもいいようにはならないんです。

山野井 僕もやっぱりチャレンジし続けることが大事だと思います。何度も何度も続けていかないと成功しないので、それを諦めずにやることが大事かなって思いますね。

     


これからもさまざまなスタートアップを紹介し、みなさんに新鮮な驚きとワクワク感を届けるBSよしもと『これが未来の新常識!教えてスタートアップ!』、ぜひご覧ください!

番組概要

『これが未来の新常識!教えてスタートアップ!』

出典: FANY マガジン

放送:BSよしもと (BS265ch)
初回放送日時 : 3月27日(月)21:54~22:00(※毎月第2・4月曜日オンエア)
出演者 : 円神(A.rik、中林登生)、佐竹美希(BSよしもとアナウンサー)
企画協力 : 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
視聴放送 :
【TV】 BS 265chで無料でご覧いただけます。
【スマホ・PC】BSよしもとホームページより無料でご覧いただけます。

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