兵庫県養父(やぶ)市と吉本興業、そしてソフトバンク株式会社の3者が9月8日(金)、次世代のインターネット技術・Web3を活用した同市での取り組みを推進する「連携協定」を締結しました。養父市と吉本はこれまでも、地域の魅力をエンタメの力で盛り上げていくことを目的とした地方創生型メタバース事業「バーチャルやぶ」の企画・運営を進めてきましたが、これを強化・発展させるために今回、新たにソフトバンクが参加。新サービスの「バーチャルやぶ in ZEP」をスタートさせました。
養父市長は「嵐を呼ぶ男」!?
同日、吉本興業東京本部で開かれた「Web3活用における事業展開 メディア発表会」で司会を務めたのは、メタバース上のバーチャル劇場「月面劇場」で、よしもと芸人として初の単独ライブを開催した実績もある“メタバース芸人” ZAZYと、久代萌美アナウンサーです。
実は、こうした記者会見の司会は初めてというZAZY。「久代さんを横に置いての総合司会なんて、もう(人気バラエティ番組『さんまのお笑い向上委員会』の)さんま師匠ですよね」と“やる気”を見せます。
まずは、養父市の広瀬栄市長が「台風とともにやってまいりました。嵐を呼ぶ男です」と笑わせつつ挨拶。約30年後の2050年の養父市を見据えた挑戦をしているという市長が、今回の連携協定の意義をこう語ります。
「いまの子どもたちが、大人になったときにも活躍の場が持続できている町づくりを目標としています。(その一環で)養父市に住む人々にとって居心地のよい場として“異空間構想”に取り組んでいて、吉本興業さんと『バーチャルやぶ』を展開中です。今回、より推進力を強化し、大きな成果を残していくために、ソフトバンクさんとも連携していくこととしました」
新たなプロダクト「ZEP」とは
『バーチャルやぶ』は2022年6月、養父市と吉本興業が締結したパートナーシップをもとに誕生しました。挨拶に立った、よしもとエリアアクションの泉正隆社長が、これまでのプロジェクトでの取り組みについて説明します。
「(マヂカルラブリーの)野田クリスタルとコラボした『VR野田ゲーランド in バーチャルやぶ』や、当社所属タレントがバーチャル体験ツアーの配信を行うなど、弊社が持つエンタメコンテンツを活用。ユーザーを飽きさせない施策を実施し、盛り上げに貢献してまいりました」
そして今回、新たに始まった「バーチャルやぶ in ZEP」は、サービス開始10カ月で300万人ユーザーを突破した韓国・ZEP社運営の2Dメタバースプラットフォームを活用したサービスです。壇上に立ったソフトバンクの原田賢悟・サービス企画本部長が、その展望を語りました。
「ICT(情報通信技術)を活用し、『バーチャルやぶ』に、新たなプロダクト『ZEP』を提供します。インターネット環境さえあれば簡単にアクセスできるプラットフォームで、養父市の魅力を発信します。プラットフォームの中で養父市のファンをつくり、ファンの中でコミュニティをつくっていただきたいと思っています」
ZAZYの司会は「70点かな」
「バーチャルやぶ in ZEP」は、養父市のさまざまな名所をバーチャル空間上に再現。パソコンはもちろん、スマホやタブレットで、ユーザーがアバターとなってぐるりと市内を回ることができます。
ここで、ZAZYが「バーチャルやぶ in ZEP」の世界をめぐることに。かつて日本一の錫(すず)鉱山として栄えた明延鉱山で運行されていた「一円電車」や、同市の公式サイトが閲覧できる「市役所」、市や吉本興業の主催イベントなどが実施される「イベントスペース」のほか、AIチャットボット相談やメタバース会議ができる機能を体験して、ZAZYも感動!
イベントスペースでは、ZAZYがほかのアバターとフリップネタの「絹江にパン」でコラボして大盛り上がりとなりました。
イベント終了後、ZAZYの初司会について感想を求められた広瀬市長は「素晴らしい司会だったと思います」と太鼓判。ソフトバンクの原田本部長も「初めてではないような堂々とした司会ぶり。われわれも多々イベントを行っていますので、調整できればお声がけさせていただきたいです」と反応は上々で、ZAZYの顔も自然とほころびます。
そんななか、同じ吉本の泉社長が「70点かな」とバッサリ。超厚底ブーツで登壇したZAZYを「(久代アナとの身長差で)バランスが悪くなる」と指摘します。ZAZYが慌てて「全然、脱ぎますよ!」と言うと、「そしたら80点!」とあっさり加点。「ブーツを脱ぐだけで10点上がるので、100点は近い」とほっとした様子のZAZYに、会場から笑いが起きていました。
「バーチャルやぶ in ZEP 」はこちらから。