人気イラストレーター・すぐる画伯の初の本格的な個展『世界がもっとほのぼのしますように展』が、7月21日（金）から東京・渋谷のモンキーギャラリーで開催されています。開幕前日には、すぐる画伯が尊敬してやまないという芸人で漫画家のカラテカ・矢部太郎とトーク会を実施。作品のこだわりや異色の経歴などについて語られました。
“絵を描く芸人”界隈で話題に
2017年にNSC（吉本総合芸能学院）を卒業したすぐる画伯は、2019年ごろから似顔絵や一コマ漫画などをSNS上で発表。これまでに2000人以上の似顔絵を制作し、Instagramのフォロワー数は16万人に達しています。2021年には一コマ漫画を集めた書籍『1秒できゅんとする！ ほのぼのザわーるど』（宝島社）を出版しました。
矢部をリスペクトするすぐる画伯は、「尊敬する吉本の先輩に来ていただいて、ありがとうございます！ ずっとお会いしたくて、昨日も眠れませんでした」と興奮気味。熱いラブコールを受けた矢部もすぐる画伯の評判は知っていたと言います。
「鉄拳さんを中心とした絵を描く芸人の集まりみたいなのがあって、そこですぐる画伯というニュースターがいるというのは話題になっていました。インスタやSNSでバズってるっていう話を聞きまして、僕もお会いしてみたいなって」
すぐる画伯が自身の作品の感想を尋ねると、矢部はぐるりと会場を見渡してこう絶賛します。
「量がまず、すごいですね。そして、どれも“ふわ・クス・ほっこり”という感じで、すべてのネタがちゃんとオチて成立しているのが面白い。これだけの量で、ちゃんと笑いがあるっていうのが素晴らしい。これが若者にバズっているのかと」
すぐる画伯が「キャプションはつけず、タイトルだけで、その1枚で（ネタが）完結するということにはこだわっています」と嬉しそうに説明すると、矢部は「いますぐにグッズ化できそう。ガチャガチャとかいけそうじゃないですか。ぜひ、吉本に言ってみたほうがいい」とアドバイスしました。
今回の個展では、ふだんはデジタルで作品制作をしているすぐる画伯が初めてアクリル絵の具で描いた作品が展示されているほか、コロナ禍にオンラインで行っていた「テレワーク似顔絵」の作品も展示。「これまで3000人くらいは描かせてもらったなかから、今年の1月から5月31日までに描いた439人を敷き詰めている」とのことです。
横浜市役所→芸人→イラストレーター
囲み取材では、すぐる画伯の経歴の話に。すぐる画伯はNSC入学前に横浜市役所での勤務経験があります。矢部は、「すぐる画伯の雰囲気や作品には市役所感ないけれど、毎日きっちり納品（SNSへの投稿）ができるのは、市役所勤務が生きている！」と分析。すぐる画伯は、公務員から芸人の道へ進んだ理由をこう語りました。
「もともと芸人をやりたいという思いはありましたが、親には反対されていました。新卒でいられるチャンスは1度しかないので、芸人をやって、ダメだったら中途入社で…というより、新卒として1度きちんと就活をしようと。それで、公務員だった父の背中を追うかたちで市役所に勤めました。それでも熱が冷めず、芸人の道へ進んだんです」
そして、イラストレーターになった経緯について、こう説明します。
「漫才師に憧れてNSCに入学しましたが、組んでいたコンビを解散していた時期に、1人でネタ見せに行って、そのときにとりあえず絵を書いたんです。そうしたら講師の方が、『その絵を本格的にやったほうが絶対にいいよ』って言ってくださって。僕は楽しませられたら何でもいいやと、手段にこだわりなかったので、じゃぁ画伯をやろうと決意しました。書籍が2021年に出版されたときに、吉本が正式に『イラストレーター』という肩書きにしてくれて。それで、今日は胸を張ってここに立っていられるという感じです。吉本に居続けているのは、“面白い”を描き続けたかったので……」
矢部が「ネタからアートのかたちになったんだね」と感心すると、すぐる画伯は「テーマは一貫して“お笑い”です」と語りました。
『世界がもっとほのぼのしますように展』は7月31日（月）まで開催。会場では、Tシャツやアクリルキーホルダー、トートバッグなどのグッズも販売しています。期間中、すぐる画伯本人が毎日在廊し、人数限定の似顔絵イベントも開催予定です。
個展概要
すぐる画伯「世界がもっとほのぼのしますように展」
日程：7月21日(金)～7月31日(月)
時間：10:00～19:00
会場：モンキーギャラリー（東京都渋谷区猿楽町12-8）
入場料：無料
※8月1日（火）に個展の打ち上げとして渋谷のヨシモト∞ドーム ステージIでトークライブ「お乾杯」とサイン会を開催します。
詳細はこちらから。
