行定勲監督があの女性芸人にラブコール!? キーマン4人が語る『関西演劇祭』の楽しみ方

演劇を通して関西の街を元気にしようと昨年始まった『関西演劇祭』が、今年も11月21日(土)から29日(日)に開かれます。いよいよ間近に迫った今回は、フェスティバル・ディレクターを務めるお笑い芸人の板尾創路と、審査員を務める映画監督の行定勲氏、劇作家で演出家の西田シャトナー氏、そして実行委員長の女優・羽野晶紀の4人に、このコロナ禍のなかで開催する意義や、その見どころなどについて語ってもらいました。

出典: FANY マガジン

『関西演劇祭』は、「クリエイター×劇団×観客の出会いの場を提供する演劇祭」をモットーに、関西から演劇シーンを盛り上げようと2019年に始まりました。2回目となる今年は、一時はコロナ禍の影響で開催が危ぶまれたものの、なんとか実現へ。今回は、関西圏はもとより、ほかの地域からの劇団も参加し、さまざまな魅力を放つ10劇団の作品が並ぶことになりました。

「この形はアリやな」

――板尾さん、改めて昨年の第1回『関西演劇祭』を振り返ってどのような印象でしたか?

板尾 こんな形で演劇祭をやるのは初めてだったので、どないなんやろうなって感じだったんですけど、それぞれ45分のお芝居を観て、終わってからティーチイン(上演後に劇団員、観客、審査員が意見交換する仕組み)でお客さんが質問したり、感想を言ったりして、笑いもあって、わりと心地よかったんですよね。

関西の劇団はぜんぜん知らないし、出てくる人もみんな初対面。だからこそ、なんの先入観もなく、面白い人たちは面白いし、圧倒される場面では圧倒されました。そのあたりは、お客さんの感覚と変わらなかったと思います。去年は、終わった後に劇団員やスタッフのみんなで居酒屋に行って、普通にしゃべって。今年はコロナ禍の影響で実現できないと思うけど、そういうところもよかったし、全体的に楽しかったですね。それで「この形はアリやな」と思って、皆さんにお勧めしています。この良さは体感しないとわからない。

出典: FANY マガジン

――羽野さんが今回、実行委員長を引き受けた決め手は何だったのでしょうか?

羽野 昨年は(女優の)キムラ緑子さんが実行委員長をされたので、最初は「え? 私でいいの?」って。でも、私で務まったら、来年からの人は楽だろうなというのと(笑)、いまの関西の小劇場がどうなっているのか知りたくて。東京は東京で劇団同士がすごく刺激しあっているけど、こっちはどうなのかなっていうのがあります。

コロナ禍による自粛から、いまようやくエンタメが動き出したところなので、がぜんやる気が出てきたというか、楽しむ気満々になっています。ただ、小さい劇場はまだまだとても大変なので、できることからやったほうがいいなという気持ちもあります。ぜひ応援したいと、そんな気持ちです。

有観客と配信の「ハイブリッド」

――今年は新型コロナの影響で、演劇界も思わぬ窮地に立たされました。そんな中で、舞台のオンライン配信なども始まっています。いま演劇で何ができるのか、行定さんや西田さんはどう考えていますか?

行定 いちばん明確なのは、音楽や演劇は、観る側もプレイする側もフィジカルで目の当たりにしないと真価が問えないということです。そういう意味では、映画もスクリーンで体感すると明らかに違う。

とはいえ、今年の『関西演劇祭』は、有観客と配信のハイブリッドで両方やります。いまの時代、選択肢をつくるということは僕はやるべきだと思うし、これからも、やっていくものだと思います。やっぱり劇場に行かないとこの面白さはわからないだろうというのはありますが、配信があれば、関西まで行けなくても、どんな団体がいるのか、どんな作品があるのかを知ることはできますよね。

出典: FANY マガジン

『関西演劇祭』はそれが目的です。新しい才能を見つける、関西にこんな面白い人たちがいるんだよって。もっと言うと、ほかの地域から『関西演劇祭』を目指して、応募したいと言い始めるといいなと思います。

――この時期だからこそ、なおそら「こういうことができるんだ」と伝えられたらいいですね。

西田 個人的には、こういうことが起きても間違いなく演劇は生き延びると思います。ただ、どう生き延びるかは、いままさにできることをやりながら、うまくいったかどうか確認しながら、こつこつと付き合って調べている状態だなと感じます。

いまは、「劇場へ行く」ということがちょっと前よりすごく貴重で、ファンタジックなことになりました。そんななかで、(オンライン配信など)やれることも見つかった。ただ、そこで簡単に「素晴らしいよ」と結論を出すのではなくて、しばらくはじっくりと世界を見ながら進んでいく時期なんじゃないかと思います。

慌てず、未来を見て、芝居を作っていく。『関西演劇祭』も、すごく未来のことを考えている演劇祭だから、いい機会だと思います。

出典: FANY マガジン

10劇団の中に輝く女優さんがいた!

――『関西演劇祭』の参加団体の中から、こんな人に出てきてほしいという期待はありますか?

板尾 どういう人が出てきたらいいとか、そういうことは考えてなくて。出るとしたら自然と出てくると思うので、そこは自然の流れに任せています。ただ、ここで光った人が次に世界で活躍するとか、そういうのはちょっと見てみたいですね。「そういえばあの子、『関西演劇祭』に出てたやん」とか、「あの演出家、ここで作・演出してた子やん!」とか。

行定 僕も前回観て、この子は先に誰も使わないで!って思っている子いますもん。

――おお、それはどなたでしょうか?

行定 (お笑いコンビ・爛々の)萌々ちゃんです。映画で使うな!!って思っていて(笑)。「監督、すみません、この作品に出ます」とか言われると、結構、嫉妬します。かといって、僕に映画の予定がないんだけど(笑)。

10劇団を見ると、そこにスターとか、スター演出家が生まれるんですよ。だから僕はいつも若い子たちに言っているんだけど、「視野を狭くして、そこではトップになろう」と。そうすることで、意外とぽっと摘み上げられたり、いい使い方をされたりして、バーン!と行くんですよね。

出典: FANY マガジン

それは日本という範囲でもそうで、国内って狭いわけですよ。ここで輝いていても世界で通用するかわからない。でも、「ここにはあいつがいる」となったら、世界は見逃さない。それを、本人は意外と気づいてないんです。羽野さんもさっき、「私でいいんですか」と言っていたけど、羽野さんは(関西の小劇場で活動していたころに)「関西にすごい女優がいるんだよ、かわいいんだよ、もうすっごい面白いんだよ」と言われていましたからね。

羽野 私はまったく知らなかった(笑)。

行定 自分では気づいてないんだよ。「羽野晶紀はすごいんだよ!」と話題になっていて。そういうことも久しくなかったけど、実際に去年参加した10劇団の中に輝く女優さんが僕の中にはいたから、そういう人には出会いたいですね。

板尾 出会いたいなあ!

行定 板尾さんも言ったように、そういう人って自然といるんだと思うんですよね。

西田 そういう人が見つかる場所だと思って、観る側は最初の目撃者になるつもりでいてほしいですね。

板尾 そうそう。

出典: FANY マガジン

西田 そろそろ、そういう人が出てくるころじゃないかと思います。観客が作品の評価に惑わされずに観るのは、すごく面白い機会です。この先に出てくる人を選ぶ楽しさのある演劇祭だと思います。「俺は目をつけてたよ」って、後で言いやすいですし(笑)。

――最後に羽野さん、実行委員長として『関西演劇祭』に向けてメッセージをお願いします。

羽野 いまは、自分たちが芝居をやっていた時に比べて何が違うかというとSNSがあること。お金をかけなくてもポチっとやってくれれば、めっちゃ情報が広がるといういい時代なので、ぜひ劇場で見た方はSNSで「よかったよ」と広めてもらって、それでまた足を運んでくれる人の輪を広げてくれたらいいなと思います。『関西演劇祭』はこれからも続けたほうがいいと思うので、ぜひよろしくお願いします!

開催概要

『関西演劇祭2020~お前ら、芝居たろか!~』

出典: FANY マガジン

日程:11月21日(土)~28日(土)
※審査発表は11月29日(日)
場所:COOLJAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪市中央区大阪城3-6)
参加劇団:Artist Unit イカスケ/安住の地/キミノアオハル/くによし組/劇団アンサングヒーロー/劇団 右脳爆発/劇団The Timeless Letter×ラビット番長/劇団乱れ桜/ばぶれるりぐる/May
実行委員長:羽野晶紀
フェスティバル・ディレクター:板尾創路
スペシャルサポーター:西田シャトナー、行定勲、櫻井賢(NHK)、NTTぷららプロデューサー

<チケット>
一般:前売3,000円 当日3,500円
学生割引:前売2,000円 当日2,500円
オンラインチケット:2,000円 ※11月27日(金)、28日(土)の公演のみ。

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