初の「アート展」開催! Dr.ハインリッヒが語る「カッコいいものと美しいものは面白い」

お笑いコンビDr.ハインリッヒのコンビ結成15周年を記念した初のアート展「㐧一回Dr.ハインリッヒのアートの館」がLaugh & Peace Art Gallery(大阪市中央区)で、9月18日(金)~28日(月)に開催されます。一卵性双生児の姉妹、山内幸と山内彩の織り成す独特な世界観をアートの形にした今回の展示会。初日を直前にした2人に、アートへの“こだわり”から『M-1』卒業後の自分たちのお笑いなどについて、たっぷりと語ってもらいました。

出典: FANY マガジン

今回の展示会は、2人のアートワークを手掛けるアーティスト兼デザイナー・ヘンミモリ氏とのコラボ展です。2人のこれまでのフライヤーデザインや過去写真に加え、今回のために撮り下ろした最新写真や、2人の私物、ヘンミモリ氏のアート作品などを展示しています。

9月19日(土)・26日(土)には、クラウドファンディングサイト「SILKHAT」で、オンラインのトークイベントや、ヘンミモリ氏とのリモート対談企画を開催。さらにポスターやTシャツ、ステッカー、クリアファイルなどグッズ販売も充実し、盛りだくさんの内容となっています。

出待ちとツイッターで奇跡の出会い

――ヘンミモリさんとの出会いは、2018年末に東京であったDr.ハインリッヒのライブ後、ヘンミモリさんが2人の「出待ち」をしていたことがきっかけだったそうですね。

幸・彩 そうなんです。

 実はお名前は知っていたんですよ。わたくしがツイッターをやっていまして、2012年に『THE MANZAI』(フジテレビ系)の認定漫才師になったときぐらいから、ツイッターで「Dr.ハインリッヒ面白い」と書いてくれる人が増えてきたんです。そのなかにいた子だったんですよ。

その子の文章を見ながら「頭がいいな」とか「センスのある子やな」とか「こんな子に応援されてたら嬉しいな」と思っていて。それで、出待ちをしてくれた時に「デザイナーで~」という自己紹介があったんで、「じゃあ、またツイッターとかで連絡ちょうだいね」と言ったら、後日、あのセンスのいい子から連絡があって、「あ、あの子だ!!」と。なんなら、うっすら昔から“両思い”でしたね。

――まさに「奇跡の出会い」ですね。

 フライヤーって大事なものなので、われわれはこだわっていて、だからセンスある人がいいと思っていて。それで、作品を見ながら「この子は信用できる」と思って頼みましたね。もともと、われわれのファンでいてくれているから、漫才も理解してくれていて話が早いんですよ。

 ネタとか衣裳の感じとか、Dr.ハインリッヒが自己プロデュースして表していることへの理解ですよね。「こうありたい」ということをすぐわかってくれる感じがいいですね。

 “美意識”の部分が合うのが、いちばん嬉しいですよ。

出典: FANY マガジン

「カッコいいものは笑けてくる」

――このアート展では、「生きとし生ける者へのララバイ」(初単独ライブのタイトル)というDr.ハインリッヒの漫才の世界をアートで表現する、と。

 そうですね(笑)。「漫才の世界」プラス「アート展」用にわたくしが言葉をヘンミモリさんに渡して、「こういう感じのイメージでやってください」と伝えています。アート展は、舞台を観て笑ってもらう漫才とはまた違うので、どうやって観てくれるんだろうって楽しみです。作品の前で笑ったりするのか、美術館のように静かにじっと観てくれるのか……。実験的要素がありますよ。

 漫才の単独ライブでもないDr.ハインリッヒの新しい笑いの表現方法……。「面白い」と「かっこいい」と「美しい」が正三角形のバランスで共存していて、これはヘンミモリさんと出会う前からですが、この3つのバランスをずっと意識してフライヤーも作っていて。ヘンミモリさんと出会って、さらにいいものになって、と。

 われわれがモデルでありキャンパスの住人。絵の中にわれわれをはめ込んでいるような感じです。

――「正三角形」のコンセプトは興味深いですね。

 これは小さいころからの感覚で、「カッコいいものと美しいものは面白いな」という思いがあったんですよ。エリック・クラプトンとか、めちゃくちゃカッコいい人って笑けてくるじゃないですか(笑)。宝塚の男役の人もそうですね。カッコいいものは笑けてくるんです。見れば見るほど、カッコいいものと美しいものはおもろいなあって。

 (ロックバンドの)THEE MICHELLE GUN ELEPHANTも、カッコよすぎて笑けてくるんです。自分たちもそんなんやりたいって思って。

M-1卒業で「自由を手に入れる」

――今回は「㐧一回」ですが、㐧二回、㐧三回と続けることは考えていますか?

 わたくしの個人的な思いとしては、継続的にやっていけたらなと……。われわれは芸歴が15年で、15年前は「女芸人がそんな表現をしても世間に受け入れられるわけがない」みたいな空気感がありましたし、理解者も味方も誰一人いなくて。いまやっと時代が違和感なくわれわれを受け入れてくれているという感じがして、それが嬉しいです。

アート展はずっとやりたかったことで、いまはむしろ「そういうところが観たいんだ」と言ってくれるファンの人がいっぱい増えてきたので、これからもやっていけたらなと思ってます。

出典: FANY マガジン

――今年は、『M-1グランプリ』のラストイヤー(出場は結成15年以内のコンビ)です。今年の『M-1』の目標、そして今後の漫才師としての展望を教えてください。

 『M-1』はもはや「優勝一択」で、いまも挑戦している最中なんですけど、『M-1』はデビュー当時からあったものでしたから、16年目になってわれわれのなかから『M-1』がなくなった後、自分は何を作るんやろうと。いま芸歴15年以内の漫才師って、単独ライブをしようが、何しようが、常に頭のなかで「M-1が……」ってなるんです。『M-1』用のネタになるかどうかとか。だから、16年目に入って『M-1』の鎖が外れたときの自分自身にすごく興味があります。

 自由を手に入れることなので、これは。

 もちろん、われわれのなかで『M-1』なき後も、単独ライブも、アート展もやっていきたいです!

アート展概要

「㐧一回Dr.ハインリッヒのアートの館」

出典: FANY マガジン

場所:Laugh & Peace Art Gallery

入場無料・予約不要

開催期間:9月18日(金)~9月28日(月)

時間:13:00~18:00

定休日:火・水

※19日(土)・26日(土)は13:00~17:00まで

場所:Laugh & Peace Art Gallery(大阪市中央区難波千日前3-15 吉本本館)

SILKHATイベント

①9月19日(土)19:00-20:00 「Dr.ハインリッヒのアートギャラリーからこんにちは」

②9月26日(土)19:00-20:00 「Dr.ハインリッヒ&ヘンミモリのアート夜話」

詳細はこちらから。

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