月亭八方が、芸人たちのウラ話をおもしろおかしく語る人気公演「楽屋ばなし」。八方の芸能生活55周年を記念して、近畿2府4県を巡る公演ツアーが6月からスタートします。4月5日(水)には吉本興業大阪本社で発表記者会見が行われ、八方はもちろん進行役を務めるなるみや弟子の月亭八光が登場。“ここでしか聞けない話”が飛び出す公演の魅力をアピールしました。
八方「芸人の楽屋、私生活が大好き!」
「月亭八方芸能生活55周年記念『八方の楽屋ばなし』」は、6月24日(土)に大阪・朝日生命ホールで行われる大阪公演からスタートします。
月亭可朝に入門して55年という長い芸能生活のなかで、多くの芸能人と親交を深めてきた八方は、華やかな舞台やテレビのウラ話をデフォルメして語る独特の話芸が人気です。このツアーのメインとなるのも雑談芸“楽屋ばなし”。各公演に長年親交のあるゲストが登場し、懐かしい思い出話から、いまだから話せるウラ話まで、たっぷりとお届けします。また、円熟を極めつつある八方の落語も披露されるなど盛りだくさんの公演です。
会見で八方は、今回のツアーについてこう語りました。
「楽屋ばなしは以前、テレビのレギュラーで、芸人さんのいろいろな私生活の面白いところを皆さんにご報告していましたが、なんとなく、昭和の芸人の空気というものが世間に出にくくなった時代になりまして。でも、我々の先人の私生活は滑稽で妙で面白いものですから、もう亡くなっている方がほとんどですが、少しでも蘇ったらいいなと。昭和の芸人の楽屋ばなしを聞いてもらいたい、楽しんでもらいたいという思いで開催します」
さらに、こう続けました。
「私は芸人の楽屋、私生活が大好き。だから黙っていられない。面白いことを聞かされたら自分だけで楽しむのはもったいないと。これは言うたらあかんでと言われたら言いたくなる。なのでこのツアーでは大っぴらに言っていきたいなと思っています。ぜひ楽しんでください」
55年という芸能生活については、飄々と「長かった」と振り返ります。
「55年もやってんねやと。ダラダラと長いなと。我々の世界は終わりがないですから。まあ、55年というても、それくらい働いている人もいっぱいおるんちゃいますかね」
また、「自分自身の気持ちが元気な間は、上方の芸能界の伝統的な話を残していけたらと思います」と心境を語りました。
各公演のゲストは大物ばかり!
仕切りは「なるみにお任せ」という八方。なるみは各公演のゲストについて、「恐ろしいメンバー」と戦々恐々です。なるみが「それこそテレビでは言えない話ばかりになるでしょうね」と水を向けると、八方はこう話しました。
「テレビで堂々と言える話は、きっと彼らもしないと思います。7月1日(土)の和歌山公演のゲストの村上ショージさんも楽しみですよ。彼は舞台の進行をしていたので、我々の先輩のことを見ているんですよ。僕らも知らんことを進行時代に知っているので。同じ日のゲストの間寛平さんも、顔を見あわせただけでお互い、“言わんといて”と言うようなことがたくさんあります。千穐楽でもある12月9日(土)の京都公演にゲストで来られる西川きよしさんには立ち話で“出てくれますか?”と言っただけなんですけど、もうチラシに載っていて……」
どの会場のゲストも、上方芸能界の生き字引ともいえる面々。すでに鬼籍に入った師匠方のエピソードもおそらく出てくるだろうということで、八方は「師匠方を知らない人もいると思うので、できたらR55(55歳以上限定公演)にしてほしい」と冗談交じりに話します。
「今年の1月に天満天神繁昌亭で大村崑さんをゲストに迎えて『楽屋ばなし』をしたのですが、大村先生の元気な姿を見てよかったという方がいっぱいいました。大村先生のエピソードに出てくる芸人さんの名前は亡くなった方ばかりで、皆さんどこまで理解しているかなと思ったけど、楽しんでいらして。今回のツアーでも亡くなった師匠のお話も出てくると思いますが、その方を知らなくても理解してもらえると思います」
全公演、オンライン配信がないことから、文字通り“ここだけの話”がたくさん飛び出しそうです。
八方が全幅の信頼を寄せているなるみも、公演に向けて意気込みます。
「師匠方が暴走するんじゃないかということで、そのあたりは私に止めてほしいと。久しぶりに“おやじ転がし”をしようかなと思います(笑)。ほっといたらいつまでもしゃべると思うので。とはいえ、お客さんには何も考えずに笑っていただきたいなと。そのお手伝いができたらと思います」
西川のりおの“暴走”は必見!?
一方、息子として、弟子として、いちばん近くから八方を見てきた八光はこう語りました。
「この世界に入ってほんまに思ったのは、誰からも父の悪口を聞いたことがないことですね。あと、楽屋で灰皿を出しただけで“八方ちゃんの息子やのによう気がつくな”と。逆に悪いことしても“そんなところだけ八方ちゃんに似て”と、どっちに転んでもプラスに働いたので、そこは感謝です。あと、僕は『楽屋ばなし』で稼いでもらったおカネで学校に行かせてもらいました。実際に“楽屋でこんなことがあったなぁ”と話をしてくれるんですが、知らないことでも面白いですね」
八光はさらに公演の見どころをアピールします。
「8月13日(日)の奈良公演に西川のりお・上方よしお師匠が出ますが、いまのりお師匠はアクセル全開。ブレーキが効かない状態になっているので、この回はとんでもないことになると思います。いろんなことを実際に経験した世代の方からリアルなお話をお聞きできると思いますし、2府4県、全公演に来ていただいても、違う話が聞けると思います」
5年後の芸能生活60周年の年には80歳になる八方は、「年齢的にもこれが最後だと思う。これをもって……静かにします(笑)」と本気ともウソともとれない宣言をします。そして最後に改めて「昭和の良き時代、芸人の気持ちが豊かな時代の話を聞きに来てほしいですね」と呼びかけました。
公演概要
月亭八方芸能生活55周年記念「八方の楽屋ばなし」
【大阪公演】
日時:6月24日(土) 開場13:00 開演13:30
場所:朝日生命ホール
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>ザ・ぼんち
チケット:前売・当日3,500円
【和歌山公演】
日時:7月1日(土) 開場13:00 開演13:30
場所:和歌山県民文化会館 小ホール
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>間寛平、村上ショージ
チケット:前売・当日3,500円
【奈良公演】
日時:8月13日(日) 開場13:00 開演13:30
場所:学園前ホール(奈良市西部会館市民ホール)
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>西川のりお・上方よしお
チケット:前売・当日3,500円
【兵庫公演】
日時:9月3日(日) 開場13:00 開演13:30
場所:さよう文化情報センター・おりひめ文化ホール
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>桂小文枝
チケット:前売・当日2,500円
【滋賀公演】
日時:10月28日(土) 開場13:00 開演13:30
場所:滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 小ホール
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>桂南光(株式会社米朝事務所)
チケット:前売・当日3,500円
【京都公演】
日時:12月9日(土) 開場18:00 開演18:30
場所:よしもと祇園花月
出演者:月亭八方、なるみ、月亭八光
<ゲスト>西川きよし、今田耕司
チケット:前売・当日3,500円
『八方の楽屋ばなし』公式サイトはこちらから。
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