今年7月に傘寿(80歳)を迎えた吉本新喜劇のレジェンド、“ちっさいおっさん”こと池乃めだかが、9月19日(火)から25日(月)の7日間、大阪・なんばグランド花月(NGK)で記念座長公演に臨んでいます。自らが持つ“最年長座長公演記録“を塗り替えた初日の9月19日(火)には、客席に多くのファンが詰めかけてお祝いしました。舞台には酒井藍のほか、内場勝則、吉田ヒロ、末成映薫、浅香あき恵らベテラン勢、千葉公平、諸見里大介ら若手座員など、人気者が勢揃い! 出演者が一丸となって、記念の舞台を盛り上げました。
笑いだけでなく感動を呼ぶステージ
舞台は、めだかが営むうどん処「池乃屋」。店員役の内場と諸見里、向かいの喫茶店の親子(末成、烏川耕一)、めだかの小学生の孫(酒井)といった濃いキャラクターが次々と登場し、さっそくギャグの応酬で笑いを巻き起こします。
主役のめだかが登場すると、ひときわ大きな拍手が! 挨拶がわりに「♪見下げてごらん〜」のボケを繰り出したあとは、店員たちや孫とのコミカルなやりとりで沸かせます。酒井が通う絵画教室の教師・高橋靖子との恋物語も交えつつ、かつて酒井を置いて出て行った母親・浅香あき恵の登場で、物語は大きく動き出すことに……。めだかは爆笑をさらう一方で、孫を思う祖父を熱演し、さすがの存在感を見せつけました。
めだかと心を通わせる演技で感動を呼んだ酒井、浅香をはじめ、めだかとのコラボギャグを披露したヒロ、松浦真也との歌ネタで畳み掛けた千葉、相変わらずの脱力ぶりで笑いを誘ったMr.オクレなど、脇を固めるメンバーももちろん全力投球! 最後まで笑いあり、涙ありの展開で観客を魅了しました。
この公演の模様は、9月30日(土)の『よしもと新喜劇』(MBS)で放送されます!
「朝、目が覚めて“今日も生きとった”」
終演後の囲み会見には、めだか、酒井、浅香、烏川が出席。めだかは「いやあ、緊張した。1回目が終わり、まずは肩の荷が下りました」とホッとした表情を見せます。めだかによると、まわりから「いよいよ始まるねんな」と声をかけられるたびに「大変なことになったなあと思っていた(笑)」そうです。一方で「過去にも緊張したことはあったでしょうが、済んだことは忘れるからね」と飄々と話します。
昨年、79歳で打ち立てた“最年長座長公演記録“を更新したことについては「そういうことをやったことも忘却つかまつっております」と笑わせ、「朝、目が覚めて“今日も生きとった”と(笑)。毎日、こうして楽しい仲間と一緒にお仕事ができて、家に帰ってゆっくり休む布団があって。そんなことにものすごい感謝、感動を感じる日々」と現在の心境を語りました。
酒井は、出演者の衣装のあちこちに、めだかのギャグにちなんだ“ネコ”が散りばめられていることや、うどん屋のセットがめだかのトレードマークとなっているオレンジのスーツと同色であることなど、スタッフのこだわりぶりを明かし、「めだか師匠は全方面から愛されてるんです」とニッコリ。大先輩であるめだかについて「お芝居ができて、お芝居のなかで笑いも取れる」と絶賛し、「私もそういう師匠になっていきたい」と目標をかかげました。
「生きてる限りNGKで戦って骨を埋めよう」
浅香も、「お芝居がやっぱりすごい」とめだかを称賛。「お兄さんと絡むと、アイコンタクトでいろんなことが広がっていく。セリフを覚えるんじゃなく、理解して気持ちで言う感じ」と、その魅力を説明します。
舞台袖で待ち時間にゲームをするめだかの姿を見て、「大丈夫かな?」と心配になることもあるそうですが、ひとたび舞台に出ればいつも完璧だとか。この日の舞台についても、「(めだかとの)間だとかアイコンタクトとかで(浅香も)どんどん気持ちが入っていくから、初日から涙がポロポロ出てくるような気持ちにさせていただきました」と振り返りました。
「舞台上で肩の力を抜くところを盗んでやろうと思っている」と語ったのは烏川です。「今日もふだん通りのふわーっとした感じで、そこでボソッと言うボケがやっぱりグッとくる。なかなかマネしてできるもんでもないと思うんですけど」と話します。
そのうえで「今日も、緊張した緊張した言うてますけど、袖でずっと2人でゴルフの話してましたから(笑)。座長が緊張してたらまわりも緊張してしまうが、(めだかには)それを感じさせない懐の深さがある」と感服していました。
会見中、NGKの舞台について「僕らの戦場であり、お城みたいなつもり」と表現しためだかは、「生きてる限りここで戦って、ここに骨を埋めようという気持ち」と改めて決意を語ります。「次なる目標は?」との質問に「200周年です!」と力強く答えると、酒井らから「おお〜!」と歓声が上がりました。