吉本新喜劇の未知やすえの還暦記念公演が、8月11日(金・祝)に大阪・なんばグランド花月(NGK)で開催されました。やすえは7月に配信スタートしたデビュー曲『めっせいじ』のほか、新たにリリースされる新曲を夫の内場勝則とともに披露。新喜劇にはまさかのスペシャルゲストも登場し、盛りだくさんのステージになりました。
ミュージックビデオの撮影を敢行!
この日の公演は『未知やすえ 60祭 還暦記念特別公演~お祝いしてくれなきゃ脳みそストローでちゅーちゅーしちゃうぞ~』と題され、NGKの入り口ではうちわやキーホルダーといったオフィシャルグッズを求める人が行列をつくっていました。
開演直前に、この日のステージでミュージックビデオの撮影が行われることが発表され、いよいよ幕が上がります。舞台上には、往年の人気音楽番組「ザ・ベストテン」を模したセット。司会者役の末成映薫と西川忠志に呼び込まれ、やすえが80年代のアイドルを思わせる真っ赤なワンピースで姿を現し、客席からは万雷の拍手が送られました。
「歌手が小さなころからの夢だった」というやすえは、もう無理だろうと思ってあきらめていたものの、60歳を機に新しく人生をスタートさせたいと思って歌手デビューしたと明かします。そして、自身が愛娘を思って作詞したデビュー曲『めっせいじ』を、ダンサーを従えて熱唱。歌い終えたやすえが「ときどき、おっさんの声が出てきました」と笑わせると、会場は再び大きな拍手に包まれました。
やすえが北村一輝にキレ芸!?
続いて、お待ちかねの新喜劇。夫である内場勝則に加え、吉田ヒロ、辻本茂雄、末成映薫、浅香あき恵、島田珠代、山田花子、石田靖といったベテラン勢のほか、人気若手座員たちも多数登場します。
歌手のやすえが営む花月うどんを舞台に、内場も含めた大人の三角関係が展開するかと思いきや、さまざまなトラブルが巻き起こり……。劇中、やすえが内場のプライベートでのエピソードを暴露して笑いを誘うと、座員たちもおなじみのギャグを連発します。
特別ゲストの俳優・北村一輝が登場するとひときわ大きな歓声が上がりました。借金取り役の北村は、パープルのスーツに派手な柄シャツという出で立ちで登場し、座員たちとの息の合ったやりとりをみせます。北村が、珠代と一緒に「パンティーテックス」を披露すると、客席は大爆笑に包まれました。
ここからやすえがおなじみのキレ芸を披露。メンバーに次々とダメ出しをしていき、北村にも「エライ楽しそうやね、汗かいて、ホンマは心臓バクバクやろ、チキンハートやな!」と畳みかけるようにツッコミ。会場からは笑いと拍手が起こりました。
寛平GMもビデオで祝福
新喜劇終了後は、会場にお祝いのビデオメッセージが流されます。新喜劇の間寛平ゼネラルマネージャー(GM)は「10代のときはかわいかった……はぁ〜還暦……」と繰り返して笑わせると、「いまもかわいいよ、これからもがんばっていきましょ!」とエール。共演経験のある歌手の渡辺美里は「本当におめでとうございます」と祝福し、「正統派アイドルとしてデビューした曲をいっしょに歌いたい」と呼びかけました。
新たにリリースされる曲『ちぐはぐ最強夫婦』を作った円広志も登場。この曲はやすえと内場をモデルにしたそうですが、ほかの夫婦が聞いても「ウチもそうですよ」という共感を得られる内容になったとのこと。
ここでステージ上にやすえと内場が登場。やすえは改めて「今回はやりたいことすべてやらせていただいた」と笑顔を見せると、イベント後に配信がスタートする内場とのデュエット曲『ちぐはぐ最強夫婦』を熱唱しました。
ラストは出演者全員が再びステージへ。やすえが「私がこのメンバーで新喜劇をやりたいというベストなメンバーでやらせていただきました」と語ると、大きな拍手が起きます。
やすえは改めて「好きすぎてたまらんかった」とゲストの北村を紹介。すると北村は段取りが無茶苦茶でリハーサルの意味がないと暴露します。その上で「(言って)いいですか、ふざけんな!」と笑顔で座員たちにブチ切れ、「大阪最高でした!」と挨拶。会場からさらに大きな拍手が起こると、最後はやすえの「ありがとうございました!」の声で公演は終了しました。
次の挑戦は「フィギュアスケート」!?
公演終了後の囲み取材にはやすえと内場が出席。やすえは「無事に終わったのというのが、ホッとしてる」と安堵の表情を見せます。内場も「スタッフとお客さんも全部あたたかくて、同じ方向を見てる、包んでくれたようなすごくいい舞台」と振り返りました。
しかし、内場は「ただ僕は歌だけが心配で、気が気じゃなかった」とポロリ。やすえも練習時間が取れなかったことを明かし、「ただただ不安。でも私は楽しかった」と振り返ります。歌の自己採点は? という質問に内場は「50点くらいですかね」と回答。やすえも「間違っちゃったんで50点くらい」と話すと、「2人合わせて100点」とまとめました。デュエットで披露したおそろいの衣装は、いろんなパターンのなかから、やすえが一目惚れしたものだそうです。
特別ゲストである北村との共演についてやすえは、「ずっと憧れていた、そんな方とまさか(共演が)実現すると思ってなかった」と興奮覚めやらぬ様子。内場は北村の稽古が10分くらいしかなかったことに触れ、「でも完璧にやってはる。びっくりしました。勘がいいんだな。やっぱり関西の人だなと思った」と絶賛でした。
マイクをつけるゲストも多いそうですが、北村は地声でステージに上ったといい、やすえは「リクエストしてよかった」と笑顔。さらに、今後やってみたいことは? という質問には、「フィギュアスケート」や「社交ダンス」などにチャレンジする仰天プランも飛び出しました。